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反撃の狼煙

 業魔が地を蹴った。


 巨体が弾きだされ、リノアに向けて正面へ疾駆する。

 全ての景色を置き去りに。

 まさに世界の中で業魔だけが先を行くように。

 尋常ならざる光線のような加速。


 瞬間、リノアも動いていた。

 なぜ動けたのかは分からない。身体の芯が死を感じ、言う通りに動けとリノアへ叫ぶ。

 見えよう筈もない業魔の姿を感じ、数ミリ違えば死を意味する鉄剣の軌道を瞬時に頭へ理解させる。


 だが、か細い唯一の生の活路を見出すにはあまりに時が少ない。


 それでも業魔とリノアの初動に、ほぼ時間差は無い。


 影すら置き去りにした業魔の巨躯が、二対の鉤爪をリノアへ振りかぶる。

 その白刃に光が反射し、数瞬腹を見せる。

 業魔の本体は捉えられないがそれで十分。


 首への横薙ぎ、胴への袈裟懸け。


 それが今自分に襲いかかろうとしている攻撃の正体だと分かる。

 リノアは自分で驚きながらも業魔の攻撃を看破していた。


 左の鉤爪が横から光り、リノアは瞬時に身を屈め、同時に鉄剣を右上に振り上げる。横薙ぎの初撃は大振り。躱すのは容易い。


 だが業魔は甘く無い。すかさず眼下から灰色の打撃が迫り、蹴りが来ると理解したリノアは身体の限界を駆使して身を捩り上げる。通常絶対にすることのない無理に無理を重ねた体勢。当然返って来るのは身体からの悲鳴。


 刹那、ほぼ同時に横薙ぎと蹴りが数ミリの距離を掠め、去る。


 計算を誤ったか。頬を蹴りが掠り、縦に赤い線が刻まれた。

 無論、そんな些事を気にする余裕など無い。

 思考は既に次の段階へ移行している。


 さて、本命は――


 不意撃ちを含め2撃を交わした後の不安定な体勢のリノア。そこへ業魔右腕の鉤爪の光り。不可視の袈裟懸けがリノアの胴を狙い、絶妙なタイミングで唸りを上げる。


 鉄剣は未だにリノアの右上。これは本命の袈裟懸けに対し温存したリノアの生命線。鉤爪を躱す術は既に無く、鉄剣で受ける以外の選択肢は最初からない。


 ――さらば矮小なる者よ。


 必殺の鉤爪がリノアへ到達する数瞬、垣間見た業魔の瞳が別れを告げたように思えた。


 銀閃が唸りを上げてぶつかった。


 鉤爪と鉄剣。2つの閃と閃が一分の狂いもなくその殺意をぶつけ合う。


 巨大な鉤爪はリノアの体躯を凌駕し、刀身は伝説の剣をも思わせる斬れ味。対する鉄剣はあまりにも場違いに貧弱。その激突の行く末は一つしかない。誰もがそう思うであろう。


 死の淵は眼前。だがこれを止めねば先はない。


 火花が散り、互いが乗せた力が決闘の狼煙をあげる。

 芯と芯で捉えあった2つは純粋な腕力を押し付け合い、衝撃を生み、そして弾いた。


 ――そしてなんと、その勝負を制したのはリノアであった。


 業魔必殺の一撃であった筈の鉤爪は既にはるか頭上。リノアの牙である鉄剣の銀閃が、業魔の攻撃を噛み砕き、反撃の狼煙を上げる。


 決裂した大と小の交錯。リノアの鉄剣の勢いは死んでいない。更に力を込め、業魔のガラ空きの胴へ横薙ぎを叩き込む。


 業魔は何が起きているのか分からぬと言ったようにそれを見ていることしかできない。

 自身の右腕――必殺の一撃は既に弾かれている。

 左腕は横薙ぎを終え振り抜いた後の余韻の中、戻す事は不可能。

 そして皮肉な事に、脚で不意打を放った直後でバランスも最悪。

 鉄剣の前に躍り出る形となった業魔。避ける時は既にない。


 ギィィン!


