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使者来訪に贈り物ともてなし


「何でみんなこっちを見るの?」


「「「「それは・・・・」」」」


 みんなが不気味に、ふふふと笑う。何?! ちょっと怖いよ! 何なのさ!


「あー、ジークスヴェルト。何かいい贈り物はないだろうか?」


「・・・・そんな事言われても・・そもそもそれ、六歳児に聞く事?」


「いや、まあ、そうなんだが・・・・ジークスヴェルトならな」


 何それ。俺ならって・・・・ここは普通に、お金とかでいいんじゃない?


「お祝い金でも贈れば?」


「その金がなぁ〜、無いんだ」


 いや、無いって・・。


「税収だって、それなりに上がったでしょう! そこから出せばいいじゃん!」


「あーそれがなぁ。新しい城に必要な物を、色々買ってしまったから・・・・無い」


「無いじゃないよ! 何やってんの!」


「ジークスヴェルトが城を建てたからだろうが。城はジークスヴェルトのおかげでタダだが。城の守りやあれこれで、お金がかかったんだぞ!」


「うっ」それを言われると・・・・ぬぬう! もう!


「とは言え兄さん。ジークに何をさせるんだ?」


「いや、別に何がさせようって訳では・・・・」


「ふむ・・・・ジークスヴェルトに剣を作ってもらって、それを贈り物にすると言うのは?」


「親父、贈り物に剣は無いだろう? うん? ジークスヴェルトに剣を作ってもらうっては、どう言う事だ?」


「ジークスヴェルトがわしらに剣を作ってくれての。ほれ、これじゃ」


 爺ちゃんは剣を、鞘からスッと抜き。父さんに見せた。


「これは・・・・ジークスヴェルト、これはどう言う事だ?」


「どうと言われても・・・・」


「剣を作れるなど聞いて無いぞ!」


「そりゃあー、言って無いもん」


「ジークスヴェルト!」


 父さんの大きな声に思わず、母さんの後ろに隠れてしまった。こ、怖い訳じゃないもん。ビックリしただけだもん!


「あなた・・・・剣の事はどうでもいいでしょう? それより」


「そうだぞベルハルト。それに、ジークスヴェルトは叱られような事などしていないだろ!」


「別に叱っている訳では・・・・何故、きちんと言わなかったのかと・・・・」


「みんな一度落ち着いて。お茶を飲みながら考えましょう?」


「そうですねお義母様」


「えぇ、そうしましょう」


「誰かお茶を用意して」


「畏まりました。奥様」



 取り敢えず、一時休憩となった。お茶をすすり、一旦心を落ち着かせる。


「それで、どうします?」


 まったりとした空気を変えたのは、叔父さんだった。


「そうだな・・・フラメールは政治的にも、戦略的にも、大事な相手だ。下手な物はやれん」


「お祝い金が、最も無難だな。だが・・・・」


「えぇ、クラメル クリメラ双方。今そんな余裕は・・」


「「「「「「チラリ」」」」」」


 みんなしてこっち見ないで! 怖いよ!


「どうしたものか・・・・」


「ジークに剣やら色々作ってもらって、贈り物にすると言うのが、一番実現可能かもれませんね」


「「「「「「チラリ」」」」」」


「・・・・ずずぅ・・ぷは。お茶がおいしい」


 みんなの視線を無視して、俺はお茶をすする。


「こら! ジークスヴェルト! 何とかしなさい!」


『ポカッ』「あ痛っ! 何すんだレミーシャ!」


「あんたがすっとボケてるからでしょ! 何とかしなさい!」


「ふふふっ。レミーシャったら」

「あらあら。レミーシャはいいお嫁さんになれるわね」


 何でそうなる? それに、いいお嫁さんになれる要素が、どこにあるの! 


「・・・・・・・・」


 レミーシャは、顔を赤くして黙り込む。


「何で黙る。・・・・んーもう! 用意すればいいんでしょ!」


「おっ、やる気になったか。それじゃあ頼んだぞ!」


「むーー」


「そう、むくれるなよジークスヴェルト。それで、何を贈り物にする?」


「うーーん。お祝い金は確定でしょ?」


「しかし、そんな余裕は無いぞジークスヴェルト」


「仕方がないから僕が出す。はいお金。ドサッ」


 俺は皮袋に入った金貨を机に置いた。


「「「「えっ?」」」」


 父さんと母さん以外は、いきなり出て来た金貨入りの皮袋に驚いた。


 金貨は魔法倉庫から取り出した。魔法倉庫と言っても、アイテムボックスの類いじゃない。俺には二つのチートがある。レギオンと創造錬金の二つ。二つに関係する物は、魔法倉庫に仕舞う事が出来る。錬金術で作った物や、レギオンの魔法兵が加工した木材や石材などだ。それだけではなく、魔法兵が一度触った物も、仕舞う事が出来る。武器など道具類も、そうして仕舞っている。しかし、どう言う原理なのか、まったく分からない。あくまで、仮名として魔法倉庫と呼んでいる。


