ミスリルと宝石
「ふぬーーーぬーぬぬ。ふうー」
・・・・・・・・どれだけ頑張っても、ミスリルを生成出来る量は、米粒より小さい。・・・・はあーー。
机の上に転がる米粒大のミスリルに、思わず溜め息がでる。剣どころか、ナイフを作るのに何日、いや、何ヶ月かかるか。叔父さん達に貰った、誕生日プレゼントのミスリルと合わせても、ナイフすら作る量も無い。
だから、ミスリルを手に入れる為、アスタリッサとロームに頼んだ訳で・・・・そして遂に! 遂に! アスタリッサとロームから連絡が来た。
「うふひ。おっと、変な笑いが」
嬉しさのあまり、変笑い声が出てしまった。しかし、これでミスリルの剣が! 剣が作れる!
「さあ、行くぞ! オットーよ!」
「若様、大丈夫ですか?」
「大丈夫だ! 行くぞ! 港へ!」
「あの、オットー殿、ジークスヴェルト様はどうかされたのでしょうか?」
「大丈夫ですよオブロン殿。多分、ミスリルが手に入る事が、嬉しいのでしょう」
「あぁ・・・・成る程?」
「さあー、行くぞ!」
*****
「着いたぞ!」
「落ち着いて下さい若様」
「オットー殿、ジークスヴェルト様は本当に大丈夫ですか?」
「大丈夫です。多分」
「ほら、二人共行くよ」
「「はい!」」
「それで! どうだったの! ミスリルは?! 宝石は?!」
「落ち着いて下さい若様」
「どうしたんだ? やけに興奮してるな」
「あらあら、ジークスヴェルト様ったら。そんなに楽しみにしてたのね」
ロームとアスタリッサは、興奮する俺に目を丸くして驚いていた。
「まるで子供だ・・・・いや、子供だったな」
「ふふ、そうね。ジークスヴェルト様とお喋りすると、子供に思えないのよね」
「どう見ても、七歳児だけど?」
「見た目だけな」
「見た目だけですわ」
二人は軽く息を吐き「やれやれ」と言った雰囲気だった。
・・・・なんか引っかかるけど・・・・まあいいや。早く! 例の物をだしな!
俺の考えてる事が伝わったのか。二人は、人を呼んだ。
ロームは鍵付きの箱を受け取り、机に置いた。
アスタリッサは、手のひらサイズの小箱を数箱受け取り。それを机に、綺麗に並べた。
「ジークスヴェルト殿、注文の品だぜ」
ロームはそう述べると、鍵を開けて箱の蓋を開けた。
「おぉ、中々大きい!」
箱の中には、ソフトボール程の大きさのある。ミスリルの塊が入っていた。この大きさなら、恐らく剣が作れる!
「どうやら、喜んでもらえたようだな」
「うん! ありがとうローム!」
「ふふふ、そうして喜んでいると。ただの子供にしか見えないのに・・・・。さて、次は私ね。どうぞ、ご覧あれ」
アスタリッサは、小さな小箱を一個一個開けていった。その中には、色とりどりの宝石が入っていた。
「まずはこちらが・・・・ルビーです」
「おぉー! コレが」アレ? 小さいな。0.5〜0.7カラットくらいかな? 数は・・・・十個程か。まあ、数種類の宝石を頼んだし。
こんな物か。
「そして、次はサファイアです」
「サファイア!」うん・・・・コレもルビーと同じくらいか。
「さらに、エメラルド、トルマリン、ガーネット、アメジスト、
最後にダイアモンドです」
「おぉ! 全部で七種類も! ありがとう、アスタリッサ!」
「喜んでいただけて、安心しましたわ」
こんなに手に入るとは思って無かった。小さいけど・・・・あれ?
ダイアモンドだけ、他より大きい?
「あの、アスタリッサ。ダイアモンドだけ大きくない?」
「そりゃそうだろう?」
何故か、アスタリッサにした質問に、ロームが割って入って来た。
「ローム、ジークスヴェルト様は私に聞いているのよ」
「別にいいだろ? ジークスヴェルト殿、ダイアモンドは硬くて加工しづらい。その上、色が透明だろ? だから人気が無いんだ」
「つまり、人気が無いから大粒のダイアモンドが手に入り安いと?」
「そう言う事だ」
「へぇー」コレ、アレだな。地球でも、あった話しと同じだな。
実は、ダイアモンドは当初人気が無かった。理由も同じだ。硬いから加工しにくい。それに、色のあるルビーやサファイア、エメラルドの方が人気があった。それが変わったのは、ダイアモンドの加工法が確立したからだ。ダイアモンドをダイアモンドで削ると言う手法と。今ではごく当たり前の、ブリリアントカットと言う技法が生まれた事で、価値と人気が爆発的に上がったのだ。
・・・・俺が、なんでこんなに詳しいかと言うと。地球の母の姉、つまり叔母に当たる人が、宝石店に勤めていて。聞いてもいないのに、宝石に関する歴史や知識を教えてくるだ。宝石命の人だった。
まあ、大半の話しは聞き流していけど・・・たまには役に・・立ってはいないか?
兎に角、宝石が手に入った。手に入れば後は・・・・くくく。
創造錬金魔法で生み出し放題・・・・量は限定されるけど。
それにしても、ダイアモンドが安いなら。買って、俺が加工して転売すれば、儲けられるのでは? ふむ、お金に困ったら考えておこう。
「ありがとうね二人共」
「なぁーに、大した事じゃねぇよ」
「ジークスヴェルト様には、退屈しませんから」
よし、帰ったらミスリルの限定・・・・いや、刀がいいかな?
うん、刀を作るか。今の身長を考えると、小太刀くらいがいいかな?
そうだ! 後、母さんに宝石を使った物でもあげようかな?
・・・・うん、それはまた今度でいいか。面倒だし。
ふふふ、刀か。どんな物が出来るかな。




