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79.0話 幼児と交流

 


 ―――6月27日(火)



 憂が朝からブルーです。私との通学中も下を向いて歩いてました。電柱にぶつかりそうになるほどです。


「千穂。何ぼんやりしてんの?」

「私より憂だよ?」

「………………」


 千晶、不満そう……。

 なに? なにか悪い事言ったかな? 私もたしかに考え事してたけどね。


「千晶はね。『憂ちゃんみたい』って、後ろに付けようとしてんだよ?」


 ……そうなんだ。


「なんか……ごめん?」


「相変わらず空気読めない子ね!」


 ……怒られても困る。


「それより憂ちゃん、どしたー?」


 憂の憂うつな理由は単純なんだけどね。


「わかんない?」


「あ。ちょっとむかつく」


「わかる。むかつくのが」


 なんで怒るの? 怒られても困るって。


「今日の体育……」


「……あー」


「……うん。納得。さすがに抵抗あるよね……。可哀想」


 憂はずっとマイナス思考な顔してる。今日は3,4時間目が水泳だから……。

 恥ずかしがりだから……。いつまで経っても慣れないから……。


 ……開き直っちゃえば楽なのにね。


「今日って、大学行かなきゃなんだよね……。めんどくさ……」


「そうなんだよねー。3時間目はお守りだし」


 私立蓼園学園(ウチ)って、生徒数の割にプールが少ないんだよね。初等部中等部高等部、それぞれ1つだけ。前に中庭潰して各棟に……って話が出たみたいなんだけど、当時の女子の猛反発で立ち消え。当たり前だよね。そんな目立つ場所、私も嫌だよ。絶対、見られるから。これは歴代の先輩たちに感謝かな?


 だから、授業ではプールを使わない大学から借りて授業。あっちは屋内プール。移動の手間があるから2時間連結じゃないと借りられない。だから水泳はたまに出来る程度。私はそんなに好きじゃないからいいんだけどね。

 お守りって佳穂が言ったのは、年に1度だけ幼稚舎の子とプールで遊んであげるって言う……行事……? ……みたいなの。


「憂ちゃん、そんなに嫌ならあの日とか言って逃げちゃえばいいのにね」


「それ……通学中に話したら、絶対に嫌だって」


「……そうなんだ」


 サボれない困った性格してるんだよね。






「ほな、行きましょうかぁ……」


「行こ行こー!」


「佳穂は元気だね」


「あたしは泳ぐの好きだからねー!」


「早く行かないと遅刻するよ?」


 ……それでなくても憂が遅いから。



 西門を出た頃には、大勢の6組さんと合流。


 憂は複雑な顔で6組女子に手を引かれちゃってます。


「うぅ――」


 ちっさい声。ついにこの時がー! ……って感じなのかな? 水着。恥ずかしいよね。優だし。女子がメンズの服着るより、よっぽど難易度高いよね? ……たぶんだけど。


 水着も自由だって聞いてるけど、何故かみんな紺系のよくある学校指定の形の水着なんだって。伝統……みたいなもの? そこは、はみ出したくないよね。私もそうしたし。セパレートのスパッツタイプにしたけど……。

 憂は昔ながらのワンピースのタイプ。愛さんがチャットで教えてくれた。『パンダ焼けはあり得ない!』って。愛さんもそうしてたみたい。今日は屋内だけど、高等部のプールは屋外だから。

 ……お姉さんの頃って、セパレートあったのかな? 聞いたら怒られそうだから聞けなかったんだよね。


「憂!!」


 …………?

 大学の門をくぐった辺りで男の人に声を掛けられた。結構なイケメンさん。

 憂は立ち止まって、その人を見て笑顔。


 ……誰?


「え!? あの子!? あのちっちゃい子!? マジで可愛いじゃんか!!」

「マジで噂通り!! すっげぇ……。羨ましいな。お前」

「写メ禁止だ! お前ら2人だけだぞ。お前らがバスケコート見付けてくれたからだ。特別なんだぞ!」

「分かってるって!」

「お兄ちゃん――」


 え? お兄ちゃん?


