食事
点呼が始まる。
番号が呼ばれたら、返事をする。
毎日の日課の一つだ、全員分が終わった。
「よし、ついてこい」
一度も実践で使われたことのなさそうなぴかぴかの鎧を着た兵士の後をぞろぞろと俺を含め奴隷達が続く。
見ると他の奴隷も部屋から出てくるのが視界にはいる。
みんな手枷が着いた同じ格好をしている、まぁ、奴隷だから当然だが。
そんなことを考えてると同室の奴に声をかけられる
「おい、今日は何人帰ってこれると思う?」
「俺が帰ってくるのは分かるんだが、他人は分からんな」
「おいおい、その中に俺も含めておけよ」
「ははっ悪いな、ドゥルド」
そう言って目の前の体つきのいい男に謝る。
ドゥルドは何も生えてない頭をなでながら笑う。
「おい!無駄口を叩くな!」
兵士の叱咤が飛ぶ。
ドゥルドと目を合わせ、喋るのはやめ無言で歩き続ける。
しばらくして食堂に着く。
「席につけ!」
奴隷全員が席に着いたのを見終えてから、朝食が配られる。
今日は大麦がはいった牛乳粥だ。わりかしうまい。
ここでは話をしてもいいのだが、会話をする奴は少ない。
まぁ、会話を交えて仲良くなった奴が今日の試合の殺しあう相手というのも少なくはない。
なら、初めから仲良くしないのは間違いではないだろう。
まぁ、目の前の男は話かけてくるのであるが。
「今日のは中々うまいな、ケイ」
「そうだな、これで量があれば文句はないな」
ドゥルドと談笑しあう。
どうでもいいことを喋っていると急に声のトーンを落とした。
「向こうの調子はどうだ?」
「悪くはないが……掘るものが駄目になった」
「……そうか」
「まぁ、どうにかなるだろう」
「こいつは使えるか?」
周りから見えないように手渡される
これは、釘か
「ありがとよ、今日の晩のパンでいいか?」
「嫌、いらねぇ」
「珍しいな、いつものなら受け取るのにどうした?」
「俺とお前の仲だろ」
そうやってニヤッと笑う
「よく分からんが、ありがたく受け取っておくよ」
受け取った釘は隠しポケットに入れておく
「食事の時間は終了だ!!やめ!!」
兵士の声が響く。
この後、俺らの仕事が始まる。