 鉄剣を振り切って業魔の背後に着地したリノアが聞いたのは、鉄の上を鉄でなぞるような、金属同士の摩擦音。

 予想していた肉を断つ感覚は右腕に無く、音を肯定するように金属を撫でた感覚が残るのみ。


 ――体毛に弾かれた。


 リノアは遅れて理解する。


 体勢を立て直し業魔へ振り向き、鉄剣と身体の位置を入れ替える。


 リノアを追って砂塵が舞い、視界の下部を覆う。


 目を凝らし、巨躯の影を探す。しかし業魔はいない。


「――!?」


 刹那、左から強烈な殺意が姿を現わす。

 ふた振りの鉤爪が影を置き去りにリノアへ迫り、業魔による強烈な撃滅の意思を感じる。


 考えるより先に右腕が鉄剣を影へと繰り出し、防ごうと身体を右へ引き、業魔の鉤爪を待つ。


 単純計算で先程の袈裟懸けの2倍の威力。


 鉤爪を弾かれた直後に業魔はこの攻撃を決めていたのだろう。1つでダメならば2つで、というように。


 綺麗に揃えられた鉤爪が砂塵を斬り裂き、リノアの鉄剣に食い込む。


「……ぐッ!」


 重い。ただただ重い。


 その一撃に小手先の駆け引きは一切ない。

 ほれ、さっきの2倍だ、また弾けるものなら弾いてみろ、と。

 そう言わんばかりに業魔は力任せに鉤爪を叩き込んだ。


 リノアは先程の反撃で鉄剣が体毛に弾かれた事に動揺していた。

 あれが通らないのであれば自分の鉄剣は永遠に業魔を傷1つつける事はできないのではないか?

 息継ぎすら許さぬ業魔の死の攻撃の中、そんな暇は無いと分かりつつもその事実が頭から離れない。


 業魔はそんなリノアの動揺を見透かしたかのように、隙を掴くとばかりにすぐ2回目の奇襲を仕掛けてきたのだ。


 鉤爪を受けたリノアの鉄剣に剣速は乗っていない。弾こうにも力を込めることを時が許さない。


 リノアは鉤爪に身体もろとも吹き飛ばされた。


 だが目端に追撃の体勢に入る業魔を捉え、鉄剣を地面に突き刺し、右脚をグルリと下へと捻る。

 鉄剣を地面から引き抜き、強引な方向転換と着地を決める。だが――


 ――左脚が遅れている。


 業魔の影が眼前に現れた。


 瞬きさえ許さぬ短すぎる時の中。いつ振りかぶったのかも分からぬ鉤爪が遅れてリノアのスレスレを掠める。


 ダメだ、間に合わない。


 業魔の鉤爪の先端が線となり、リノアの左脚の肉を削ぎ、散らす。


 方向転換していなければマトモに食らっていたであろう。既に満身創痍のリノアにはあまりに大きな傷。だが、それがリノアの思考を死の決闘へ引き戻すキッカケになる。


(どうしようもない事を考えるな! 眼前の敵を見ろ! お前にそんな余裕はないだろうが!)


 リノアは自分へそう言い聞かせる。


 一瞬の判断が命取りになりかねない。余計なことを考えるのもここまでだ。


 業魔を追う。踏みしだいた左脚から血が飛び、叫ぶような鮮血が被害を訴えてくる。

 しかし脳に痛みを感じる余地は無い。


 全身全霊の加速で業魔の影へ迫り、鉄剣を左脇腹へ大きく振りかぶる。

 今度こそと言わんばかりに。

 強烈な一撃を業魔へ放つために。


 業魔はその一撃を予想できていない。直撃では無いにせよ、鉤爪でリノアの脚に小さく無い傷を負わせたのだから。最速に迫る今の自分に追いすがるなど可能性として考えてすらいない。だが――


 業魔が目端にリノアを見た。

 さすがは悪魔と揶揄される殺戮の化身。

 獲物を殺す冷徹な判断と対応力は、右に並ぶ者はいない。


 転回し更に攻撃を加えようと振り上げていた鉤爪。

 業魔はそれを一瞬でリノアへ突き込むと、迎撃へ移行していく。


 リノアは鉤爪を目掛け、鉄剣を最後まで振り抜いた。


 業魔の鉤爪は再び弾かれていた。しかし付け焼き刃の迎撃ではそうなる事を業魔は予想している。

 だが分かっていても業魔に次の攻撃を防ぐ手立ては無い。

 リノアの鉄剣の剣速が業魔の予想をはるかに上回っている。


 続け様にリノアの鉄剣の切り返しが業魔の胸部を襲う。

 眩い火花を散らす苛烈な一撃。


 しかしやはりリノアの手元に返ってくるのは硬いものを弾いただけの手応え。

 反響する鉄剣を更に強く握り直し、不退転の決意を刀身に込める。



 だったら更に斬り込むまで――



 鉄剣を手の平で滑らせ、更に加速を添えた斜め左下からの切り返し。

 業魔の鉤爪は弾かれた衝撃で未だに頭上で遊んでおり、鉄剣を防ぐには至らない。


 そして返ってくる硬い手応え。


(くそ! まだ通らないのかよ!)


 リノアは心の中でそう呟き、更に鉄剣へ力を込める。



 まだだ。これじゃまだ全然足りて無い――



 リノアは右腕の筋がはち切れていくのを感じながらも、そんな事お構い無しに容赦なく剣撃を放っていく。


 一閃、二閃と剣の残滓が重ねられていき、それらを塗り潰してはまた新たな斬撃を形成していく。

 だが相も変わらず手応えは無い。飽きを覚えた硬い感触が右手に纏わり付いては消え、また返ってくる。


 ギギギギ!


