そのはじまり
弱小パーティ、その言葉は私達のパーティにお似合いだろう、
私のいるパーティは大した装備もしてない前衛三人と完全初期装備の剣士ひとり、それに駆け出し魔道士の私、リール=ファースだけだった、
それはそうだろうだって小さな街でたまたま会った五人がろくに自己紹介もせずにパーティをくんだのだから…
私も現に名前と職業しか教えていない、パーティを組む上で必要なパーソナルカードすら見せてない、
それが許されるだろうか、否、許されないだろう、なぜかって?
それは今の状況が全滅寸前だからだ、
目の前にはここらじゃ有名な中ボス トロール
それに対して、こちらは前衛三人が瞬殺、
強いとは思っていたが、まさか瞬殺とは思わなかった
残りは後ろにいる完全初期装備の剣士と私だけだった、せめても報いだと、最近覚えた魔法を打とうとする
「闇の妖精よ、汝、我に力を貸し給え、タクシク!」
どうやら魔法は上手く決まり、トロールに当たったのだが、その瞬間横から殴られたような衝撃とともに目の前が真っ暗になった、
やっぱり、無理して宝箱なんか狙いに行くものじゃないなと、走馬灯のように感じた
そして、目を覚ますとそこは先程までいた小さな村だった、