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ルシフェルの嫉妬
ヨルミエルへの神の絶対の信頼は、彼が神の娘、クリスティナ内親王を妻として与えられたことからも判る。
クリスティナとヨルミエルの仲は天国の誰であろうともうらやむ事だった。
どこから彼が来たのかは全てを知るものルシフェルですら知らぬ。
彼が神の言葉を聴いて生まれたときには、ミカエル、ベリアル、ガブリエル、サトリエル、ヨルミエルの五人は既に居たのだ。
神は天地創造を成すためにまず「ひかりあれ」と言われた。
その時生まれたのがルシフェルなのだ。
名前の意味は神の光。
ヨルミエルの名の意味は神の闇だ。
光と影。正反対の意見を持つヨルミエルとルシフェルは、良く些細なことで口論になったし、麗しき内親王がヨルミエルを夫として選んだ事も不快だった。
ヨルミエルはルシフェルのちょうど半分の6枚の翼を持つ。
天使序列において最高位の天使は十二枚の翼を持つルシフェルなのだ。
セラフィムより下位であるサトリエルとヨルミエルを神は明白にひいきしている。
そう、ルシフェルは神ではなくヨルミエル兄弟に嫉妬していた。
お世辞にも美男子とは言えない醜男のヨルミエルをなぜクリスティナが夫に選んだのか?
最高位かつ超絶なる美形である自分を差し置いて。
そうルシフェルは嫉妬していた。