「え? 憂ちゃんのお兄さん!?」

「カッコいいね!」

「憂ちゃん、羨ましい!!」


 わいわいがやがや。あっちもこっちも羨ましがってます。たしかにカッコいいお兄さんと可愛い妹だよね。並んで歩いたら絵になりそう。


「憂の兄さん、一昨日ぶり……」

「おぉ……拓真。いつもサンキュな。お! 勇太も!」

「ちゃっす!」


 お兄さんはキョロキョロ。

 あ。目が合った。


「千穂ちゃんは……あの子……?」

「あぁ……そうです」

「あ! はじめまして! こんにちは!」


 とっさに挨拶。可笑しくなかったかな?

 あ……。お兄さん、こっち来た。ちょっと緊張……。


「千穂ちゃん?」


「はい……」


 あ。優しそうな笑顔。


「いつもありがとね。よく姉と妹から聞いてるよ」


「あ……いえ。私の方こそ、お姉さんに良くして頂いて……」


「千穂ぉー! ずるい! あたしも紹介ー!」

「こら! 佳穂!」


「君たちが佳穂ちゃんに千晶ちゃん?」


「はい!」

「そうです!」


「2人の名前もよく聞いてる。後は……康平くんに梢枝ちゃん」


「あ。はじめまして」

「お初にお目にかかります……」


「あ。康平くん……? 時々、見かけるな……」


「あ。バレてました?」


「聞いてるよ。色々と……」


「あははは! いや、色々とすいまへん!」


「俺は? 健太くんの名前、聞いてませんか!?」


「えっと……時々……」


「よっしゃ! 嬉しいぃぃ! よろしくお願いします!」


 うーん。有希ちゃんからツッコミ入らない。最近……って言うか、具体的に言うと、健太くんが憂から巾着袋をプレゼントされてから……かな?

 あのプレゼント……。人間関係に影響を及ぼしちゃったみたいだよ。渡した本人は気付いてるのか判らないけど……。


 ……なんか梢枝さんから裏話? ……みたいなのも聞かされた。なんでも健太くんに嫉妬した男子たちが、あの日の放課後、部活前に絡んだみたい。はっきり言うと喧嘩売ってきたんだって。その時は別の部の人に救い出されたって……。そこはよく分かんない。例の部活の人たちって推測してます。今はもうだいじょうぶだって言ってた。憂の身辺警護2人も動いたのかな? 詳しい事は教えてくれなかったから。康平くんが殴り飛ばしたりしてない事を願ってます。


「いこ――おくれる――よ?」


 あ……。大学生のお兄さんお姉さん、集まって来てる……。やっぱり憂はどこ行っても人気者だね。見た目完璧な上にハンデ抱えてたら……。うん。みんな大事にしたくなるよね。下手にちっちゃいし。


「うん。行こ。お兄さん、またです」


 あれ? お兄さんが取り囲まれてる。佳穂まで混ざってるし。女子高生パワーだね。お兄さん、すっごく困り顔。


「てめー! 超可愛い妹がいながらJKに囲まれやがって!!」

「お前は今日から敵だ! 覚えてろ!!」


「ちょ! お前ら、助けろ!!」


 お兄さんも大変ですね……。


「黙れ! シスコン野郎!」


 ……冗談で言ってるんだよね? お兄さん、だいじょうぶかな? 心配だけど移動しないと……。心のなかで『ごめんなさい』しながらプールへと移動しました。





 到着した更衣室。憂が隅っこで小さくなっています。元から小さいのにもっと小さいんです。そう見えるだけなんですけどね。

 私たち以外のみんなは、大急ぎで水着姿に変身中。美形兄妹騒ぎで時間取られちゃったからだね。


「千穂ちゃんたち、着替えないの?」


「あ。うん。着替えるよ? 憂が恥ずかしがっちゃって……」


 仕方ないとは思うけど……。それでも着替えないと……ね? 頑張れ男の子! ……って言ったら、ダメだよね。やっぱり私たちが水着着るのとは全然、気持ち的に違うんだろうね。

 それでも逃げない憂は偉いと思う。


「憂……?」


「――千穂ぉ」


 ……そんな情けない顔しないの!


