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奴隷に明日はくるのか?  作者: 赤実
3/5

試合


食堂から奴隷達の控え室に移動する。

俺たち奴隷はこの闘技場の中にある宿舎で生活させられており、時間になるとこの控え室にはいり試合が始まるまでここで待機させられる。

呼ばれたら、左の扉から出て行き試合を終えたら右の扉から戻ってくる。

もちろん、必ずしも戻ってこれるとは限らないが。

今日はドゥルグとは控え室が違った、この部屋は獣を相手にする部屋だ。

向こうは人を相手にする部屋にいるだろうと思う。

部屋の真ん中にある水晶で試合内容が写し出される。

何人かが試合内容を見ていた。

しばらくすると、胸当てと兜を着けたドゥルグが現れる


「うおぉー!!」


試合を観戦している貴族達の歓声があがる。その歓声に応えるように、ドゥルグも手を振る。

人気剣奴だからだ、この世界で長く生きている奴は強い。

ここで一年生きていれば、かなりの実力を持っている。

そんな奴らを人気剣奴として貴族達はもてはやす。

そして、運がよければ貴族に引き取られ奴隷人生に終止符をつけれる場合もある、確立としては低いが。


そんな人気剣奴の対戦者は獣人だった。

手足が毛に覆われて頭には狼の耳が生えている。

新しい奴隷みたいだが、体はしっかりと鍛えられている。

さながら、歴戦の戦士という感じだ。

傍目から見ても強いと分かる、ドゥルグも余裕のない表情になる。

そして試合が始まるが……ほとんど一瞬だった、すさまじい速さでドゥルグに近づき、首元を切られる、ドゥルグも防ごうとするが少し遅かった。

首元から鮮血が飛び散る。

それでも、戦おうとする意思を見せるドゥルグだったがその場で膝から崩れ落ちた。

試合が終わった、獣人の勝ちだ。


歓声が沸く。

さっきまで、ドゥルグが応援されていたことが嘘のようにその賞賛の声が獣人にそそぐ

いつものことだ。

新しいおもちゃが現れれば古いおもちゃは捨てられる、その繰り返しだ。

ドゥルグもあの傷では助かるのは、無理だ。

右の扉から戻ってくることはないだろう。

悲しいと思う気持ちはある、だがどうしようもない。

これが、ここでの生活だ。


どうしようもないんだ。



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