表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

36/55

クロスボウ部隊の強化


「中々様になって来たね」


「はい、命中率も良くなって来ました」


 募集した屯田兵に創設した、クロスボウ部隊の訓練を始めて一ヶ月あまり。皆、クロスボウにだいぶ慣れたのか、的に命中する確率も、格段に向上していた。


「うん、うん。だいぶ良くなったけど。やっぱり、動かない的じゃ限界があるね」


「確かにそうですが・・・・動く的などありませんよ?」


「そうでも無いよ。俺の魔法を使えばね」


「えっ、まさか!」


「そのまさかさ、オットー。ふっはっはっはっ! と言っても、今日は無理だから三日後くらいにしとこう。みんなには、そう言っておいて」


「・・・・分かりました」



 城に帰宅後・・・・。


「それで、ジークスヴェルト。今度は何をやらかす気だ?」


 父さんから、やらかす前提で問いただされた。ちょっと悲しい。


「・・・・酷くない? やらかす前提なのは・・」


「自分の胸に手を当てて、よく思い起こしてみろ。やらかさ無かった事などないだろうが!」


 ・・・・・・うっ、言い返せない。


「それで、何する気だ?」


「別にたいした事じゃないよ? 魔法兵を使って、実戦さらながの、訓練をするだけだから」


「・・・・ふむ。それは・・・・怪我とかしないよな?」


「あくまで訓練だよ。怪我人を出す程の騒ぎにするつもり無いから!」


「・・・・うーーん、ならいいだろう。そのかわり、父さんも見に行く。ちょっと心配だからな」


「・・・・単に父さんが見たいだけなんでしょ」


「ち、違うぞ! ジークスヴェルトの父として、責任があるからな」


「はいはい、そう言う事にしとくよ」


 素直に、気になるって言えばいいのに。


「貴方達、食事中は静かに」


「「・・・・・・・・」」


 そう言って、母さんは自分の手や、胸元を見てうっとりしている。さっきから、別な意味でうるさい。


「母さんこそ、家族だけの夕食に。わざわざ、それを着けなくても」


 母さんの指には、ダイヤモンドの指輪。首には、ダイヤモンドのネックレス。耳には、ダイヤモンドのイヤリング。俺が母さんにプレゼントした、ダイヤモンドのジュエリー、三点セット。


 かなり気に入ったのか、プレゼントしてからずーーーっと着けてる。正直、キラキラと眩しくて目が痛い。


「ジークちゃんの贈り物なんだから、大切に着けてるのよ」


「みんなに見せて、自慢したいだけでしょ」


「ち、違うわよ! そんなんじゃないわよ?!」


 夫婦は似ると言うが・・・・ほんと、そっくりだ。


「あううーー!」


「リィーナは、あーなるなよ」


「あうあ?」


 リィーナはいい子に育ってほしい。・・・・母さんみたいにはならんでくれ。頼むから。



 それから三日後・・・・。


「訓練にはちょうど良い天気ですなぁー若様!」


「なんで、ジィまで居るの?」


「すいません。どうしても見ると言って・・・・」


「まあ、いいんだけど。それじゃあ、始めよう!」


「「「「「「おぉぉー!!」」」」」」


「随分と士気が高いな?」


「ベルハルト様、若様は皆に、結構慕われておりますよ」


「ほう、ジークスヴェルトは、中々人望があるのだな」


「さすがは、若様ですなぁー」


「それで、ジークスヴェルト。どのような訓練をするのだ?」


「実戦に近い訓練だよ。これでね・・・レギオン!」


「「「「「「おぉーー!」」」」」」


 ズラッと、千体の魔法兵が現れる。その数と、槍と盾を装備し、

威風堂々とした姿に、歓声が思わず上がった。


「おぉ、これだけの数が現れると、なんとも壮観だなぁー」


「ですな、ベルハルト様。見事な兵隊達のございます! 若様と戦場を駆けるのが、楽しみでございます!」


「それで、ジークスヴェルト。どうするのだ?」


「まあ見てて。それじゃあ・・クロスボウ部隊のみんなは、この柵の中に居てね。そんでもって、ここから攻撃してね。魔法兵は・・・・向こうから進撃してくるから、狙って撃って見て!」


「「「「「・・・・・・・・」」」」」」


「あれ? みんなどうかした?」


 さっきまでの元気が、嘘のように静まりかえる。


「若様。恐らく若様の魔法兵ですよ!」


「魔法兵? あぁ、そうか。みんな、魔法兵は魔法だから気にしないで攻撃してね」


 きっと、人の姿をしてるから。攻撃に躊躇いが出たんだな。みんな優しいな。


「いえ、そうでは無く。魔法兵に、ビビったんだと思いますよ」


「えっ、そっち?」


「はい。そっちです」


 オットーの言葉を肯定するように、うんうんと、みんな一斉に首を縦に振った。


「・・・・兎に角、始めるよ。コレは実戦じゃないから、ビビってもいいけど。いざと言う時のために、慣れてもらうからね。分かった?

みんな! 返事は?!」


「「「「「「は、はい!」」」」」」


「それじゃあ、訓練開始!」


 百五十メートル程の離れた距離から。槍と盾を装備した魔法兵隊を、横一列に百人に、縦に十列で隊列を組ませて、進撃させる。俗に言う、ファランクスと言う奴だ。詳しくは知らないので、あくまでもどきではある。しかし、魔法兵は俺の思い通り、隊列を一切乱さず動くさまは、かなり恐ろしく見える。故に・・・・。


「「「「「ひぇーー!」」」」」


 となった。


「ちょっと、みんな! まだこの距離でビビってどうすんの!」


「ですが・・・・」「そうだ、怖ぐてしかねぇだ」「おら達には無理たぁ」


「戦わずして、戦意を奪うとは! さすが若様!」


 ジィ、ちょっと黙って!


「ジークスヴェルト、さすがにアレが迫って来たら、正規の兵でもこうなると思うぞ」


「うーーん、仕方ない。今日は兎に角、慣れる事から始めよう」


「慣れる所からですか?」


「うん。この様子じゃ、訓練にならないもん。まずは、魔法兵の威圧に慣れてもらって、そこから本格的な訓練に入るしかないよ」


「・・・・ですね。みんな怯えてますし」


 ふう、思った通りには中々いかない。まあ、仕方ない事ではある。こう言うのは、積み重ねが大事だしね。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