「着替えるよ……?」


「仕方ないですねぇ……」


 梢枝さんがタオルを開いて、着替えのガードを開始。


「あ。あたしもー」

「仕方ないね」


 佳穂と千晶も同調。


「わたしも……」

「手伝うよ!」

「あたしも!」


 みんながタオルを広げてガード開始。憂はたぶん、マヒのせいでタオルで隠しながらとか難しい。だからこの形が着替えやすいよね。梢枝さん、ナイスです。


「他のみんなは行ってあげて! 園児たちが待ってるよ!」

「そうだね。行こ!」


 有希さんが促して、ほとんどの女子が同調。


 ……私も今のうちに着替えちゃおっと……。





「憂ちゃん! すでに遅刻! 先に行ってて!」


「千穂ー! あんたはいつの間にか、ちゃっかり着替えちゃって!」

「千穂はそう言うトコあるよね」


 ……だって。チャンスだったんだもん。私も貧相な体見られたく無いし……。


 それより憂だよ! 憂……。似合っちゃってるし……。小学生みたいだけど……。

 真っ赤だね。肌の露出が多いからすっごく目立つ。


「うぅ――ぴったり――しめつけ――」


 そういう物ですからね。サボらないって決めたのは自分でしょ……。


 ……。


 お股の前を隠すのやめなさい! 私が恥ずかしくなるから!


「千穂ぉー! あたしたちに構わず行けー!!」


「要らないよ。そんな死亡フラグ要らないから」


「千穂――みずぎ――」


 …………え? じっくり見られるとさすがに恥ずかしい……。


「ボクも――みずぎ――うぅ――」


 ………………。

 同じ女子用ですね……。


「行くよ……?」


 手を引いて、更衣室を脱出。出たらすぐにプールですよーっと。


 ……あれ? 静かになっちゃった……。男子たちは分かる……って言うか、恥ずかしいです。憂のついでみたいに見ないで欲しいかな? ……2人とも子どもっぽくてゴメンナサイ。

 大勢の先生方まで憂に釘付け。その後、私を見る……。ついでっぽくて、ちょっとイライラ。見られたいワケじゃないけど……、やっぱり悔しい。


「かわいい……」


 ちっちゃい幼稚舎の子の呟くようなひと言で大騒ぎが始まりました……。


「――かわいい――」


 ちっちゃくて可愛い子たちに『可愛い』言われるのは複雑だよね。優なんだし。






 みんな、腕に巻くタイプの浮き輪でぱしゃぱしゃ! すっごい可愛いんだ!


「おねーちゃん、しょうがくせー?」

「ちっちゃいおねーちゃん! あそぼーよー!」

「ういてるだけじゃつまんないー!」


 ……なんか女の子ばっかり何人か憂にくっついてます。プールの外の女の子たちも憂を見詰めてる。信じられないって感じなのかな? 絵本から飛び出してきた主人公やヒロインを見てる気持ち……かな? ちょっと解るかも。


 男の子たちは……。


「うわー! すっげー! たかー!」

「つぎ、おれ! おれがかたぐるま!」

「うわー! こいつ、すっげーきんにくー!」


 彼ら3人の周りに大集合。大人気。強そうだし、それでいて優しいし、当然かな? やっぱり男の子たちの方が積極的なんだね。


「千穂ー! いい感じだねー!」

「そうだねー!」

「ねー! ちほおねーちゃん、あのおねーちゃん、ういてるだけなんだよー!」


 この子はチカちゃん。どう言う漢字なのかな? 千佳だったら面白いよね。千穂千晶佳穂千佳で繋がっちゃうよ?

 そのチカちゃんは元気いっぱい! ぱしゃぱしゃ手足を動かして頑張って私に向かってくる。ちょっと……憂みたいかも。


「そうだね。チカちゃん。あそこに遊びに行こっか?」

「うん! いくー!」


 声を掛けてみたら何故か懐いてくれたんだよね。ちっちゃい子には私が慣れてないんだけどな。一人っ子だし、正直言ってどうしたらいいか判らなかったからチカちゃんに助けられた気分です。


「あたしはまだ入って来られない子を誘ってくるよー!」

「わかった!」


 憂は最初、おっかなびっくりプールに入った。ここって水位が110cm以上あるのかな? ちょっと深め。

 足が届かなくて、慌てて戻ってきた。戻ってきたら、今度は仰向けで出発。上手にぷかぷか。それから、ずっと泳ぐわけでもなくぷかぷか。

 浮けた事にクラスのみんなびっくりだったんだけどね。


 でも、これが良い切っ掛け。深さに怖がってたちっちゃな幼稚舎の子たちもプールに入りだした。同じ、足の届かない憂が浮き無しで浮いてる。勇気を貰ったのかな? 狙ってやったのかは分からないけど。


