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78.0話 バスケコート

 


 ―――6月25日(日)



「お姉ちゃん!? なんで!?」


「憂……? どしたの? なんで怒ってんの?」


「最近、カッコイイ感じの服ばっかり! もっと可愛いのがいい!」


 ぷぅと頬を膨らませる。着てから文句言わなくても……。


「でも、可愛すぎるのは千穂ちゃんに禁止されちゃったから……」


「うぅ……。千穂姉ちゃんに文句言う……」


 あらら? 涙目で拗ねちゃって。可愛いじゃない。元気になったよね。活き活きしてる。キラキラしてて眩しいくらい。


「お姉ちゃん! 憂の支度できたー?」


 開かれるドア。余所行きの服着た千穂ちゃん。どこ行くんだっけ?


「あれ? 憂は、なんで涙目?」


「もっと可愛いのがいい……。ロリータ着たい……」


「そんな顔してもダメ! あれは目立ち過ぎるんだよ?」


 ……ロリィタなんだけどね。発音大事よ?


「……普通にしてても見られるよ?」


「それはそれ。わざわざ見られる事ないよね?」


「……うん」


「うん。いい子だね。後は髪を整えるだけかな? どんな髪型にしよっか?」


「ツインテールなんてどう?」


「あ! それいいね! お姉ちゃん! ……私がしていい?」


 ……はて? なんで千穂ちゃんが『お姉ちゃん』って? まぁいいや。嬉しいし。


「いいよー。高い位置でね!」


「うん! わかってるよ!」


 千穂ちゃんに髪を梳かれる憂は気持ち良さそう。うん。自慢の可愛い妹たちだ。


「千穂の髪は私がしていい?」


「あ。嬉しいかも」


 うんうん。良い笑顔だね。


 ……って、普通に呼び捨て受け入れちゃってるし!


「お姉ちゃん――?」


 ん? どしたの? そんな昔みたいにぼんやりしちゃって……。今はこう……。違う感じで可愛くなったでしょ?


「――お姉ちゃん――おはよ――?」



 ……寝呆けてる? あれ?



「お姉ちゃん――!」



 …………。



 …………。



「……憂?」


 うん。憂だ。


 ……夢だったか。


 ……残念。


「やっと――おきた――」


 ……そりゃ悪かったね。そんな不満そうにしなくてもいいじゃない。


「――トイレ――」


 はいはい。よけますよー。今、何時よ?


 ……5時57分……。日曜くらいもっと寝ればいいのに。朝だけは早いんだから。


「――いって――くる――」


「付いてく……」


 1人で階段はダメ。


「あはは――!」


 ……どうした? 急に笑いだして……。



 一緒に階段を降りる。トイレの外まで付き添い。


 ……いい夢だったな。後遺症なんて無くて、千穂ちゃんは妹で……。

 夢は願望の表れ……か。

 千穂ちゃんの現実的妹化は無理として、何とか敬語を取り払いたいなぁ……。


 今の憂が嫌って訳じゃないよ。そんな訳は無い。無くなったら最高だって思ってるだけ……。




 トイレを済ませた憂が階段を上がる。後ろを付いてく。憂がいきなり立ち止まった。どした?


「かいだん――大じょうぶ――だよ?」


 そうは言われましても……。


「私が……怖いの……」


「大じょうぶ――なのに――」


 不満そうだね……。


 あ!!


