血濡れの悪魔
しばらくすると、順番がまわってくる。
人が減っていく増えることは決してない。減り続けるだけ。
やがて、自分の名前が呼ばれる。
左の扉を出て、廊下を歩いていくと鉄製の門が見える。
「今日の相手は、イベリアタイガーだ。まぁ、頑張れよ。後、鎧の支給はない剣だけだ」
門の前の兵士に形だけの応援を貰い、目の前の門が開けられる。
一歩進むと死刑台に足を踏み入れている気がしないでもない、門をくぐると観客席から歓声が浴びさせられる。
その歓声に負けない勢いで実況者が大声は張り上げる。
「さぁ、みなさんケイ選手です!ケイ選手の入場しました!!」
地面に刺さっている、剣を抜き、向こうの扉を見る。
「対戦相手は必ず元の形が残らないレベルで殺し続けるケイ選手!ついた名前は血塗れの悪魔!!」
歓声が沸く。
「その、悪魔の今回の相手は!!コイツだぁっ!!」
門が開く、目に入ったのは虎だ。
凄まじく長い牙に鋭い爪そして獰猛そうな目。
思った以上にでかいな。
鎧の支給がないのに相手はこれかよ……
イベリアタイガーが唸りをあげる。完全にこっちを獲物と判断している。
仕掛けるか?いや、外したら間違いなく反撃を喰らう、リスクがでかい。
唸りながら、徐々に近づいてくる。
その動きを見ながら心を落ち着かせる。
呼吸を合わせろよ、まだだ、まだ、まだ、まだだ。
ここか!?
「グオッ!!」
「っ!!」
唸り声を上げて飛んでくるイベリアタイガーにタイミングを合わせて、剣を突き刺す。
心臓を狙ったはずが、心臓ではなく前足に剣が刺さる。
っち!タイミングがずれた。吼えられたせいで体が少し止まっちまった。
実況者が何かを言っているが、聞いてる余裕などない。
そのまま、イベリアタイガーは喉元に喰らいつこうとする。
長い牙が体を掠めるが、気にしない、その長い牙を素手で掴み力を入れる。
牙が折れる音と共にイベリアタイガーが悲鳴をあげる。
後退するイベリアタイガーの眼球に折れた牙を突き刺す。
すこしだけ破裂音が聞こえたが、気にせずに引き抜いて、今度は体に目掛けて振り下ろす。
戦意を完全に無くした、イベリアタイガーに止めを刺す。
返り血を浴びて、赤くなったケイを歓声が包む。
賞賛を浴びせる貴族たちに、パフォーマンスとしてイベリタイガーの首を切り取り、観客席の貴族にむかって投げる。
恰幅の良さそうな婦人にあたり、あたった婦人は卒倒するがそれを見て周りの貴族は笑う。
剣をその場に刺すと、入ってきた門が開かれ
賞賛の声と共にケイは退場する。




