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クッキードッグスター

作者: さのまる よかみち

「クッキー・ドックスター」


作:さのまる よかみち


僕はクッキー、柴犬系の雑種。人間の女の子が大好きでいつも友達になりたいと思ってる。


今日もご主人様と散歩。散歩はいつも楽しい。町中の女の子ウォッチングを楽しめるからだ。今日もいい娘を見つけた。ショートボブで、パステルグリーンのワンピースを着た女の子だ。こんな時ご主人様の引っ張ってる縄はじゃまだ。あっ女の子が行ってしまう。一世一代の大ピンチだ。まだ、女の子と友達になれていない。こんな時はご主人様の腕を噛みついちゃえ!


がぶっ


「ギャーーーーーーッッッ」


よし、ご主人様は手を離したぞ!女の子と友達になるため、彼女に突進だーーーー。

すると女の子はこっちを向いて言った。


「きゃーーーー犬が襲ってくるーーー」


バキッ!!


女の子の隣にいた男の子が、棒っきれで僕を殴った。いたい。


キャイイイーーーーン


情けない犬の鳴き声があたりに響き渡った。


「やだーーー。犬やだーーー。うわーーーーん」


女の子は泣きだした。僕はただ女の子と友達になりたかっただけなのに。

男の子が言った。


「麻紀ちゃんは俺の恋人なんだ。お前みたいな雑種犬が近寄れる身分じゃないんだ」


僕はまだ棒っきれで叩かれた打ち身が痛くてうずくまっている。

僕みたいなジェントルドックはこんな野蛮な事には慣れていないのだ。

ご主人様がやってきて平あやまりしている。


なんて情けない主人だ。


「クッキー。今日の夕飯はなしだ。」


家に帰った。僕のお腹の音がする。


キュルキュルルル、キュルキュルルル


全てがどっか遠い所に行ってしまうような気がする。そして僕は腹の音の慰めの音楽を聞く...


キュルキュルルル、キュルキュルルル


僕が人間だったら偉大な作曲家になっていただろう。僕は腹の音を口に出してみた。


「わおーーーんおんおん」


近所のおばさん達が怪訝な顔で僕を見る。こんな美声をあげてるのに。


「あの犬ちょっと静かになんないのかしら?朝晩吠えて迷惑よねーーー」


僕は近所のおばさんに喜んでもらおうと思って歌っているのに...やはり一人で歌うには無理があった。10人ぐらいのコーラスをしなければ、腹の音は再現できない。それくらい腹の音は芸術的なのだ。


キュルキュルルル、キュルキュルルルル


腹の音がまたいっそうひどくなったので、眠ることにした。


明日は可愛い女の子に会えるだろうか?

かなり昔、「りぼん」別冊辺りで読んだ、犬を主人公にしたお話しを書いた作品がありました。


なかなか着想が面白く自分でも作れたら面白いと思い書きました。


オチが弱いのが心残りですが、少しでもクスっと笑えたら本望です。

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