「危ない!」


「いたい――」


 言った傍から、つま先を引っ掛けた。パタリと転んだ。私が居なかったら、また落ちてたかも。


「どこが……痛い……?」

「何だ!? 憂!? 大丈夫か!?」

「憂!?」


 階段下からお父さんとお母さん。上から剛が登場。みんな起こしちゃったね。


「転んだ。剛、手伝って」


 憂は私と剛のフォローで姿勢を変えて、段に座り込む。左のスネをすりすり。

 パジャマのズボンの裾をペロリとめくる。

 ……擦り剥いてるし。スネは痛いよねぇ……。


「いたい――?」


 ……わかってるって。言われてもどうしようもないよ。それよりなんで疑問形やねん。


「かいだん――おねがい――します――」


 ……そうだね。落ちたらめっちゃ痛い事にようやく気付いたか。これからも付いてくからね。


「親父、大丈夫だ。俺が抱える」


 剛がひょいっとお姫様抱っこ。いつの間にか、お兄ちゃんらしくなったね。

 憂は赤くなりながらも、剛にしがみ付く。そのまま、階段を上がり、憂の部屋の憂のベッドにそっと降ろした。


「――ありがと――お兄ちゃん――」


 顔を背けてお礼。赤いまま。やばいシチュエーションだね。ちょっと前までの剛なら、動揺を隠せないはず……。


 そんな私の思いは杞憂に終わった。剛は「あぁ。気を付けろよ」って、にっかり笑ったから。


 これはいい傾向……。もう普通に妹として認識できてるんじゃない?


「ちょっと出とくな」


 おぉ! どうした剛!! 解ってるじゃないか!


 剛が部屋のドアを閉めたら、早速確認。憂のパジャマの上を脱がす。

 相変わらず、ちっさい胸だねぇ……。上半身全体を確認。左腕に赤み。肌が白いから余計に目立つ。とっさに出せるのが左だからかな? これは、ちょっと痣になっちゃうかもね。

 続いてパジャマの下に手を触れると、パジャマを掴んで抵抗。こらこら。抵抗はいかんぞや?


「じぶんで――」


 ……まぁ、いいけど。


 憂は寝そべったまま、パジャマを脱ぎ脱ぎ。脱いだら上半身を起こそうと頑張る。


 頑張る。


 ……頑張る。手を使わずに。


 顔が真っ赤に。


 んー!


 もうちょっと!


 頑張れ!!


 あー。


 ……体を脱力。腹筋、出来ないかぁ……。


 諦めて、少しぼんやり。そのあと、左手に体重を乗せて体を起こした。

 憂が両足の前面を確認していく。


「――ここだけ――?」


 ひだりスネに触れる。触れながら私を見上げて小首を傾げた。可愛いなぁ……。こやつは。


「そうだね」


 ――。


「よかった――」


「うん」


 憂は今度は太ももをスリスリ。そこ怪我してないよ。でもスリスリ。


「どしたの?」


 ――。


「おんなのこ――きもち――いいね」


 ……ちょっと。照れるじゃないの。肌触りの事か?


 ……まぁ……わかるよ? 私の友だちにも無駄毛処理した翌日に、自分の腕や足をサワサワスリスリしてる子居たし。


 もっと上がって、パンツに触れる。


「すべすべ――」


 ……今日はスベスベ系の生地だからね。


「きもちいい――」


 肌触りね。肌触りの事だよ!?


 ……私は誰に言ってんだか……。


 ……ホントにどした? 私の前だぞ? 忘れてんの?


「ボク――おんなのこ――」


 え……?


 ……受け入れようと……してる?


 ……違った。顔見たら、困った顔してた。いつになったら慣れるのよ。あんたは。


 そりゃ! 胸をブラの上から掴んでみる。


「――!?」


 ちっさ! 触れると分かるその小ささ。


「ぎゃあああああ!!!」


 痛っ! 本気で叩いた!


 手を離すと涙目で睨んできた。両手で必死に胸を隠してた。


「ヴヴゥ――」


 威嚇してきた。


「ごめん」


 憂ちゃんは相変わらず複雑ですねー。




 ついでに着替えさせた。


「――みじかい――」


 スカートね。ロリーなファッションだったら案外長いんだけどね。あれは禁止されたから仕方がない。

 ペロリとスカートめくり。


「ひゃあぁぁぁ!!」


 うん。可愛い。両手でスカート抑える姿。


 ぴろろろーん。


 スマホで撮影。予想通りの姿をありがとう。今、さっき着替える姿も見てたんだけどね。パンチラどころか下着姿。でも、それは解るかもしんない。私もパンチラしたかもって思うとやけに恥ずかしいから。