 それにしても水の中って動きにくい……。この時間の後って、普通に水泳の授業なのかな? ちょっと勘弁して欲しいかも。泳ぐと異常に疲れる気がしない? だから私は歩いて憂の元に……。


 ……やっと着いた。


「憂?」


「――なに?」

「おねーちゃんしゃべったぁぁ!!」

「わたしたちはあいてしてくれないのにー!」

「ずるいー!」


 えっと……説明するべき……なのかな……?


「説明すればええ思いますよ?」


 ……そうなんだ。梢枝さんは相変わらず思ってる事に答えてくれるんだよね。


「憂さん? プール……サイドに……」


 憂は浮いたまま少しだけ小首を傾げる。やっぱり浮いてても傾げるんだね。


「――ひっぱって――?」


「引っ張って?」


 ――――。


「――うん」


「――うごい――たら――」


「しずみ――そう――」


 …………。


 そうだったんだ。それで動かなかったんだね……。動かないじゃなくて動けないか。早く言ってくれればいいのに……。




「えー!? じゃああんまりおはなしできないのー!?」

「おねえちゃんかわいそう……」

「うん。かわいいおねーちゃんなのに……」


 あ。泣きそうな子が……。ギュッとしがみついたり、よしよしって頭をなでる子も。優しいね。

 憂は子ども好き。怒る事も無く、優しい笑顔でされるがまま。慈愛? ……にあふれてて……なんか、キレイかも?



 プールサイドに上がった憂は、大勢の入れない子どもたちに囲まれちゃった。その中で憂の症状について説明した。


 ホントに説明して良かったのかな……? なんかちょっと空気重たいです。


「千晶? どう?」

「半数くらいかな? あと5人くらい入ってくれたら流れがまた変わりそう」


 佳穂と千晶は私たちに課せられたミッションに一生懸命だね。

 幼稚舎の子たち。今日は40人くらい。この結構、深いプールに入るのは初めての組なんだって。この子たちをプールに入れてあげるのが、今回、5組6組に課せられた使命。健太くんなんかも頑張ってる。先生たちはプールサイドで待機中。何かあったらすぐに対応出来るように目を光らせておられます。


「……行こう?」


 私も誘ってみた。おどおどしてる可愛い女の子。


「……こわいもん」


 ……そうだよね。足、届かないと私も怖いもん。幼稚舎って、結構スパルタ……。こんなだったかな? 私も通ってたはずなんだけど記憶に無いよ……。

 どうしたらいいんだろ? この子も楽しそうなお友達の事、羨ましそうに見てたんだけどな……。入りたいけどあと一歩、勇気が出てこないって感じ……。


「憂さん。これを……」


 梢枝さんが憂に見せたのは、子どもたちと同じ腕に巻く浮き。たしかに危ないよね。先生方が監視してくれてるけど、やっぱりちっちゃい子に目がいっちゃうだろうし……。


「梢枝――ありがと――」


 その浮きを付けて、憂はまたプールに向かって歩き出した。憂は……怖くないのかな?


「おねえちゃん……」

「だいじょうぶぅ?」


「――だいじょうぶ――」


 憂がそっとプールの中に……。大勢の幼稚舎の先生たちも心配そう。

 そんな注目の中で、憂は中央に向けて泳ぎ始めた。左右のバランスが悪いせいかほとんど進んでないけどね……。


「わぁ……。およいでるー」

「おねえちゃん、すごいー!」

「あたし、はいるー!」

「わたしもー!!」


 あ! 今まで入れなかった子たちが!


「あ……。凄い……」


 若い先生が漏らした呟き。うん。凄い。きっと……憂は解ってる。私たちがいくら誘ってもダメなんだ。私たちは足が届くから。元気だから。

 憂は自分が弱い事を知ってる。だからこそ、自分が入れば子どもたちに勇気を与えられるって……、それを理解してる。


「あのお姉ちゃんに負けたくない子はおいで! 一緒に行ってあげる!」

「ウチも手をお貸しますえ……?」

「……うん。いってみるぅ……」


 ……さっきの子は?


