クリメラに帰還
「帰って来たね、オットー」
「はい、久々のクリメラですね」
俺達は帰って来た。湖畔のお城、真珠城も完成したので、数ヶ月ぶりに、クリメラに帰ってきた。
「まだ、ヒリヒリするよー」
「あはは・・・容赦ありませんでしたね」
「俺のぷにぷにほっぺが真っ赤だよぉー」
クリメラに帰還するさい。爺ちゃんにやられたのだ。チクチクのお髭による、ジョリジョリ攻撃を、これでもかと喰らってしまった。
「グスタフ様の愛と思って下さい」
「あんな痛い愛はいらないよ」
俺の答えに、オットーは苦笑いをした。
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「ただいまぁーー!」
「おかえりなさい、ジークちゃん」
「あうー!」
「あれ、父さんは?」
出迎えてくれたのは、母さんと妹。それに、メイドと執事だけ。
ん? もしかしてなんかあった?
「ちょっと出かけているわ。テンネイス側の・・・・隣りの領地、ルベリア領から難民が来ているのよ」
「難民? テンネイスは戦争でも起きてるの?」
俺の頭に浮かんだのは、地球時代の中東などのニュースだった。
テンネイスにも、戦争が吹き荒れているのだろうか?
「あっ、ウォルター爺ちゃん大丈夫かな?!」
ウォルター爺ちゃんは、母さんのお父さん。テンネイスに領地を持つ貴族だ。会ったのは一度だけだけど、ちょっと強面だが、優しいお爺ちゃんだった。
「大丈夫よ。手紙で定期的に状況を知らせて来るけど、今の所は大丈夫だって」
「でも、ちょっと心配だね」
「えぇ、そうね」
母さんは顔には出さなかったが、とてと心配してるのが見てとれた。戦争の火種は、あちこちに転がっている。ここだって、いつまで平穏でいられるか・・・・。準備せねば!
それにしても難民か。人が増えるな。あっ、その難民の人達から選抜して、俺の私兵団を作るとか・・・・でもなぁー。その人達が、戦って死んだ時。俺の所為だよな・・・・責任とれるのか俺?
・・・・・・考えても仕方ない。だって、分からないしそんな事。兎に角、俺が今すべき事それは・・・・遊びに!『ガシッ』
遊びに行こうとした所を、母さんに首根っこを掴まれ阻止された。
「ジークちゃん? ちょっとお母さん、話しがあるの」
「何でしょうかお母様」
「お母様だなんて、いつも通り、母さんでいいのよ。それより、何でも翡翠と言う宝石について聞きたいわ」
一体、何処からその情報を!
「うふふふ。お義母様から、情報は常に来てるのよ。ジークちゃん」
「あーーーれーーーー」
俺は連行されてしまった。どうなったのかは、言わなくとも分かるはずだ。
「帰ったぞ。おっ、ジークスヴェルト。お帰り」
「父さんただいま!」
出かけていた父さんが帰って来た。
「父さん、難民が押し寄せてるの?」
「・・・・あぁ、シエナに、母さんに聞いたのか?」
「うん」
「かなりの数が押し寄せていてな。少なくとも、三百」
「三百人も?!」
「ルベリア領にも、既に千人程、押し寄せてるらしい。抱えきれなくなった難民を、ルベリアがバルクルート領に押しつけているみたいなんだ」
「ルベリアって・・・・人口一万人くらいだっけ?」
「うむ、それくらいだな」
うん、人口一万人の所に、千人も押し寄せたら、そりゃあ無理だろうな。恐らくルベリアは、抱えきれなくなった難民を、さらに押しつけてくるだろう。来るなと言っても無理だろうし、食料にも限界がある。対策が必要だな。
「父さん、これからどうするの?」
「うんーー、難しいが受け入れるしか無いだろうな。今は、ジークスヴェルトが開拓した土地があるからな。そこに受け入れて行けば何とかなるが・・・・」
「今後はどうなるか分からない?」
「あぁ、そうだな。数百の内はまだいいが、数千となるとな」
だよな。養える許容を超える。でも、逆に考えれば人が増えて発展出来る。よし!
「じゃあ、開拓をもっと頑張るよ」
「ジーク・・・・うん、頼んだぞ。正直、それくらいしか俺も浮かばん」
よし、明日からバンバンやるぞーーー!! おぉーー!!




