匠の技
「どうかしたのか? 何やら楽しそうな声がしたが・・」
あぁ。つまり爺ちゃんもまぜろと。そう言う事ですね。
「今、オットーの折れた剣の修復をしてたんだ。それと、新しい剣を作ってあげた所で・「何じゃと!!」
どう言う事じゃ?! とオットーを睨む爺ちゃん。えっ?
どうかした?
「ジークスヴェルトのお手製の剣じゃと! どう言う事じゃオットー? 祖父であるわしではなく何故お主が! そもそも、ジークスヴェルトが作ったとはどう言うこじゃ!」
「い、いえ、そ、そのですね」
爺ちゃんに睨まれオットーは、蛇に睨まれた蛙の様に縮こまる。爺ちゃんに問い詰められる中、チラチラこちらを見てくる。ん? 助けてって? はいはい。
「爺ちゃん。オットーには、色々お世話になってるし。お礼も兼ねて作ったんだぁー。後、魔法で作ったんだよ」
「ふむ、そうか。しかし魔法で作るとは?」
うーん。口で説明するより「作るから見てて」
「うむ」
鉄のインゴットを、もう一度取り出してと。さて、さっきはステンレス鋼にしたけど・・・・今度別な物にしようっと。
うーんと、えーと・・・・よし! ダマスカス鋼にしよう! けど、うまくいくかな? 何度か試したけど、あまりうまくいかなかったんだよねぇー。
鉄に、後バナジウムを何%添加しよう? どのぐらい添加すべきかなのか、俺は知らない。・・・・えーい! 適当でいいや! そうだな五%! いや、八%くらいいれちゃえ!
鉄とバナジウムをねるねる! ねるねーる!
「おぉ! 金属がグニャグニャだ!」
炭素も添加した方がいいよね。一%くらいでいいかな。
ねるねーる。えーと、何度も折り返してと・・・・爺ちゃんがいつも使ってる剣は、ロングソードだから長物にしよう。
「おぉーー!! 剣の形になっていく!!」
「はい完成と! こんな感じで作るんだけど・・・・どうだった?」
「凄い! 凄いぞジークスヴェルト! さすがわしの孫!
所で・・・・チラチラ」
「・・・・ん? あぁー、欲しいならあげる」
「良いのか? ジークスヴェルトはいい子だ! がっはっはっはっ! ん? ジークスヴェルトよ」
「ん? どうかした爺ちゃん?」
「剣に妙な模様が出とるのだが?」
「模様? あぁ、それはそう言う物なの。ダマスカス鋼って言うんだそれ」
完璧とは言いがたいが、ダマスカス鋼の特徴である木目模様が、剣には薄っすらと出ていた。
「うむぅー、見事な剣だ。ん、ジークスヴェルト?」
「ん? おかしいとこがあったの?」
「いや、この白い紋様は? 時たま出ている剣はあるが、こんなにハッキリと、しかもこんなに大きくは出ていないからのぉ」
「白い紋様は波紋って言うんだ! 格好いいでしょ!」
「うむ、格好いいのぉー! ありがとう! ジークスヴェルト」
「うん」
波紋は、熱によって金属に変化が起きる事で生じる現象だ。つまり、錬金魔法で刃の部分にそれを生じさせ、変化させたと言う事。・・・・説明これであってるかな?
「あの、若様。私のには、無いのですが?」
「うん。そりゃあ・・オットーと爺ちゃんに同じ物、とはいかないじゃん」
「そうですが・・・」
「いずれ作ってあげるよ。手柄でも立てたら」
「・・・・頑張ります! そして、その時はお願いします」
「うん」
「何だ騒がしい。ん? ジークに父さん・・それにオットー。
どうした? 三人で・・」
叔父さんが現れた。
「おや? ダスティン様どうかされましたか?」
ジィまで現れた。
・・・・・・・・。
「「その剣は一体?!」」
「あーうん・・・・」
その後、二人の剣まで作る羽目に・・。錬金魔法は凄く疲れるんだぞ! もう! ぷんぷん!




