異世界の入り口はいつも唐突
あたらしくはじめました。
よろしくお願いします。
イズル・レリーナ
16歳の女の子
これが今の俺の名前と身分。
男から女に。
実世界から異世界へ
なんでこんなことになったのか。
わからない。
まあ、いいだろう。
この世界を生きてみよう。
前の世界は散々だった。
なんか、この世界には来たことがあるような親しみやすい雰囲気がある。
第二の故郷だと思ってここで生きよう。
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小酒井いずる15歳は3月9日、卒業式の前日、屋上から落ちた。
自分の意志で飛び降りたのではない。
引き寄せられたのだ。ナニカによって。
時はさかのぼり、卒業式前日の朝、げた箱の中に呼び出しの手紙があった。
不思議な名前の子だ。
カタカナの名前の子なんていたかな
まあいい。やっと俺にも幸運がめぐってきたのだ!
手紙に書いてあった通り放課後に、屋上に行ってみた。
期待半分、怖さ半分。
そこに人は誰もいなかった。
やはり、からかいの手紙か…と肩を落として去ろうとすると足元に違和感をかんじた。
違う。
足元の感覚がない!
周りを見ようと体を回すと 体のバランスを崩す。
引力に対して必死に抵抗し、フェンスを掴もうと手を伸ばすもむなしく、体がどんどん浮かんでいく。
混乱しているとついに宙に急スピードで上昇していった。
強制的な拘束から解放され
落ちる。
「死」その一文字が頭に浮かぶ。
走馬燈など俺にはないのか
何もしていない。
恋人を作り、手をつないだり、キスをしたり、あんなこともしないで死ぬのか
ここで死ぬのか。
そんなの嫌だ。
いやだ。
いや
だ
意識は次第に遠のき、景色も消えていく。
最後にうっすら見えたのは、桜が舞う青い空だった。
グサリッ
小酒井いずるの存在は世界から消滅し、
転生した。
15歳の女の子として。
私が毎日1話更新している「短き者たち」の作品から設定を借りて、話を膨らましてみました。
週に1度は更新していく予定ですので気長にチェックしてください。