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第0話 平凡な俺と天災な姉

 初めてのオリジナル! 拙い部分をあるかと思いますが、温かい目で見てやってください。




 人生とは何が起こるか分からないというのが俺の持論だ。

 まあ、実際考えてみれば当たり前だと思う。というか人生全てを予測出来る人とか居たら是非とも紹介してもらいたい。


 俺は至って普通の人間だった。普通の家庭に生まれ、普通な教育を受け、普通に小学校に入学して、普通に友達が出来、普通に生を謳歌していた。

 幸せだったと思う。

 父さんと母さんは仕事で滅多に家に帰って来なかったが、帰って来た時にはどこかに出かけに行ったりしていたし、仕事で家にいない時も3時間に一回は電話かメールで様子を聞いてきた。家にいる事は少なかったが、そんな両親はとても好きだった。


 だがしかし、姉さん、テメェは駄目だ。


 俺には3歳年の離れた姉がいる。至って普通で平凡な俺だったが、それはこの姉を除いての事だ。

 姉さんは、世間一般的に言う天才とはかけ離れた天才だ。いや、むしろ天災だ。昔は神童とも呼ばれてたな。

 勉強に関しては常にトップ。スポーツも何をやらしても必ず記録を残し、それ以外の事も優秀以上の結果を叩きだす。


 華道をたった1ヶ月で極め、家元の先生を引退に追い込んだのは苦い思いでだ。あの時は俺が必死に頼み込んでなんとか引退をしないでくれた。


 容姿も上の上で、学校の男子で姉さんに告白していない者は数える程度しかいないだろう。一体何人の女子の恋を踏み躙った事か。そして何人の男子が俺に嫉妬に狂った目で睨んでくる事か。俺は絶対に悪くないと断言できる。

 細かいところまで説明すると、髪の色は黒で、腰辺りまで伸びたのをポニーテールにしている。目は黒眼で二重。若干キリリッとしている。スタイルは出る所は出て締まる所は締まると言った、俗に言うモデル体型。無駄な肉も無い(かと言ってガリガリという訳でもない。程良いという感じ)。とまぁ、要するにモデル体型のクール系美人。

 性格は、他人には優しく、自分には厳しい。困っている人は放っておけない。基本無口だが、自分の言いたい事ははっきり、ズバッと、ストレートに言う。この性格のおかげで何人もの女子の恋を踏み躙ったが良いが、逆に『お姉さま』と呼ばれ、親しまれている。ファンクラブなる物も設立されたようだ。これによって女子が憎悪に歪んだ目で俺を睨んでくる。俺は絶対に悪くないと断言できる……が、なにゆえ男子よりも籠った念の強さが格段に上なのか。因みに男子からは女王様と呼ばれて踏んで欲しいという欲望もちらほら。本気でこの学校が心配になってきた。

 ほぼ全校の女子を百合に、そして男子をMに目覚めさせた姉さんだが、本人に自覚が無く(ていうか、鈍感だからな)、本人は変わった人達という認識しか無い。

 そんなどこぞの鈍感女主人公みたいな姉だが、唯一弱点というか、欠点がある。家事が出来ない……とかならまだいい。普通だ。寝相が悪い? むしろ動かないが? 大食い? クールで美人な姉属性が付いているのに腹ペコキャラまで付けると申すか。ありえない。姉さんの弱点、それは……



 ……重度な『ブラコン』なのだ。



 元々俺は孤児なのだが、今の両親に拾われて1週間目から既におかしかったと記憶している。

 当時、俺は4歳で姉さんは7歳。姉さんと一緒に風呂に入るのは当たり前だし、一緒に寝るのも当たり前だった。更に言うと、学校以外では何処に行くのも一緒で世間からは『仲がとても良い姉弟』という認識だった。俺もそう思う。実際、俺が今挙げたのはまともな部類なのだから。

 当時の俺は家族、姉弟というのがどういうものか分からなかったから当たり前の事かと思っていたが、今なら断言できる、おかしいと。

 俺がトイレにいくときも付いて来る。休みの日の俺の姿を余すところなく写真&ビデオに収めてくる。自分で出来るのに何故か俺の着替えを手伝ってくる。俺が少し転んで擦り剥いたら救急車を呼びそうになった。俺が知らない気の良さそうなおじさんに「このラーメン屋は何処にある?」と聞かれた瞬間警察を呼んで一悶着あった。

 最後のは分からないでもないが、他のは明らかにおかしい。俺がそれに気が付いたのは小学4年の時だった。

 初めは過保護なのかな? と軽い気持ちでいたのだが、年を重ねるごとにその異常性に気が付いていった。そもそもトイレに付いて来る時点で気付くべきだったのだが。

 中学に入学した時点でもまだ一緒にお風呂に入ろうとしてくるのだからたまったものではない。その時の姉さんは高校一年生。既に体は完成に近付いており、思春期の俺にとっては毒でしか無い。


 とまぁ、こんな感じに、普通な俺には明らかに普通じゃない姉がいる訳だ。この姉も姉だがこの姉を育てた両親もすごいな。あの父も母も普通の人達だぞ? なんであの両親からあんなハイスペックな子供が生まれるんだ? 人間ってすげぇ。



 さて、ここで話は変わるが俺が初めに言った事は覚えているだろうか。人生云々ではないぞ? 俺は至って普通の人間だった、という部分だ。


 俺の姉が鈍感主人公みたいと言ったよな? 実はそれはその通りで、俺の姉は正しく主人公なのだ。まあ、体質だけど。


 主人公と言われて何を想像するだろうか。まあ、大抵の人はアニメや特撮のを想像するだろう。…もう、俺の言いたい事は分かるよな? 出来れば俺の口からは言いたくはないのだが分からない人の為に一応言っとくか。



 俺の姉さんは……魔法使いである。


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