「お姉ちゃん――きょう――へん――」


 夢見が良かったからね。


 あ。泣いちゃった。


「ごめん」


「うぅ――」


 ついつい苛めたくなっちゃってね。


「さ、降りよう?」


 リストバンドでおめめごしごし。素直な謝りに弱いんだよね。この子は。

 さっきの画像を名無しアプリに送信。貼り付け。たまにはサービス。学生グループたち。なんて反応するかな? ちょっと楽しみ。


 私も招待されてから、渓くんと京之介(池上くん)も追加。ちょっとずつ増えてる『知ってる』クラスメイトたち。いい感じ。理想的。





『それではニュースです』


 ……誰がTV付けたの? 誰も観てないでしょ。


【かわいい! 愛さん、いいです! これ!】千穂


 千穂ちゃん、日曜でも早起きなんだね。まだ7時にもなってないよ。


「姉貴! 今日、スカートじゃ駄目だろ!」


 ん? 憂は恥ずかしそうにモジモジ。スカートって言葉に反応したのかな? ……って、そうじゃない。


「そうだったね。スパッツ取ってきて。憂のタンスの「断る! 妹のタンス開けられるか!」


 私はもう1人の妹に返信しないといけないんだよ? 忙しいんだ。


『事故の情報が入っています。大型バスと軽自動車が接触し……』


 事故のニュースは嫌い。あの時の衝撃を思い出すから。


「仕方ないわねぇ……」


「お母さん、ありがと」


【なんでスカート抑えてるんですか? 涙目で睨んで。可愛いけど】千穂


 あ。先に次の書かれた。消し消し。


 愛【スカート捲ってみたw】


「今日は晴れてるぞー。良かったなぁー。そう言えば、今年の梅雨は雨が少ないな」


「そだね。屋外だからねー。雨は少ないほうがいいでしょ」


 今日、行くトコ。憂にはまだ内緒。


【愛さんらしいですね。やりすぎて泣かせないで下さいね】千穂


【ぐはっ! めっちゃ可愛いっすね。変な気分っす】勇太


「愛、頼むぞ。父さん、そんなに動けん」


「わかってるって」


 勇太くんも朝早いね。意外だ。


 憂!? どした!? なんで泣いてる!?


『蓼園市で発生している、一連の猫の惨殺事件は20件を超えました』


 嫌なニュースだねぇ……。猫が何をしたって言うのよ。こう言う、弱いものを狙うヤツって何なんだろうね?

 テレビ消しちゃえ。憂は……そっとしとくか……。色々考えちゃうんでしょうね。


 愛【泣いたけどね。今も何故か泣いてる。勇太くんもおはよ】


「はい。取ってきたよー。これでいい?」


 あちゃー。それ、1分丈……。もうちょい長いの……まぁいっか。


「うん。憂? 履いといて」


 ――――。


「――うん」


 憂は、お母さんからナイロン多めのそれを受け取る。スリスリ。この子は……。


「憂? スベスベ……好き?」


 ピタッと手が止まった。図星なんだよね。


「――そんな――こと――ないよ?」


 顔に嘘付いてますって書いてあるよ?


【泣いちゃったんですか……。あ。おはようございます! 挨拶忘れてました!】千穂

【おはようっす!】勇太

【おはようございます。憂、かわいいな……】京之介


 あらら……。ログ溜まってる。君たち高校生だぞ? 私の場合、寝ても寝足りなかったのに……大したものだよ。少年少女たち。


 憂はスパッツを足に通し始めた。ここでなの!? 剛もお父さんも慌てて顔を背ける。

 2人を順番に見て、引き上げる。

 ……なるほど。反応予測済みなんだね。


 やるな! 憂!


 短いスパッツ履いたら、お尻をスリスリ。やっぱりスベスベフェチだよね。この子。あ。私に気付いてやめた。面白いねー!