 業魔が声帯を震わせ、自分の繰り出すほぼ全ての防御が後手に回っている事に驚愕の表情を見せる。

 闘えば闘うほどに豹変する目の前の矮小な存在を測りかねている。


 繰り出した鉤爪は何度も視界の外へ弾かれ、その間を狙い猛烈な連撃が自分の全身を斬り刻んでいく。

 蹴撃は連撃に触れただけで闘いの外へ置き去りにされ、ほとんど意味を成していない。


 決して刃は自分を傷つけるには至っていない。

 しかし確実に連撃は速く、鋭く、そして重くなっていく。


 叩き潰す筈であった存在に手も足も出せずに翻弄されていく初めての感覚。

 恐怖や絶望を感じない業魔は、そんな新鮮な感覚を楽しんですらいた。


 濁った黒い瞳の奥で柄にもなく業魔はせせら嗤う。

 そして何かが燃えあがる。


 業魔はその時、目の前の矮小の存在の価値を改め、自身が全力で相手するに足る存在――"敵"であると初めて認識する。


 それは数千年生きてきた業魔にとってあまりにも久方ぶりの感覚。

 業魔はこの"敵"という概念を求めて長きに渡って牙を研いでいたのだ。


 その邂逅が今、訪れた。


 業魔は歓喜に震えると共に、眼前の"敵"へ賞賛と感謝を込めた本気の一撃を放つと決めた。



 リノアは背筋にゾクリとするものを覚え、連撃を放ちながらも警戒を強めていく。


(――なんだこれは!?) 


 思わず叫びそうになり口をつぐむ。


 ――今まで感じた事のないとんでもない圧力を感じる。


 業魔から流れ出る死と破壊を体現したかのような圧倒的な力の奔流。



 ギィィン!


