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終点

「分かっただろう?あの娘は実の母親を殺めた化け物。俺達家族をバラバラにした張本人だ」


竜太が一通り過去を話し終え、疲れたと言わんばかりに近くの電柱に寄りかかる。


「それで…心美ちゃんがお前らを不幸にした…委員長を殺すくらいの力を持ったから殺す…つまりはそういう事…だな?」

「あぁ、やはり君は利口だな。そっちのガキとは違っー」


将は竜太の顔面を殴り飛ばした。竜太は咄嗟の事に体が反応できず、受け身を取ることもできぬまま地面に転がった。


「ふざけてんのは…テメェだろが、ゴミクソ親父が」

「ぐっ…何だ。何だと言うのだ」

「実の娘に危険を承知で、散々危ない薬試させておいて…いざヤバくなったら他人に任せます?殺しますって…?」




「全部テメェの責任だろうが!奥さんを亡くしたのも!(ここみ)を変えちまったのも!」




「一から百まで他人に擦り付けてんじゃねえ!!」


再度将は拳を振り上げ竜太に殴り掛かる。しかしその拳が届く事は無く、どこからともなく颯爽と現れた影が二人の間を阻んだ。


「は~い…そこまで♪」


警察…いや、特殊捜査部隊の月神だった。月神は将の拳を軽々と片手で受け止め、ニヤニヤと得意げな表情を浮かべている。


「月神さん…どうしてここが?」

「その将くんが持ってる被害者のスマホ。位置情報を俺のスマホに共有させといた」

「うわっ…いつの間に…」

「いやいやいや!委員長のスマホ普通にロック掛かってますけど!?しかもパターンのやつ!」

「え~?パターンなんてたった十四万通りそこらでしょ?スグじゃん♪」


月神が何か恐ろしい事をサラッと言った気がする。将に関しては顔が少し青ざめている。が、気のせいという事でスルーしておく。


「お前…か?協力者は…」

「さあ…どうかな♪」


睨みつける竜太とそれを嘲笑う月神。月神は竜太の元へゆっくり歩いて近づく。ポケットから何か取り出した。


「ま、何はともあれ…」


ガチャ


「篠原竜太…殺人、違法薬物の乱用、その他もろもろの罪で…」


月神が取り出し、竜太に着けた物。それは警察官と言えばのアイテム。


「逮捕だ」


手錠だ。




その後すぐに覆面パトカー数台が到着し、竜太は月神達の手によって連行された。委員長の遺品を勝手に捜査に利用した事や、竜太逮捕に関する謝罪や礼をしこたま俺達に言い、後々また連絡をすると言い残して去って行った。

と、思ったらすぐにパトカーが一台引き返して来た。


「悪い悪い、気が利かなかったな。送るよ。二人とも」


月神の言葉に甘え、俺と将は月神の運転するパトカーの乗車した。帰路の途中、疲れて眠いはずなのに不思議と目は冴えていた。心美と会ってからの事を思い出し、考えてしまう。

色々とまだ引っかかる事はある。人生初の怒涛の展開に現状を理解しきれてない。けれど一つだけ確かな事がある。

篠原竜太は捕まったのだ。

どうもルナです。次回から最終章に移るのですが、現在一日二話投稿なのを一話ずつの投稿に変更します。

理由としては、アルファポリスで連載中の最新話に追いついてしまうためです。ご了承くださいませ〜。

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― 新着の感想 ―
[良い点] もう30発は殴っても良くね?
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