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おもてなしの準備と真っ黒な貝


「あなたはコレを調理して!  あなたはあっちを! それは皮を剥いて! 待って! それは煮るのよ!」


 只今、調理場と言う名の戦場に・・・・います。


「ジークちゃん。ある物を兎に角、出してもらえる?」


「はい母さん。えーと、よいしょっと・・・・」


『ドカッ!!』


「・・・・また、一杯あるわね。どこからこんなに・・」


「まあ、こんなに沢山。ジーク君はどこからコレを」


「魔法兵が取って来た物だよアイーシャさん・・・・これなんか、夏に取って来た果物だし」


「それって大丈夫なの?」


「そうですねシエナ義姉様。お腹痛くなったりし無い?」


「大丈夫なんじゃ無い? たまに、食べてたけどお腹痛くなっ事なんて無かったし」


「「そう・・」」


 心配そうに、山盛りになった食材を見つめる母さんとアイーシャさん。大丈夫だよ・・・・多分。


「傷んだ様子は無いから大丈夫よシエナさん」


「お義母様。そうだと良いのですが・・・・ そう言えば、何でジークちゃんはお酒を持ってたのかしら?」


 思い出した母さんが、ニコリと笑い。ジロリとこちらを見つめる。・・・・いい訳をせねば! 俺は悪い事などしで無いもん!


「元々はお酒じゃ無かったんだよ?」


「ん? どう言う事?」


「元々は、ただの木の実だったんだけど・・・・仕舞わずにいたら・・・・お酒になってた」


「そんな事って、あるのかしら?」


「嘘は言って無いよ!」


「ジークちゃん、お酒になったのは何の木の実?」


 おばあちゃんに、何か心当たりがあったのか。もしかしてという顔で聞いてきた。


「このくらいの赤い・・・・あっ、これこれ! この木の実!」


 山盛りの食材の中から、その木の実を取って見せる。


「お義母様、この木の実って・・」


「えー、シエナさん。トポロの実ね。・・・・ジークちゃんコレ、何処で取ったの?」


「んー、何処だろ? クリメラの森で取って来たけど・・・・はっきりとは分からないよ」


「そう・・・・」


「おばあちゃん。この木の実って、何か問題があるの? まさか毒とか!」


「問題は無いわ、毒も無いわよ。トポロの実は、高級なお酒を作る為に用いる木の実なの。とても美味しいし、何よりお酒にしやすいのよ。置いておけば、勝手にお酒になるくらい」


「へぇー、そうなんだ」


「はっ! ジークちゃん! お酒はどうしたの!」


「うん? 爺ちゃんや父さん、叔父さんに渡し・・「マズイ、マズイわシエナさん!」


「えぇ、お義母様! アイーシャさん行きますよ!」


「はい! シエナ義姉様!」


 母さんとアイーシャさんは、調理場から飛び出して行った。この後の展開が読めてしまう。・・・・・南無。


「大丈夫かな。美味しい美味しいって、言って飲んでたから・・。もう無くなってたりして・・」


「そうなって無いと良いですけど・・」


 おばあちゃんと調理場で心配していると、母さん達が戻って来た。お酒の入った樽を持って・・・・。


「「お義母様・・・・」」


「どうでした。まさか!」


「「はい、小樽一つ空に・・・・」」


「はあーー、後で叱っておくわ。こっぴどくね!」


「「はい・・・・お願いします」」


 爺ちゃん、父さん、叔父さん・・・・南無。小樽一つ・・・・足りるかな。まだ、あるけどねお酒。言った方がいいかな?


「あのね、他にもお酒あるんだけど・・・・」


「「「えっ、あるの!!」」」


「うん・・・・はい、コレで全部」


 お酒の入った小樽、六樽を取り出して床に置いた。


「ジークちゃん! コレどうしたの? 全部トポロのお酒?」


「うんうん。違う実から出来たお酒。トポロの実の近くに置いてた実、全部お酒になっちゃって・・・・」


「ジークちゃん! 良くやりました! トポロのお酒は贈り物として珍重されるから、取っておきましょう! けど、問題は他のお酒の味ね」


「えぇ、お義母様。飲んでみますか?」


「アイーシャさん。さすがにそれは・・・・」


「味は保証するよ?」


「「「?!」」」


 俺の言葉に、三人が硬直する。


「ジークちゃん? 何で味を知ってるの? まさか!」


「僕は飲んで無いからね母さん。鍛治屋のドワーフさんにあげたんだ。凄く美味しいって言ってたよ」


「あぁ、そう言う事ね。ビックリしたわ」


「でも、ドワーフが認めるとなると・・・・」


「えぇ! アイーシャさん。味は大丈夫そうね。準備を急ぎましょう!」


「「「「「はい!!」」」」」


 調理場は一致団結して、料理にとりかかった。


 さて、邪魔にならない様に、部屋に行こうっと! ん?

何だこの貝?


 調理場を出ようとした時。ザルに入った真っ黒な貝があった。


「ねえ、これ何の貝?」


 近くに居た、メイドに聞いた。


「はい、コレはヤミ貝です」


「ヤミ貝? ・・・・美味しいの?」


「はい、とても美味しいですよ」


「中身ってどうなってんの?」


「そうですね・・・・では、一つ開けみましょうか?」


 そう言うと、貝を一つ手に取り、何やら専用の器具らしき物で、貝の殻をこじ開けた。


「どうぞ、こんな感じです」


 貝の中身は、ムール貝に似ていた。食べれそうではあるな・・・・ん? あれ? コレって・・・・もしかして、真珠層? 


 貝の殻の内側には、真珠の様な光沢があった。


「ねえ、もしかてこの貝。真珠が取れたりしない?」


「そうですねぇ・・偶に取れる事はありますが・・とても小さいので、売り物にもなりませんね」


「そう・・・・」


 なーんだ。真珠はそんなに取れないのか。うん? いや待てよ。俺は、貝を手取り。貝の殻の内側にある、真珠層を触ってみる。すると・・・・あっ、これ! 錬金で作れそう!


 これは、思いもし無い所から、新たな生成項目が増えた。


 ふっふっふっふ。新たな金のなる木を手に入れたぜ。

 あっ! そうだ! 贈り物に真珠とか言いかも!


「ねえ、この貝の殻って取ってある?」


「・・・・はい、一応」


「一応?」


「普通は廃棄するのですが・・・・綺麗だったので、個人的に取って置いたと言いますか・・」


「それ頂戴!」


「は、はい。直ぐ持ってきます!」




「えーと、これで全部です。若様」


 籠一杯に入った貝殻を、メイドが抱えて持って来た。


「こんなに沢山・・・・あれ? ここに来てからこの貝が食卓に出た事無いよね?」


「ヤミ貝を取っていいのは、春から夏の手前までと決まっいるますから」


「そうなんだ。・・・・これ、お礼の気持ち」


 彼女の手に銀貨を三枚渡す。


「え、えぇ? こんな大金ダメですよ」


「いいのいいの。取っといて! そんじゃあねぇー!」


 俺は大量の貝殻を貰い、自身の部屋に走った。


 楽しくなって来たぁーー!!

 

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