マダガスカル爆撃を阻止せよ
こちらの手違いで、マダガスカル爆撃を阻止せよを2つ掲載してしまいました。
現在修正済みです。
よろしくお願いします。
ソ連はエジプトに大規模な空軍基地を作った。
アメリカの大型爆撃機B29を友好国だった頃にライセンス生産していた。
この重爆撃機は、報復攻撃のため、全機出動、マダガスカルへ向かった。
この情報を得た一航戦は、戦闘機隊を発進しようとしていた。
隊長の上条中尉は烈風にのりこむ。
(さて、この新型は実戦どんなもんかな?)
機種転換こそ終わり、訓練も充分にしたが、実戦が初めてであったため、少々緊張していた。
風防を前に押し、ロックする。
車輪止めが外される、そして発艦の合図と共に、飛び立つ。
赤城は確かに離着陸に不便な艦だが、もう慣れてしまった。
僚機が後ろに続く。
これがロッテ、2機で組む。
それが2つ、つまり4機で1小隊になる。
それが3つで1中隊、今回はこの1中隊が任務に当たった。
「1番機から全機へ、敵はB29だ。
後方から一撃離脱の方法で行くぞ。」
「隊長、敵機を視認しました。」
「よし、突っ込むぞ。」
増槽を落とし、一気に上昇する。
護衛機がよってくる。Yak9だ。
「邪魔をするな!」
20mm機銃を2秒撃つ、奴はばらばらになった。
「くたばれ!」
烈風の翼につけた、ロケット弾がB29を撃墜する。
友軍もどんどん撃墜していく。
Yak9が、3機まとめて上条に襲いかかってきた。
「どこまでついてこれるかな?」
烈風を旋回させる。旋回性能の高さが烈風のウリである。
Yak9たちは、Gに耐えきれず追うのをやめた。
そこを僚機が撃墜する。
「よし、B29はもう丸裸だ。」
彼は一気に距離を詰め、機銃を撃ちまくる。
だがB29は妙で、全く落ちない。
「隊長機から全機へ。卑猥なノーズアートの奴は機銃が効かないぞ。」
「おそらく盾でしょう。」
奴はB29の動きとは思えない動きで攻撃を防ぎ、味方B 29を守っていた。
「やるしかないぞ。」
上条は一気に機体を進ませターン、キャノピーを撃ち抜いた。
どんどん敵機は高度を落としていく……。
「盾は死んだ。行け!」
B29の奮戦はむなしく、すべて烈風の驚異的な機銃射撃の前に撃墜された。
「第二波が来ます!」
今度の護衛機はP51、アメリカの戦闘機だ。
最高のレシプロ機と呼ばれた戦闘機である。
上条はロスアラモスでの苦戦を思い出した。
あの時、零戦は4機で1機に当たっても苦戦した。
「因縁の対決だ、烈風の力を見せてやれ。」
高度の有利を活かして、一気に襲いかかる。
P51は一瞬の出来事で、自分に何が起こったか理解できずに落ちていった。
すると、撃墜マークの沢山付いた奴が敵討ちのつもりか突っ込んでくる。
「さぁ、来いよ。」
太陽めがけて数秒間上昇する。
後ろを見てると、奴はすぐにターンした。
「いただきだ。」
そこでターンして、機銃を食らわせる。
エースを撃墜した。
味方たちは、もうB29を撃墜してしまった。
その時、赤城から通信が入る。
「こちら赤城、レーダーに新たな機影を確認。5機だが、侮るな。」
「こちら上条、敵機確認……。エース部隊だ。」
敵機はF8Fベアキャットである。
「敵機はアメリカの海軍機だ。」
赤城艦内は震撼した。
「まだ地中海に空母が残っていたとはな……。」
F8Fは機体に双頭の鷲をペイントしていた。
かつての大帝国ローマ帝国にあやかっているのだろう。
「気をつけろ。どんな奴らかわからんぞ。」
奴らは一対一を好み、積極的に陣形を乱しに来た。
ドッグファイトに持ち込むと、それに乗ってきた。
上条は機銃を一気に叩き込み、1機撃墜した。
奴はキャノピーから脱出を試みたが、爆発してしまい、そのまま死んでしまった。
敵の無線が聞こえる。
「気をつけろ、1機やたらとできる奴がいる。」
我が方は3機ほどやられてしまったようだ。
「なんて奴らだ。烈風との性能差はそこまで無いのに。」
と、その時僚機に敵機が食らいつく。
その後ろにつくと、奴は反転してこっちに向かってきた。
それにあわせて僚機が反転して奴を撃墜した。
チームの結束力は我々のほうが上だっ……。
だが、もう我が方は我が小隊しか残っていなかった。
敵はまだ3機のこっている。
つまり、上条の小隊以外は1機も撃墜できなかったようだ。
だが無理もない、烈風を機種転換したばかりだし、なにより一航戦はパイロットの再編で古参は別の航空隊に行き、エースと言えるのは上条とその小隊位なものである。
これは、戦闘経験に偏りが出ないような配慮であったが、この戦いではマイナスに働いた。
「良くも新入り達を……。」
上条達はよく戦ったが、もはや残弾が無かった。
その時、赤城から撤退命令が来た。
連続の戦闘で疲弊した彼らは敵から撤退を開始、奴ら
は追って来なかった。
赤城に付いたとき、マダガスカルがミサイルで壊滅したと知らされた。
「どういう事ですか!我々の迎撃したB29は……。」
「囮だったのだ。ミサイルは数発迎撃したが、それでもマダガスカルのダメージは大きい。
このミサイルは地中海から飛んできた。おそらくまだ艦隊が地中海には残っているぞ……。」
上条は敵のラジオ放送を聞いていた。
「本日、我が海軍は日本海軍の第一航空戦隊の航空戦力を壊滅させ、マダガスカル報復攻撃に成功しました……。なお、この戦果を収めたアリオール隊は……」
「アリオール隊……。」
彼はあの戦いを振り返っていた。
「次は必ず勝つ。」
決意を胸に、ラジオを切った。