北の強化と名城誕生
「構え! 狙え! 放てぇーー!!」
『バシュッ、バシュッバシュッ、バシュッ』
「「「「「「おぉーー!」」」」」
一晩泊まった次の日。クラメルに持って来たクロスボウを、真珠城の、湖の近くの草原でテストをしている。
「中々の威力だな。これは使えそうだ」
「ですが、弓と違って次射に、時間がかかってしまうのは問題です」
「叔父さん。そこは射手を替えて、撃つ間隔を狭める方法があるよ」
「成る程、そんな方法が・・・・ジークスヴェルトは凄いな」
「さすがわしの孫じゃ!」
「ちょっ、ちょっとーー! 二人共ーーダメーー!」
爺ちゃんに、力強めにギュッとされ、叔父さんが横からほっぺをツンツンしてくる。
むーー! 叔父さん、ツンツンダメ! 爺ちゃん、お髭が痛い!
そんな中、少し離れた場所にて。ご婦人方が、お茶を楽しんでいた。俺の持って来た、プレゼントを眺めながら・・・・。
「まあ、なんて綺麗なのかしら・・・・」
「ですね、お義母様。ジーク君は本当に出来た子ね」
「私の孫ですから」
「うふふふ、そうですねお義母様」
「うふふふ、えぇ。おーほっほっほっ」
おばあちゃんが、美しいジュエリーの数々に、おかしくなってしまった。高笑いする姿を・・・離れた場所から、叔父さんと爺ちゃんと眺めていた。
「おばあちゃん・・・・」
「母さん、アイーシャまで・・・・」
「あーなったリーファは、どうにもできん。放っておこう」
「だね」「そうですね」「うむ」
「あの、なんでレミーシャはこっちに居るの?」
さっきから横で「おぉー!」と声をあげていたレミーシャ。
「あっちに混ざらないのか?」と、楽しそうにお茶をしているおばあちゃん達に視線を向ける。
「居たら悪い?!」
「別に悪いとは言ってない。レミーシャはよく、おばあちゃん達と一緒だから・・・・」
「こっちの方が面白そうだったから・・・・。お茶には後で加わるわよ」
「あっそ・・・・」なんだ? 今日はやけに俺の側に居るような。
気の所為だよな。うん。
「ジークスヴェルト、今度はこっちを試してみよう!」
爺ちゃんが、ウキウキワクワクとした様子で、組み立ての終わった投石機を指差す。
「爺ちゃん、ちょっと落ち着いてよ。まだ、準備は終わってないよ?」
「うーん、まだか? まだなのか?」
「父さん、子供じゃないんですから」
投石機の発射準備を、まだかまだかと待ち侘びる爺ちゃんを、叔父さんが諌めた。
「えーい、うるさい。こんな物を見せられては、仕方なかろう!」
「父さん・・・・」
「もう、爺ちゃん! 静かに待ってて!」
「うぐ・・・・すまぬ」
俺が怒ると、爺ちゃんはショボーンと、肩をすくめて小さくなった。しかし、はやる気持ちは変わらぬ様で、チラチラと投石機に視線が向いていた。
「よし、準備出来た! 爺ちゃん、叔父さん! 準備出来たよ」
「では、早速頼むぞジークスヴェルト!」
「うん。それじゃあ・・・・発射!!」
「「「「「おぉーー!!」」」」」
前の試射の時と同じく、ここでも歓声があがった。因みに、投石機は湖に向かって打ち込んだ。安全を考えてだ。
「凄ーーい! ジークスヴェルト! 凄いわ! 石が飛んでいったわよ!」
「はいはい、分かったから! 揺らすな!」
興奮したレミーシャが、腕を掴んで揺さぶってくる。
落ち着け、頼むから。
「凄い物だな。投石機とやらは」
「あんな物喰らったら、溜まった物ではない」
爺ちゃんと叔父さんは、投石機の威力を大絶賛。その後、もう一度が何回続いたか。まったく、アトラクションじゃないんだからね!
投石機の配備は二日程で済んだ。配備と言っても、城に運んで組み立てるだけだし。さほど大変では無い。運ぶのも魔法兵だからだ。
俺としては、もう一つの仕事がある意味メインだ。それは、真珠城の完成! 城を漆喰でまっ白くする。俺としては、それで完成なのだ。前回の作業では、全体の一割も出来なかったが。今回こそ完成させる! 俺が大量に、錬金魔法で生成した貝殻の元であり、漆喰の元でもある、炭酸カルシウムを使い。真珠城は完成する。
今回のために、大量に作った。その量、普通に運んでいたら、馬車十台でも足りないりょうだ。
それを、錬金魔法を駆使して、城に貼り付けていく。
城の壁が、白く美しくなっていく様は、ある意味神秘的だった。
自分でやってて、思う程だ。
兎に角、今回用意した量で、問題なく城の壁全てが白くする事ができた。けど・・結構、余っちゃったな。どうしよう、コレ?
この後、真珠城はデルドグランド大陸において、美しい城十選に選ばれる、名城となる事を、ジークスヴェルトはまだ知らない。
さて、終わったし。後、二、三日したら帰るかな。




