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第17話:銀龍、洗われて感動。空飛ぶ『全自動ルンバ』として就職を希望する

「……あー、お前。もう汚れは落ちたから、そこ退いてくれる?」


デス・バレーのど真ん中。

 ピカピカの白銀色に戻った巨大な龍――元・腐敗龍に向かって、俺はモップを肩に担ぎ直して言った。

 

 だが、銀龍は去ろうとしない。

 それどころか、山のような巨体を小さく縮め(どうやら魔力の密度を変えられるらしい)、一軒家サイズになって俺の足元にスリスリと寄ってきた。


『……おお……。この軽やかさ、この清涼感。数千年の油汚れ(業)が、一瞬にして……。私は今、生まれ変わったのだ……』


「総帥! 龍が……銀龍が、貴方に忠誠を誓っているようです!」


エレンが目を輝かせて駆け寄ってくる。

 背後では、アイアン・ビル団長たちが「伝説の龍を……手懐けた……!? 殺菌だけでなく、精神洗浄マインド・クリーニングまで……!」と震え上がっていた。


『掃除神様。どうか、私を末席に加えてください。貴方の移動手段として、そして空中からの「広域散水機」として、この身を捧げたい!』


「……いや、散水機はシブキがいるし。てか、お前デカいから駐車場に困るんだよ」


『ご安心を! 私は空気中の汚れを吸い込み、純粋な酸素に変えて排出する「空気清浄機能」も完備しております! 貴方の進む道を、常に無菌状態に保ちましょう!』


「……空気清浄機、か。それはちょっと、惹かれるな」


俺が少し迷っていると、シブキが俺の背後からスッと現れ、銀龍をジロリと睨みつけた。


『……マスター。このトカゲ、下心が透けて見えます。マスターの磨き残しを勝手に舐めとる気満々です。……処分スクラップしましょうか?』


「……舐めるなよ。不衛生だろ」


シブキの物騒な提案を遮り、俺は銀龍の鼻先に予備の軍手をポンと置いた。


「分かったよ。じゃあ、まずはこのデス・バレーに飛び散った「龍の鱗カス」を全部回収しろ。それができたら、WCOの『空中清掃艇』として採用してやる」


『御意!! 掃除神様!!』


銀龍は歓喜の咆哮を上げ、掃除機さながらの吸引力で、周囲の瓦礫やゴミを飲み込み始めた。

 ……うん、かなり性能がいい。


「……総帥。これで、プライベートジェットより小回りのきく『直轄部隊』が完成しましたね」


エレンが満足げに手帳に書き込む。


「これで次は、汚染された五大湖の『洗濯』も視野に入ります。……ムサシさん、そっちのゴミ袋の回収は?」


「うむ! 拙者もこの龍の動きから、新たな『払い』の極意を学ばせてもらう! 雑巾がけのスピードがさらに上がりそうだ!」


――こうして、俺のパーティーに「空飛ぶ大型家電」が加わった。


つぶやいたーの反応:

『【朗報】デス・バレーのボス、掃除神の「お抱えルンバ」として再就職』

『世界最強の龍を「空気清浄機」呼ばわりする男、佐藤カズマ』

『現在のWCO構成:総帥、副総帥(元聖女)、治安維持(剣聖)、家政婦(迷宮)、そしてルンバ(龍)』

『これもう、地球ごと洗いに来てるだろwww』


「……よし。次は、あの湖か。……エレン副総帥、特大の「洗濯バサミ」用意しといて。あそこの魔物、干すといい出汁が出そうだから」


「了解しました、総帥!!」


俺の意図しないところで、地球の「大掃除スケジュール」が、着々と埋まっていくのだった。

第17話をお読みいただき、ありがとうございます!


龍を倒さず「便利家電」にしてしまうカズマさん。

彼の前では、伝説の魔獣も「掃除の効率を上げるためのツール」に過ぎません。


「龍の就職先がルンバw」「シブキちゃんの嫉妬が可愛い」と思った方は、

ぜひ【ブックマーク】や、下の【☆☆☆☆☆】の評価をお願いします!


皆様の応援で、佐藤さんの「洗剤の配合」がさらに過激になります!

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