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両親と妹の帰還


『コンコン』


「ジークちゃん、入るわよ」  


「どぉーーぞぉー」


 寝込んで四日目の朝。母さんが俺の部屋に、様子を見る為、訪ねて来た。


「おはようジークちゃん」


「おはよう母さん」


「ちょっと、おでこ出してみて」


「はーい」


 俺は、ベットから体を起こして、前髪を退けておでこ出した。


「・・・・・・・・」


 母さんが、自分のおでこを俺のおでことくっ付ける。


「熱は下がったみたいね。良かったわ」


「うん」


「・・・・ごめんなさいねジークちゃん。無理させちゃって」


「うんうん。大丈夫だよ」


 母さんが俺を、ギュッと強く抱きしめる。俺もギュッと返す。母さんの良い匂いが、フワッと鼻に入ってくる。


 母さんの匂い・・・・好きだ。とても落ち着く匂い。


「それじゃあ、朝食にしましょう」


「うん。着替えるから先に行ってて」


「えぇ。じゃあ、先に行ってるわね」


 着替えて、ダイニングへ。ダイニングの扉を開けると、みんなが座って待っていた。


「ジークスヴェルト! 体はもう大丈夫なのか?!」


 座っていた爺ちゃんが、俺の顔を見るなり立ち上がって。扉の前に居る俺の元にやって来た。


「心配してぞ! ジークスヴェルト!」


 爺ちゃんがギュッと抱きしめ、お髭ジョリジョリ攻撃をしてきた。


「爺ちゃん痛い。それに苦しいよ」


「おっ! すまぬすまぬ! 兎に角、元気なって良かった」


「もう、大丈夫だよ」


「ジークちゃん!」


「おばあちゃん!」


 今度はおばあちゃんが、ギュッと抱きしめてきた。


「ごめんなさいね・・・・無理させちゃって」


「大丈夫だよおばあちゃん」


 おばあちゃんにギュを返す。おばあちゃんは、それが嬉しかったのか、優しく微笑んだ。


 最後に来たのは、アイーシャさんとレミーシャ。


「ジーク君、無理させてごめんなさいね。レミーシャ。ほら、お礼を言うんでしょ?」


 レミーシャの方に目のをやると。モジモジしていた。レミーシャの首には、俺のあげたネックレスがかけられていた。


「ジークスヴェルト・・・・コレありがとう」


 おっ、ついにデレ・・。


「アンタが作った割には・・・・まあまあね。ちょっとだけよ! いえ、アリん子程度にはね!」


 ・・・・前言撤回。ちょっとは素直になれ! たまにはデレろよ!


「はあー。あーー、はいはい」


「それでは、朝食にしよう」


 父さんの一言で、みんな席に戻る。俺も、空いた席に腰をおろした。並びは、父さん、俺。リィーナ、母さんだ。


「あううー!」


 隣りに、赤ちゃん用の椅子に座るリィーナが。俺の顔見て何かを訴えてくる。挨拶かな?


「リィーナおはよう」


「あうあー」


「うん・・・・何言ってるか分かんない」


「ふふふ。ジークお兄ちゃんの顔を見れて、嬉しいのよ」


「そうなのかな?」


「あぶーぶあー」


 ・・・・多分・・違うと思う。


「そうだ、ジークスヴェルト」


「ん? 何? 父さん」

 

 俺と母さんリィーナは、今日帰るからな。


「えっ、今日帰っちゃうの」


「さすがに、長く向こうを空けられないからな」

 

「そう・・・・か。そうだよね。分かった」


 ちょっと寂しいけど、仕方ないよね。


「ジークちゃんはどうするの? 一緒に帰らないの?」


「湖畔のお城が未完成だから・・・・もう少しこっちに居なきゃ。夏前には帰って来るから」


「そう、ちょっと寂しいわね。リィーナも寂しいって」


「あうあう」


「・・・・・・・・」いや、早くメシ食わせろだと思う。スプーンを握って、皿を叩く妹リィーナ。うん、絶対寂しいとは思ってないと思う。


「ふむ。夏前には、完成するのか? ジークスヴェルト」


「一応その予定だげど・・・・それがどうかしたの? 爺ちゃん」


「うむ。いや、ジークスヴェルトが帰ってしまったら。わしらが寂しいからな」


「そうね。ジークちゃんとの生活は楽しいから・・・・おばあちゃんも寂しくなっちゃうわね」


 爺ちゃん、おばあちゃん・・・・うるうるー。俺が離れがたくなっちゃうじゃん!

 


 その日の昼に、父さんと母さんリィーナは帰った。


 ・・・・寂しくなんか無いんだからね! ・・・・うー、ちょっと寂しいよ。


 三人の背中を見送り、何とも言えない寂しさが・・・・。体が子供だと、やっぱり精神もそれに引きずられるのかな?


 こういう時は、動いて忘れるのが一番! と言う事で、湖畔のお城、建設現場へ。


「四日分の遅れを取り戻さないとね。やるよオットー!」


「若様、あまり無理をするとまた熱をだしますよ」


 護衛のオットーを連れて湖へ。因みにジィは居ない。父さん達と一緒に帰った。さすがに、これ以上ジィが居ないのはまずいらしい。完成した、湖畔のお城を見れない事を、凄く残念がっていた。


「さあ行け! 魔法兵達よ!」


「若様、危ないので岩から降りて下さい」



 完成予定は夏前だが・・・・それまでに終わるかな?


「あっ!」


「若様、どうかしましたか?」


「うん・・・・森を巡回させてる魔法兵が、魔物を倒したみたい。やっぱり、この辺は魔物が多い」


「ですね。ですが、かなり減ったとダスティン様が申しておりましたよ」


「そりゃあ、建設の度に出て来る魔物を、狩ってるからね」


「やはり、若様の魔法兵は凄いです。普通は、部隊を率いて間引きますから」


「俺は一人部隊? いや、規模で言ったら一人軍隊かな?」


「本当なので、冗談になりませんね」


「だねぇー」


 さあ! 今日も頑張りますか。けど、軍隊と言うよりも・・・・一人建設会社だよね。


 湖畔のお城の、建設現場を見ながらそう思ってしまった。


 夏前には終らせるぞー! えい、えい、おぉーー!

 



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