真珠のアクセサリー三点セット
「ジークちゃん。使者の方々を、おもてなしする晩餐会を開くから。その晩餐会に身につける、真珠のアクセサリーを作って♡」
「「「お願い♡」」」
・・・・♡、じゃねぇよ! 俺は心の中で叫んだ。
「はあーー」
数千個はあろうかと思われる、山積みの貝殻に。思わず溜息が出てしまう。
「やるっきゃ、ないか」
ふん! ふん! ふん! ふん! ふん! ふん!
はあ、はあ、はあ。
ふんぬ! ふんぬ! ふんぬ! ふんぬ! ふんぬ!
はあー、はあー、はあー。
ふんぬが! ふんぬが! ふんぬが! ふんがーー!
はあーー、はあーー、はあーーー。
何とか、真珠層の剥離が終わった。もう既に、限界間近。
思った以上にキツイ。
それにしても、結構な量が取れた。これなら、三人分作れそうだ。今度のは、大粒である必要は無い。大きさは、六ミリと九ミリの真珠を作るつもりだ。
ヤミ貝の貝殻から、三ミリと六ミリの核を作っていく。
三ミリの核を百個。六ミリの核を二十個作成する。因みに、まん丸ではなく、微妙に歪ませて作ってある。次に、真珠層を纏わせていく。真珠層の厚さは、三ミリ程にしておく。出来れば、もう少し厚さがある方が、深みのある光沢になると思うのだが。貝の量と、作る量を考えると仕方ない。
「まずは、イヤリングからだな」
九ミリと六ミリの真珠を使って、イヤリングを作っていく。作りは、簡単な物にデザインにしておく。難しいのは無理だし。俺は芸術的センスにそこまで自信が無い。金と銀の合金にして、イヤリングを作っていく。出来は・・・・悪く無いかな。
「うん。まあ、こんな感じでいいか。次は指輪だ」
指輪は超簡単。金と銀の合金で、リング部分を作成。その上に、九ミリ真珠を中心に、六ミリ真珠を左右に一つずつ設置。固定する。うん。簡単でシンプルなデザイン。楽でいいな。
「さて、最後にネックレスだ。でも出来るかな?」
問題は、ネックレスに使うワイヤーだ。正直、今の材料だと無理だ。んーー、どうしよう。単純に繋げるか?
「取り敢えず、やってみるか」
三十個の六ミリ真珠と、九ミリ真珠五個で、ネックレスを作成していく。一個一個の間を、一センチ程の隙間を空けていく。さすがに、隙間なく作ると真珠が足りない。
「ふう・・・・やっと出来た」
完成した、真珠3点セット。この世界・・と言うより。中世前期、いや後期の時代でも。家宝クラスだろうな・・これ。
「早速持って行こう。母さん達、どんな顔するかな?」
☆☆☆
「母さん! 出来たよ!」
「「「まあーーー!!」」」
母さん達に、真珠三点セットを見ると、目を輝かせた。
「凄いわ! ジークちゃん! さすがは私の息子!」
「あらー! イヤリングだけじゃなくて、ネックレスに指輪まで! ジークちゃんありがとう!」
「ありあらまあまあ! 本当にありがとうね。ジーク君」
まったくもう。本当に疲れたんだからね!
「後これ」
「これは?」
「レミーシャの分。余ったやつで作った」
レミーシャ用にネックレスを作ってみた。一応と言うか。何となくかな?
「あらあら。ありがとうねジーク君」
アイーシャさんは、俺を見つめながら軽く微笑んだ。何やら、妙な誤解をしている笑みでもありそう。
「あっ、そうだ。母さん!」
「何かしらジークちゃん?」
「晩餐会に僕も出た方がいい?」
「当たり前でしょ? ジークちゃんはお父さんの息子で、嫡男なんだから」
「すうだよね。でもさ、出れそうに無いんだ」
「え? どう言う事?」
「魔法の使い過ぎで・・もう・・・・げん・・かい」『バタン』
「「「ジークちゃん「君!!!」」」
魔力の使い過ぎによるオーバーヒート。詰まる所、熱を出して倒れてしまった。まあ、みんなが喜んでくれたので、良しとしとこう。
おばあちゃんと母さん。それにアイーシャさんは。今回の事があってから、無茶なお願いはしなくなった。暫くは・・だけど。
三日程、ベットから出れず。使者の人とは、結局挨拶すら出来なかった。寝てるだけって暇だな。
そうそう。寝込んでいる間、レミーシャが俺の世話をしてくれた。どうやら、真珠のお礼らしい。遂にデレたかと思ったが・・・・ツンツンは健在だった。
「ちょっとレミーシャ! 濡らしたタオルは適度に絞ってよ」
「う、うるさいわねジークスヴェルトは! 静かに看病されてなさい!」
ビチャビチャのタオルをおでこに置かれ。散々な目に遭った。デレは、まだまだ遠いみたいだ。




