ミスリル刀とダイアモンドの加工
ロームとアスタリッサとの取引が終わった後、俺は直ぐに帰り。
部屋に篭って刀の製作を開始した。
「さてと、ミスリルを使って、日本刀を作ってみますか」
この量なら、打ち刀が出来そうだけど・・・・このちっこい体じゃ、小太刀くらいが丁度良いんだよねぇー。
「でも、大きくなった時の事も考えて・・・・うん、打ち刀にしよう」
よし、じゃあまずは・・・・ミスリルに魔力を込めて・・・・。
「ふおぉぉ! ふぬぅぅぅ!」
さすがはミスリル。硬い。魔力を込めても、なかなか柔らかくならならない。
「なかなかやるな。ならば! ふんがぁぁーーー!」
これでもかと魔力を込めると、グニャリとミスリルが変形した。
おっ? いけた! よし、まずは長方形にしてと。そこから、折り返し鍛錬を・・・・十回もすれば充分かな?
「ふぬぬーー! ふうー。さて、次は刀の形に成形してと・・・・はい完成」
うむ、良いできだ。出来上がった刀身は・・・・中々満足いく物だった。ただ・・・・日本刀には波紋があってこそなのだが。ミスリル刀に波紋は作れるかな?
「試してみるか。ふぬぬぬぬぬ・・・・どうだ? 薄っすらとだけどでてるな。ミスリルは、波紋がでにくいのかも?」
うーん。まあ、こんな物か。鞘と柄は後で職人さんに頼もう。
あっ、鍔はどうしよう。ミスリルと鋼の合金で作るか。
形状は円形でいいだろ。ふがーーっと。
「ふう・・・・よし、出来た。こんな物かな?」
試し切りしたいけど、それは柄を作ってからだな。
「刀はこれでオッケーと。次は・・・・ダイヤモンドだ」
うーーん、ダイヤモンドの加工と言っても。ブリリアントカットの方法なんて知らないしな。
取り敢えず・・・・それっぽく削ってみるかな?
「えーと、試しに使うダイヤモンドは・・・・コレにしとこう」
選んだのは、色が少し薄茶かかったブラウンダイヤモンド。初めての試みなので、失敗した時の事を一応考える。
と言っても、ダイヤモンドに触れた事で、ダイヤモンドを創造錬金魔法で、作れる様にはなった。数は限られるけど。
「よいしょ・・・・うーーん。こうか? んーー? ちょっと、違うか?」
試す事、十一個目。やっとそれらしき物が出来た。窓の側に行き、太陽の光に当てて、ダイヤモンドの輝きを見てみる。
「うーん、どうなんだろう? 良いよーな、悪いよーな」
それにしても・・・・「十一個も無駄にしちゃったなぁー。
あっ! と閃く。削りカスのダイヤモンドや、失敗したダイヤモンドを錬金魔法で一つに。成功するかは分からないが、やるだけやってみた。その結果・・・・。
「なんて便利な・・・・」
結果、上手くいって、大きな大粒ダイヤモンド、卵型ダイヤモンドが完成した。
「便利と言うか、エコだな。このチート」
削りカスすら無駄にしないとは、なんともエコな力である。
しかも、最初の頃より、色、透明度ともに良くなった。
大きさからして、50カラットくらいにはなったな。コレもカットしてみるか。
「形は・・・・まだ、難しいのは無理だし。うん、卵の形に成形しちゃってるから。それを活かす方向でいくか」
ふんふんふーーん♪ 出来るっかな? ふんふんふーーん♪ 出来たー!
「我ながら中々の出来かな?」
後は・・・・んー、身につける様に、加工しようかと思ったけど。こんなの王様ぐらいしか持ってなさそうだな。
俺の手の中に、国宝級の代物がある。
「うん、コレは封印決定で」
母さんに見られたら、どうなるか分からない。箱に閉まって、こんな物は無かった事にしよう。
その日の夕食時の事。
「ジークちゃん、宝石を買ったって聞いたけど? なんでお母さんに、話がないのかしら?」
「な、なんでそれを!」
「オットー君から聞いたわ」
オットーの奴!
「それでジークちゃん? どう言う事なのかしら?」
母さんは、俺の後ろに周りこみ、両手を肩に置いて掴む。その指は、ぐりぐりとめり込んでいった。
あたたたたっ! くっ、なんて力だ! 父さん!
父さんの方に目線をやり、助けを乞うと。父さんはサッと目線を逸らして「ほうら、リィーナ。ごはんでちゅよー」とリィーナに離乳食を挙げていた。
くっ、どうする?!
「ジークちゃん?」
こうなったら!
「もう、オットーったらなんでバラす訳! 折角、プレゼントして驚かそうと思っていたのに!」
「まあ、ジークちゃんたら、お母さんの為に?」
「うん! そうでも無いと宝石なんて買わないじゃん」
「確かに、それもそうね」
「バレちゃったら仕方ないけど。もう少し待ってね」
「あら、どうして?」
「折角だから凄いプレゼントにしたいの!」
「うふふふっ、分かったわ。楽しみに待ってるわね」
「うん、楽しみにしてて!」
母さんの手は、俺の肩から離れると。俺の体に腕を回してギュッとして来た。取り敢えず、難は逃れたようだ。
「ジークスヴェルト、父さんには?」
「無い!!」
「んな?!」
勿論、俺を見捨てた父さんには、プレゼントなど無いのである。
その日から暫く、母さんが俺の後ろに着いて来ては「まだ?」と尋ねてくるように。それに俺は「まだだよ」と言い返すのが続いた。
って! トイレまで着いて来ないでよ!