「お兄ちゃん――べんきょう――おしえて――?」


「ん? あぁ……終わったんか。いいよ」


 ……誤魔化したね。




 それから憂の漢字の読みの勉強。朝ご飯。そして、また勉強。


 私は高校生たちとのやり取りをまったりと楽しんだ。


 憂の髪は後ろで1つに束ねた。


 最近、帰ってくる度に髪型が違うんだ。同級生の女の子たちが代わりばんこで、憂の髪型を変えてくれてるみたい。可愛がられてて嬉しい限りです。はい。




「そろそろ行くぞー」


「8時半? そうだね。行こっか」


「憂? ここまでだ。行くぞ?」


 ――――――。


「どこ――に――?」


「いいとこだ!」


 ――。


「いい――とこ――?」


 今日は皆が軽装。憂の着替えも用意済み。あれもこれもこっそりとお父さんの車のトランクの中。



 昨日、剛は帰宅した早々、興奮しながら言った。


『見付けた! 連れら総動員してやっと見付けたぞ!』


 前から探してたもの。剛も私もちょくちょくと探してたんだ。それでも見付からずに剛は昨日、友達を苅りだして一緒に探して貰ったらしい。


 それは市立の公園の奥まったところにあったみたい。テニスコートの陰に隠れてたんだって。公園自体が小さい山の中で見えにくかったって……。

 蓼園モールの西側には余り行かないからね。線路で分断されてるし。それで知らなかったってのもあるかな? 逆にモールの西側の人は東側に足を伸ばさないのと一緒。




 剛のナビで到着したそこは案外、近かった。灯台下暗しってヤツかな?

 駐車場で車を降りて徒歩で、しばらく。

 あ……。あった。ホントにテニスコートに隠れてるね。こりゃ、パッと見じゃ気付かないわ。

 うん。コート内は陸上のトラックみたいな足元。いいね。ここ。


「バスケ――ゴール――」


「そうだよ。剛が……見付けた……」


 正確には剛の友人だけどね。依頼したのは剛だから。


「お兄ちゃん――!!」


 あ。駆け出した。振り返った剛にハグ。全力でしがみ付く。うんうん。いいね。昔みたいだよ。小学生まではよくそうやってたね。


 ……子ども帰りしてる?


「ありがと――!!」


 まぁいっか。喜んでるんだから。剛も頭をよしよし。

 あ。赤くなった。慌てて離れた。


 剛は……苦笑いじゃないね。照れ笑いでもない。昔、優を可愛がってた時の顔だね。


 …………。


 ……やば。まじ嬉しい。


 憂はまた駆け出す。剛はその傍を付かず離れず。


「愛ー?」


 後ろのお母さんの声に振り向くとボールが飛んできた。

 ……いきなり投げないでよね。バスケボール硬いんだから。ゆっくりでも当たったら痛いよ?


「――お姉ちゃん――はやく!」


「はいはい!」


 憂と剛を追い掛ける。運動久々だなぁ……。明日は筋肉痛かな? 筋肉痛なったら寝て過ごそっと。


 半面も無いバスケコートに到着すると、子犬がそこに居た。フリースローラインに立って、私を見上げて尻尾を振ってた。

 とりあえず、ボールを手渡し。子犬は早速、左手でシュート。ジャンプしないのか。


 ……届かない。お父さんがドタドタって球拾いに。頑張れ! 我が父!


「憂ぅー? これ……履きなさい……」


 お母さんがバッシュを掲げながら遅れて到着。


「――うん!」


 あぁ……。可愛いわ。妹、最高。スマホ起動。


 あーあ。スカートの中、丸見え。短いスパッツは失敗だね。ボクサータイプのショーツみたい。まぁいっか。他に誰も居ないしね。

 地べたに座って一生懸命、バッシュを履こうとしてる憂。


 ピロロローン。撮らなきゃ損だ。撮りまくろう。ピロロローン。


「お姉ちゃん――?」


「なにー?」


「これ――」


 あ。紐か。はいはいわかったよー。

 憂の足元にしゃがみ込む。


「――つよく」


「強く……縛るの……?」


 小首を傾げた。

 ……赤くなった。頭をぷんぷん振った。なんで?