「取り敢えず、金貨が入ってるから」


「「「「き、金貨!!」」」」


「済まんなジークスヴェルト。恩にきる」


「ありがとうジークちゃん」


 父さんは、金貨の入った袋を受け取った。


「いやいや。兄さん! 義姉さん! 何でジークスヴェルトがこんな大金持ってるんだ! それよりどこから出した!」


「「それに何でって・・・・ジークスヴェルトは「ジークちゃんは・・・・自分で稼いでるからとしか・・・・」」


「取り出したのは魔法兵と同じ場所から?」


「はぁーあ?」


「ジークスヴェルトよ。お主、お金持ちじゃの」

「ジークちゃん凄いわ! さすが、私の孫!」


「後は何がいいかな。父さん、何か案はないの?」


「うーん。作物とか?」


「うむ。作物はいいかもな」


「えっ、食べ物でいいの?」


「フラメール領は、山岳地帯で作物が育ちにくいからな。ジークスヴェルトのおかげで、うちの領は余裕があるし。作物でいいだろう」


「他には? それだけでいいの? 父さん」


「えっ、まだ何か必要か? お祝い金に食料でいいだろう」


「いや、兄さんもう少し何か・・・・」


「しかし、これ以上は・・・・」


「父さん、贈り物はいつ渡すの?」


「そうだな、使者が帰る時に渡すから、三日後といった所か」


「えっ、まだ帰ってないの?」


「ジークスヴェルト、使者をその日に帰すのは、無礼にあたる。数日もてなして帰ってもらうのが礼儀だぞ」


「へぇー」そうなんだ。知らなかった。


「ジークちゃん。礼儀のお勉強で習ったと思うのだけど? まさか、お城にかまけて勉強を疎かにしてる訳無いわよね?」


「うっ」母さんの背後から、ドス黒い気配が! くっ、どうする? に、逃げるか? いや、そもそも習ったかな? 習った覚えは・・・・ないよね?


「シエナ義姉様落ち着いて・・・・。今はそれより」


「えぇ、そうね。使者のおもてなしの事も考えないと・・・・」


「そちらは私達で何とかしましょう。シエナさん、アイーシャさん。手伝って頂戴」


「「はい」」


「お肉とかいる? 一杯あるよ 後、果物も」


「「「「「何であるんだ! あるの!」」」」」


「えっ、魔法兵に取ってもらったから・・・・要ら無い?」


「「「「「・・・・・・・・いる」」」」」


「うむ。兎に角今は、おもてなしに集中だな。リーファ! 料理の方は頼む。後は・・・・」


「酒だな親父。ダスティン、いい酒を出せ」


「いい酒と言われてもなぁ。そんな直ぐには・・はっ!」


「「「ジークスヴェルト!」」」


 えぇーーー、何で俺なの!


「六歳児にお酒を持ってるか期待する普通?」


「すまん。ついな」


「うむ。ジークスヴェルトならもってそうじゃから」


「ジークならと思ってな。さすがに子供に酒の有無を聞くのは・・・・」


「まあ、あるけど」


「「「あるんかい!!」」」


 三人ともやっぱり親子だね。息ぴったり。そして、俺の身が危険!


「ジークちゃん。どう言う事かしら?」


 うぅ、母さんの背後から、ゴゴゴと言う音が聞こえてきそうだ。


「あ、あの、たまたま持ってたというか・・・・」


「お酒を? たまたまぁ?」


「シエナ。怒るのは後にしろ。ジークスヴェルト、その酒はおいしいのか?」


「いやいや、六歳児だから飲める訳無いじゃん」


「それもそうか。取り敢えず出しなさい。味見をするから」


「はーい。よっこいせ。はいこれ」


「小樽、二つだけか?」


「うん。それだけ」


 俺が取り出した小樽は、両手で抱えられる大きさだ。容量は大体、八リットルくらいだ。


「ジークちゃん! 食材は調理場に出してくれる?」


「分かったー! 母さん!」


 

 ふう、何か忙しくなって来たぁ。兎に角、フラメールの使者をもてなさなくちゃ!


「この酒中々旨い!」


「うむ。甘すぎず酸っぱすぎない。旨い!」


「ジークめ、子供の癖にこんな旨い酒をどこで」


「おいおい、あまり飲むなよ!」


「兄さんこそ」


「ゴクゴク ぷはっーー! 旨い!」


「「親父! 父さん! 飲み過ぎだ!!」」



 三人共飲み過ぎだよ。それ一つしが無いんだからね!



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