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軍船建造 その1


「むうーー、二人とも信じてないでしょ!」


「あぁ、信じてない」


 むう、そんなハッキリ言わなくてもいいじゃん。


 ロームの言葉に、ちょっとムッとしてしまう。


「ですが、造船ドックも、船の建造も、そう簡単な話しではありません。ジークスヴェルト様とて、分かっておいででしょ?」


 アスタリッサが、諭す様に俺に言ってくる。確かに、アスタリッサの言う通り、そう簡単な話では無い。ドックの建設だって、金がかなりかかる。船だって、きちんと設計して無ければ、沈んでしまうだろう。しかし・・・・実はもう在るのだ。模型を作った事で、俺の船に対する情熱を、燃え上がらせてしまった結果。ドワーフさん達を巻き込んで、造船ドックを造ってしまったのだ。


 船の模型だって、僅かな期間だが、造船場に出入りしていた、ドワーフさんに協力してもらって作った物だ。恐らく大丈夫、浮くはずだ。・・・・多分。


「造船ドックならもう在るんだ。後は、建造するだけなんだよね」


「あるのか?!」「まあーー!!」


「えっへん」と胸をはってみる。それを見たオットーが「その為に、ドワーフの方々が大変そうでしたが」と溢す。更に、ドワーフと聞いて、ロームとアルタリッサは「ドワーフなら」と少し笑顔を見せた。どうやら、不安を拭えたようだ。


 そうそう、造船ドックは、さすがに魔法兵の工兵部隊では建設出来なかった。技術的意味においてだ。その為、ドワーフさん達に頑張ってもらった訳で・・・・いや、ドワーフさん達は、嬉々としてやっていた。問題ないはず。


「酒をくれるなら」の一言で、全てが解決するのもどうかと思うけど。まあ、楽しそうにやっていたし、うん、問題なし!


「よし、早速建造にかかろう! ドワーフさん達に・・」


「若様! 無茶言わないで下さい! 現在、大変なんですよ彼等は」


「そうだった」

 

 クロスボウに投石機と、彼等は忙しい毎日を送っている。更に、最近は武具防具の注文も増えている。そんな中、ドワーフさん達に仕事を増やば、過労死しかねない。さすがに、そんなのダメだ。


「んーー、困ったな。取り敢えず、様子を見に行くかな」


「そうですね。それがいいです若様」


 ロームとアルタリッサには、今回の件を、一旦、保留にしてもらい。俺は急ぎ、ドワーフ達の工房へ向かった。


 ドワーフの工房・・・・。


「あぁん?! 船の建造だぁぁん?!」


「うん。建造は、暫く先にするつもりだったけど。急に入り用になったんだ」


「おい、この状況で言うか?」


 工房の中を見渡すと、十数人のドワーフ達が、忙しく働いていた。


「うん。忙しいよね、そりゃ」


「ほとんど、お前さんの所為だがな」


 その言葉に、何も言えなくなる。うん・・・・ごめんなさい。


「じゃがのぉー・・・・」


 ドワーフの親方が、何かを訴える様に、こちらをチラチラと見てくる。


「えっ、何? なんなの?」


「あぁーーなんだ。ゴホン! さすがに、クロスボウだ投石機を作るのに、飽きていた所だ。手伝ってやらん事もないぞ!」


「えっ、あっ、そう」むさ苦しいオッサンドワーフのツンデレとか、いらないから! キモイよ!


「親方! 狡いぜ一人だけ!」「おう、俺もやるぜ!」

「息抜きも必要だかんな!」「おっしゃあー! やるぜー!」


 さすがドワーフ。船の建造が息抜きになるとか、マジ職人。

 

「おっしゃーー!! 行くぞ野郎ども!!」


「「「「「「おぉーーー!!」」」」」


「頼んでおいて言うのもなんだけど、仕事を放棄していいのだろうか?」


「ダメに決まってると思います。若様」


 受けた仕事をほっぽりだし、工房からわらわらと飛び出して行くドワーフの一団を、オットーと二人で見つめていた。


「って! 後を追いかけないと!」


「そうでした。行きましょう若様!」


「うん!」


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