「――う――うん――」


 なんでどもるし? とりあえず、強く……ね。


「もっと――きつく――」


 ……注文多いね。


 ググーッと強く。


「――もっと」


 何か……嫌な会話だ……。さっきの憂の反応の理由が判ったよ。『もっときつく強く縛って』ね。


 うわ! 想像したらやばい!


 誤魔化しにギューってしてみた。


「そう――!」


 ……きつくないんかい?



 結局、思いっ切り締める事になった。なんか優の頃からこうしてたんだと。知らなかったよ。


 バッシュを履き終えたら、一気に立ち上がって剛が遊んでたボールに駆け寄る。


 ……ホントに安定してる。ハイカットのバッシュっていいね。あれは鈴木看護部長からの贈り物だったかな? センスのいい贈り物だよね。正直、あの頃はまともに歩けるようになるとは思ってなかった。


 ゆっくりドリブルして、そのままレイアップシュート。綺麗。美少女のバスケ。撮っとこ。

 あ。外れた。




 ……ここに到着して2時間ほど。


 くたびれたぁぁ……。


 この子って不思議。すぐに疲れちゃうんだけど、すぐに復活する。やっぱり新陳代謝が異常に速いのかな?


「元気なお嬢さんですねぇ。笑顔も可愛らしくて素敵なお嬢さん……」


「あはは。最近、元気になったんですよ」


 30分ほど前にテニスコートに現れた老夫婦。80近いのかな? そのお年で夫婦でテニスとか、十分に素敵ですよ?


「……最近……ですか?」


 こう言ったら失礼かも知れないけど、可愛らしいお婆ちゃん。

 お婆ちゃんは不思議そうに憂を見詰める。


「入院してたんです。一ヶ月ほど前まで……」


「まぁ……あんな可愛い子が……。神様も酷い事をなさる……」


「ユキエ! そろそろ、また1ゲームだ!」


「お元気になられて良かったですね……。それでは……」


 お婆ちゃんは休憩を切り上げて、お爺さんの元へ。2人とも笑顔。あんな年配夫婦になりたいね。


 ……相手、探さなきゃ……。


「あー!! 憂じゃねーか!!」


 ……ん?


 あ。勇太くん。


「――勇太!!」


「こんにちわっす!!」


 みんな挨拶。私も挨拶。


「――どう――して?」


 あ。聞こうとした事、憂が聞いてくれた。


「オレ……最近……ここ、来てんだ」



 何でも球技大会以降、バスケ熱が盛り上がっちゃって、ココで発散してたみたい。ココの事は前から知ってて、たまに来てたそうな。


 ……チャットで聞いたら一発だったワケだね。まぁそんなものだよ。そんなもの。


 私と父母は疲れ切ってぐったり。勇太くんと剛に憂の相手はお任せ。



【今週の土日、父は出張みたいです。その日のどちらか、憂とお泊り勉強会したいです。大丈夫ですか?】千穂


 なんとなくチャット開いたら、個別で届いてた。お泊りか。大丈夫かな?

 ……って、土日は千穂ちゃん、もしかして家に1人切り!? そんなの危ない!


 愛【いいよ! それとサービス!】


 憂のバスケ画像、てんこ盛り。中のスパッツ見えまくってるけど、千穂ちゃんだからいいよね。


【あ! バスケしてる!】千穂

【勇太くんも写ってる!】千穂

【すっごいいい笑顔!!】千穂

【かわいいー!!】千穂


 連投された。……千穂ちゃん、興奮しすぎだってば。



 憂はこの日の午前中、ずっとバスケしてました。すぐ疲れるから休憩何度もしてたけどね。

 12時になって、帰宅ーって車に乗り込んだらお昼も食べずに寝ちゃった。


 興奮して……はしゃいで……疲れて……眠って……。


 こんな子どもだったっけ?




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