 何度目かといった弾かれた鉤爪。

 業魔はその瞬間を皮切りに鉤爪を天へと掲げ、数瞬動きを止める。


 鉤爪が光を反射し、その禍々しさを世界に宣告する。


 堂々とした出で立ちと構え。

 それは悪魔なりの撃滅の意思表示か。


 そしてすぐにその答えが中空へ現れた。



 ――【魔技:破滅の雷槍 超級+】



 業魔渾身の反撃は、高圧の雷撃を携えた破壊の長槍であった。

 それはバチバチと音を立てて業魔の直上に現れ、眼前のリノアへ矛先を固定する。


「……は?」


 リノアは連撃を止め、呆然とした表情で槍を見た。


 リノアは日常的にジェードから魔法の試し撃ちと称して色々な魔技を撃ち込まれている。

 それらはどれも強烈なモノで、何度も大怪我をしてはアリスに治療してもらったものだ。


 だがそんなモノは業魔の魔技にしてみれば土俵に入る資格すらない。

 目の前の眩い光を内包した雷槍は、それら全てを合わせても児戯に等しいとすら思わせる。


 正に神話の中に出てくる神々の一槍を体現した破滅の神矛。


 そこでリノアは気づいた。

 業魔にとって肉弾戦などただの前哨戦でしか無かったのだと。


 いくら身体を鍛え上げ、技を磨き、剣刃を磨き上げようと、こんな圧倒的なモノを見せ付けられては全てが無駄のようにすら思える。


 これが業魔。

 これこそが業を喰らう悪魔の真の一撃――。


 ――だが、リノアは業魔の本気の反撃はこんなものではないと直ぐに思い知る。



 ――【魔技:破滅の雷槍 超級+】

 ――【魔技:破滅の雷槍 超級+】

 ――【魔技:破滅の雷槍 超級+】

 ――【魔技:破滅の雷槍 超級+】

 ――【魔技:破滅の雷槍 超級+】

 ――【魔技:破滅の雷槍 超級+】

 ――……



「おい……いい加減にしろよ」


 次々と業魔の背後頭上左右いたるところに神の雷槍が展開されていく。

 それらは意思を持つかのように矛先をリノアへ向け、ジッと号令を待ち空中で静止している。


 何十――、いや何百といった無数の雷槍が瞬く間に業魔の背後を覆い尽くしていく。


 そして最後にひとつ、それらの雷槍の中でも一際存在感を発する紫電を纏った三叉の槍が現れる。



 ――《昇華魔技承認》――



 ――【昇華魔技:神威の雷槍 】――



 それはあらゆる森羅万象をこの世から消失させる無比の槍。

 天地開闢以来並ぶモノ無しとされた神の意志。

 またの名を神々が地上を作り直す為に歪に組み上げたとされる、終末の絶槍。


 そんなあらゆる無茶苦茶な言い伝えを詰め込んだ、まさに正真正銘世界最強の槍であろう。


 それが落ちた後には何も残らない。

 槍撃の余波を受けただけで存在そのものが世から消え去るのだ。



 リノアはただ立ち尽くし、鉄剣を構えすらせずにそれを見ている。

 そして自分でも気付かぬうちに小さく言葉を漏らしていた。


「綺麗だ……。アリスにも見せてやりたいな」



 だが途端に正気に戻り、今度こそ終わりだという事実が身体に浸透していく。


 剣技などもはや意味をなさない。

 避ける事も出来ない上、防ぐ事もできない。


 だがそんな時であってもリノアは笑っていた。


 死の淵は既にリノアを引きずり込む寸前である。


 何度も生き残る道を頭で模索する。

 しかしどれだけ頭を捻ろうと返ってくるのは"死"という結果のみ。


 この瞬間まで幾度と無く予感してきた"死"の結末の全てを遥かに凌駕している。

 それほどまでに絶対的な"死"。

 それがリノアの目の前に立ち塞がっているモノだ。


 心のどこかで勝てると思っていた。

 死の淵を感じ、目を覚ました身体と剣の冴え。

 それがあまりにも強力だっから。

 殺すことはできないにせよ、このまま行けば追い払うくらいはできるのではないかと、本気で考えていた。


 そのしっぺ返しがこれだ。

 上げて落とすとはよく言ったものだが、これはあんまりではなかろうか。


 しかしここまでの究極的な絶望の渦中においても、業魔は彼の闘志と執念をへし折る事は出来なかった。


 寧ろ逆に、リノアの中で確かな思いが芽生える。


 自分ができることはひとつ。

 アリスを守ると決意したあの日から何も変わっていない。

 挫けそうな心を搔きむしりながら、剣でのし上がることだけを考えてきた。

 このボロボロの鉄剣(あいぼう)で、ただ敵を断ち、穿つ事のみを考えてきた。

 それはアリスと自分の未来のために。

 支えてくれた彼女のために。

 絶対に諦めなかった彼女に準ずる様に。

 こんな絶望如きに屈して退場してはならない。

 最後まで醜く足掻いてあの悪魔に食らいつく。

 あのふざけた槍を叩き落としてでも業魔を斬り殺す。


 リノアはそう心へ誓いを刻み込む。



 続けてリノアは業魔をこれまでで最も強い眼光で睨みつけた。


 けして折れてやらぬと言った意思を叩きつけるように。

 はち切れんばかりの激情の矛先を構える。


 そして叫ぶ。




「堕ちるのはお前だ! 業を喰らう悪魔よ!」




 それを見た業魔の黒い目が嗤い声を上げた。



 刹那、業魔の背後で閃光が炸裂した。


 業魔が雷槍に突撃号令を下したのだ。


 耳をつんざく様な雷鳴が地上を震撼し、全てを置き去りに加速する神の槍【破滅の雷槍】がリノアへ迫る。


 鉄剣を構え、リノアは吠えながら槍に突っ込んだ。


「――!?」


 その時、リノアの目端に今まで見たことのない文字が浮かび上がる。

 魔技の使えないリノアはそれを生まれて初めて見た。




 ――《強制承認》――




 ――【絶技:絶剣】――




 鉄剣が姿を消す。

 だが次の瞬間、1番最初にリノアへ到達した【破滅の雷槍】が霧散していた。

 リノアの鉄剣の剣刃はすでに世界が認識できる範疇を超えており、そこには【破滅の雷槍】が霧散したという結果だけが残っていた。


 そこへすかさず雨の様な【破滅の雷槍】がリノアを襲う。


 姿に遅れて轟音を響かせる【破滅の雷槍】。

 だがその矛先はリノアを捉えることはできない。


 リノアの司る鉄剣による不可視の斬撃が狂うことなく確実に槍を霧散させていく。


 それは正に世界最強と謳われた"剣神"の姿を思わせる、絶剣の剣舞。


 リノアは業魔へと確実に距離を縮めつつ、【破滅の雷槍】の暴威を霧散させていく。


 そして最後の【破滅の雷槍】を斬り潰し、リノアは業魔へ最後の突撃を敢行する。


 業魔がこれ以上ない程に歓喜の様相を呈していた。

 かつてない程に身は震え、眼前に迫りつつある確かな"敵"の姿に瞳の奥が煌々と燃え上がる。


 業魔の背後に控える槍は残り一つ――。


 正真正銘、業魔最強の一撃。


 絶頂を感じる業魔は鉤爪を振りかざし、紫電の槍【神威の雷槍】をリノアへと疾駆させた。


 対するリノアに進路変更の意図はない。


 ただ愚直に正面から斬り伏せるのみ。


 リノアと業魔。

 あまりに隔絶した二対の存在。


 勝つのは狂気か。それとも意地か。


 終末の絶槍、【神威の雷槍】がリノアへ襲いかかった。

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