登場人物紹介
≪世界観≫
「冥界特別戸籍移管条約」によって生きている間に地獄の戸籍である「鬼籍」を得た者は現世での肉体を失うが、現世と地獄の行き来を許可される。この条約の基本的な性質は以下に上げる五つである。
一つ、現世から移管された戸籍は鬼籍と呼ぶ。
一つ、鬼籍を得る者は特別な処置により現世での肉体を失うが、現世と冥界の行き来を許可される。
一つ、鬼籍を得る者は居住地として現世を選択することはできず、またこの世のどんなものにも触れることは不可能となる。
一つ、鬼籍を得たものも平均寿命に応じて死を迎える。ここに示す死とは現世との交流の停止、及び冥府での審判その後の転生手順への移行を示す。
一つ、鬼籍を得る者は必ず自己の意志でその戸籍を移す必要がある。親族に関わらず、これを犯してはならない。
≪登場人物≫
【鬼籍課】
・柊 奈河
鬼籍課に配属されて一年目の新人職員。この物語の主人公。普通で平凡な一般小市民と自覚しているが、人一倍正義感が強い一面がある。そのせいで貧乏くじを引くことが多い。沙羅にキスされたことにより、幽霊が見えるようになったり、時間に制限はあるが冥界のものに触れられるようになる。
・八瀬 透
奈河の先輩。鬼籍課に珍しい理系出身。
現実主義で、何事に対してもあまりやる気はないが仕事はできるタイプ。故に仕事ができない人間が理解できない。塩顔イケメンのため法務局に彼のファンは多い。
・茨木 実
鬼籍課課長。白髪交じりの髪に黒縁眼鏡から伸びるオシャレなグラスコードをした紳士。
・大江
鬼籍課の中堅職。垂れ目の優しい外見は少し狸の置物に似ている。
・星熊 美鈴
鬼籍課の冥界支所の所長。サラサラ黒髪ハーフツインの美少女。自身も戸籍移管者。奈河よりも若く見えるが、実は茨木より年上らしい。
【閻魔庁】
・四迷
冥府の官吏である獄卒。戸籍移管者に関わる業務を担当している。物腰の柔らかい鬼。
・百閒
獄卒、額に三つ目の目がある小鬼。気が弱く、よく美鈴に使い走りにされる苦労性。
【?】
・サラ
奈河が出会った不思議な青年。綺麗な顔立ちが目立たないほど趣味の悪い服を着ていることが多い。気まぐれな行動で奈河を翻弄する。