 ……憂をじっと見てる。感動の眼差しだね。

 よし。今ならきっと大丈夫。


「さ、行こっか?」


 ……あれ? 俯いちゃった……。もう少し。あと少しのはずなんだけど……。


「まゆぅ? おいでー!」


 あ。チカちゃん。まゆちゃんって言うんだね。まゆちゃんは顔をゆっくり上げた。ちっちゃいのに決意の顔してる。

 ……私が背中を押してあげたかったんだけどね。チカちゃんに負けちゃった。


「いく! おねえちゃんおねがい!!」


 真っ直ぐ私を見上げるまゆちゃん。いい顔してるね!


「うん!」


 一緒にプールに行く途中、目元を拭う先生の姿が視界に収まりました。このまゆちゃんが最後に残った1人。まゆちゃんの事を心配してたんですよね?





「全員がこのプールに入れた事は……実は初めての快挙なんです! ……出来ることなら、またお願いしたいくらいですよ! 本当にありがとうございました!」


 先生の元気な挨拶。先生はちょっと涙目。この時間だけで大きく成長しちゃった子も居たりして?


「みんなー! お兄ちゃん、お姉ちゃんにご挨拶できるかなー!?」


「「「はーい!!」」」


 私たちの3時間目の終了直前。私たちに合わせてくれてるんだろうね。向かい合って挨拶。私たちは座ってるんだけどね。目線の高さが合うといいんだって。幼稚舎の先生たちってしゃがんでる印象あるよね。理由を初めて知っちゃった。


「ありがとうございました!」


「「「ありがとうございましたぁー!!!」」」


 あ。ダメ。これ、すっごく嬉しい。


「行っておいでー!」


 ……え? あ。バラバラにね。


「ちほおねえちゃん、ありがとー! またあえうー?」


 チカちゃん! ……舌、回ってないよ? そんなチカちゃんをハグ。チカちゃんも思いっ切り抱き付いてくれて感動……。私の方が会いたいよ?


「会えるよー? いい子にしてたらね!」

「いいこにするぅー!」


 あはは! かっわいい!


「おねえちゃん……ありがとー」

「まゆちゃん。どういたしまして!」


 あ。行っちゃった。先生の陰に隠れてもじもじ。まゆちゃんも可愛い!


 憂の周り、すっごい。近くに居るからここまで子どもがあふれてる。ここでも人気者だね。何気に勇太くんの周りも凄い。兄弟多いんだったよね。相手するのが上手なんだろうね。大きくて目立つし。


「おねえちゃん、ありがとー!」

「またきてねー!」

「おねーちゃん、けっこんしてー?」

「またねー」


 賑やかだなぁ……。告白までされちゃってるよ? 分かってないみたいだけど。


 もみくちゃにされちゃってるね。十人以上にじゃれつかれて……憂も嬉しそう。


 あ! ダメ! チョーカー!


 ……ずれた。1本の傷……。


「おねーちゃん、これ、どしたのー?」

「おねえちゃん? ここいたい?」

「いたいたい?」

「よしよし」

「たいたいのとんでけー!」


 憂はチョーカーを元の位置に戻して……笑顔?


「だいじょうぶ――ありがと――」


 憂が優しいから優しいのが移っちゃうのかな……? 憂って、凄いなぁ……。ちっちゃいはずなのに大きいんだよ?


「はーい! みんな集合! 集まれー!」


 先生の号令でワイワイキャーキャー大集合! 保育士……いいかも。


「またねー!」


「「「ばいばーい!」」」


「出発進行!」


「「「しゅっぱつしんこー!」」」



 あーあ……行っちゃった……。ちょっと寂しいかも。子どもって……いいね……。


「――千穂――?」


「なに?」


「トイレ――どう――するの――?」


 ………………。


 ……水着をしっかり下げるしかないと思うよ?


 そのあと、声が出るくらい冷たいけどね……。




 活動報告でお伝えしましたが……。1000字以上の加筆をさせて頂きました。

 随分と印象が変わったと思います。


 しっかりと読み直していきます。申し訳ありませんでした……。頑張ります!

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