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第18話:世界2位の英雄たち、掃除神の『洗剤の残り香』にひれ伏す

デス・バレーの汚れ(腐敗龍)が消え去り、突き抜けるような青空の下。

 俺たちはリバティ・フォースの本部――ラスベガスの超高級カジノホテルを丸ごと改装したギルド拠点に招待されていた。


「ミスター・サトウ! 貴方の……貴方の『スイング』には魂が震えた! 龍を殺さず、その魂(汚れ)だけを剥ぎ取るなど、我々には一生かかっても不可能な芸当だ!」


団長のアイアン・ビルが、シャンパングラスを片手に熱く語りかけてくる。

 周囲には、アメリカが誇るトップランカーたちがズラリと並んでいた。


「紹介しよう。我がギルドの誇る『リバティ・セブン』の面々だ。……おい、お前ら! 総帥に挨拶しろ!」


「ハッ! 狙撃手スナイパーのジェシカだ。……アンタのモップ捌き、弾道計算の完璧さを超えていた。……弟子にしてくれ、とは言わない。せめて、そのモップの『毛先』を一束譲ってくれないか? お守りにしたい」


「俺は重騎士ヘビー・タンクのボブ。……アンタが磨いた後の地面、踏むのが怖いくらいだ。滑りすぎて敵が勝手に転んでたぞ。……あれは、重力魔法の一種か?」


次々と差し出される握手と称賛の嵐。

 だが、俺の意識は別のところにあった。


(……あー、やっぱりマジックリン使いすぎたな。アメリカの硬水だと泡立ちが悪いから、ついドバドバ入れちゃったよ。……経費で落ちるかな)


俺が黙り込んでいると、エレンがスッと前に出た。

 彼女は『WCO副総帥』としてのオーラを全開にし、リバティ・フォースの面々を圧倒する。


「皆様、称賛はありがたいですが、総帥は今、**『次なる世界の不浄』**について深い瞑想(計算)に入っておられます。……ビル団長、お話の続きを。貴方方の組織と、我々WCOの今後の提携についてです」


「……おお、失礼した! 我々リバティ・フォースは、今後はWCOの『下部組織』として、全米のゴミ収集とダンジョンの換気管理を担当したいと考えている。もちろん、報酬は国家予算の5%を充てるつもりだ」


「……えっ、5%!? 掃除だけでそんなにもらえるの!?」


俺が思わず声を上げると、ムサシが腕を組んで深く頷いた。


「流石は佐藤殿。5%では『安すぎる』という抗議を、驚きの表情一つで表現されるとは……。ビル殿、この男を納得させるには、さらなる『誠意(清掃用具)』が必要なようですな」


「……くっ、やはりか! 分かった、全米の最高級マイクロファイバー工場を一つ、WCOの直轄にしよう!」


「いや、そういう意味じゃなくて……」


俺の言葉は、シブキが放つ「マスターに近づく不浄なジェシカへの殺気」と、パーティーの熱気にかき消された。


その頃、ホテルのロビーでは、アメリカ中のメディアが押し寄せていた。


『【激震】世界2位のギルド、事実上の「掃除ギルド」へ転向を宣言』

『「戦う時代は終わった、これからは磨く時代だ」――ビル団長、涙の会見』

『掃除神サトウ、150億円の報酬を「洗剤代」としてしか認識せず』


「……はぁ。エレンさん、もう帰っていい? 慣れない靴履いてるから、足の裏が蒸れて気持ち悪いんだよ」


「ダメですよ、総帥。次は大統領との『共同洗剤開発プロジェクト』の調印式が控えてるんですから」


俺の時給が、ついに「国家間の条約」に組み込まれようとしていた。

第18話をお読みいただき、ありがとうございます!


世界2位の組織を「掃除の下請け」に変えてしまったカズマさん。

英雄たちの称賛を「洗剤の計算」で受け流すその姿は、周囲には「孤高の神」に見えてしまうようです。


次回、第19話。

「五大湖の洗濯準備! だが、全米から集まった『最強の洗剤』が混ざり合って、とんでもない化学反応が起きる!?」


「リバティ・セブンがただの信者になったw」「国家予算の5%は時給どころじゃない」と思った方は、

ぜひ【ブックマーク】や、下の【☆☆☆☆☆】の評価をお願いします!


皆様の応援で、佐藤さんの「マイクロファイバー工場」が稼働します!

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