6.1話 音姫 ~side憂~
憂sideです。思考の中身はこんな感じになってます。
しっかりしてますよ。
……それなりに。
キーンコーンカーンコーン。
「あー。ごめんなサイ! きょうハココマデデスネ。ツヅキハアスノジュギュウデ……ッテイイタイトコロダケド、それまデジコショウカイシナイッテノモヘンダカラ、アトハマカセマスネ」
――おわった――つかれた。
――ねむたい。
「たちばナサーン!」
「ゆうちゃーーン!」
――つかれてる――のに。
――でも。
――きょう――は――がんばる――。
「ゆうちゃん、ホンットかわいイネ。ジュンセイセイフクガフタリナラブトソウカンダワァ」
「あたシユウコ。ナマエニテルネ。シンキンカンカンジチャウ! よロシク!」
――うぅ――ゆっくり。
――――わからない――から。
「ちょっと……あたしノユウチャンガコマッテルジャナイ、ひとりずツユックリハナシテアゲテヨ」
――ゆっくり――おねがい。
「ダレガオマエノユウチャンダッテ?」
「あたしの。しんけんダヨ。あたシ」
――しんけん?
――ほんきの――しんけん?
「え? それじゃ、かほってイママデチホネラッテタリ?」
――うぅ。
「ちがう! それハナイヨ! ちほもカワイイケド、ユウチャンハトクベツ!」
――かいわ――ゆっくり。
――え?
――かほ――だったっけ?
――なに?
!?!?!?!?!?
――――!?!?!?
――――――!?!?
「ひにゃあああぁぁぁぁぁ!!!」
――き――きす――された。
――な――なんで!?
バーーン!!!
――なに?
――みんな――じゃま。
――――みえない。
「うるさイナ! キミタチハ! ヨシュウノジャマニナ―――――!! ――――――――――――――――――! ――――、―――――!?」
――なんか――言ってる。
――まぁ――いいや。
――もう――きかない。
「―――――。――――――――――――――――――――――、――――――――――――――」
「――――。――――、―――――――――――――――――――――。――――――――」
――――うるさい。
――あ。
――しっこ――いきたい。
「―――? ―――――? ―――――? ―――――――――――――――――――。――――――――?」
――――行こっと。
ギィ
「「憂?」ちゃん?」
――あれ?――拓真――勇太?
――――でか。
ギィ
「ん? 千穂ちゃン?」
千穂?
千穂――て――やわらかい。
「行くよ」
――――?
千穂と――どこに――?
かお――ちかい――。
「おしっこ……でしょ?」
――なんで――わかった?
――千穂――でっかい。
――――。
――ボクが――ちいさい――だった。
――なれない――なぁ。
「みんな、ちょっとごめん」
――トイレ。
――――いく。
「だれだ! そのコハ! そのコガサワギノゲンインカ!?」
――千穂?――なんか――。
――いってるよ?
「ちょっとシノハラサン! ゆうサンツレテドコイクノ!?」
「なんかホント、ズルクナイ? ヌケガケ?」
「おまエ、ナニサマ?」
――千穂?
――どした?
――なに――いわれた――の?
「このこハユウトオンナジユウナンダヨ。わたしはウンメイオカンジタンダ。ゆうちゃンノオセワハワタシガマカサレタンダヨ。だれにナニイワレテモワタシハコノコノソバオハナレナイ!」
――――――え?
――千穂――ないて――。
――なみだ――。
――――こいつら。
――千穂――なかし――た?
――――ゆるさん。
――かお――おぼえる。
――もんく――いう。
――――しっこ――おわったら。
――ことば――でにくい――。
――かんがえ――ないと。
――でも――しっこ。
――――千穂。
「――いこ」
――ドア。
――ちょっと――おもたい。
――といれ――トイレ。
「おい、ダレダ? アノチイサイコ」
「おー! ジュンセイセイフクノコンビ! コリャスゲエ!」
「シノハラモヤッパカ―――――……――、―――? ―――――――――――――」
――アノチイサイコ。
――あのちいさいこ?
――――あの――ちいさい。
――ちいさい――いうな。
――まぁ――いいや。
――トイレ。
――――あれ?
千穂。
「トイレ――どっち――?」
「うわ……こえまデカワイイトカ。オレ、コエカケテ―――――?」
「―? ―――――――?」
「――、――――――――? ――――、―――――――――」
「――――……―――――――――――?」
――――――うるさい――よ?
――むし。
――だれ?――じゃま。
「ねぇ、きみさ、はじめテミルケドテンニュウセイ?」
――ねぇ、きみさ、はじめテミルケ――なに?
――ねぇ、きみさ、はじめて――?
――――わから――ない。
――めんどう。
――まぁ――いいや。
――むし。
千穂。
「――いこ」
「ごめんナサイ。オテアライイソイデルンデ……」
――――じゃま。
「おい、ミタカヨ、あれ。シカトト―――――?」
「―――――、――――――――――――――――――――――――――? ――――――――――――。―――、―――――――?」
千穂――?
――みてる――よ?
――――人――いっぱい。
――なんで――みる?
――――――。
――うるさい。
――うっとうしい。
――――――――――。
あ。
――トイレ――ついた。
――え?――そっち?
――ちがう!
――そっち――ちがう!
――いやだ!――まって!
ひゃああ!
「――ちょ――っと――まって」
――千穂。
――どうしよ?
――でも。
――しっこ。
――――もれるよ?
――だんし――トイレ――。
――――でも。
いま――おんな――のこ。
――どうしよ?
――千穂?
――どうしよ?
うわぁぁぁぁ!
「ちょ――ちょっと――まって」
――そっち――だめだ。
――そこ――だめ。
――じょし――トイレ。
――むり。
――千穂?
――――――だんし――よう。
――だめ。
――――じょし。
――――むり。
――どうしよ?
――ちがう――とこ――?
なぁぁぁぁぁぁ!!
「まって――まってまって――」
「もう、まてマセン」
「いやだ――ぃやだ――やだやだやだ」
やだやだやだやだ。
やだやだやだやだやだやだやだやだ。
やだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだ。
やだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだ。
「――――!」
「――――!」
「―――――!」
――――?
――なんで――千穂。
――ちから――つよい――?
あ。
――トイレ。
「ひとりでデキルヨネ?」
――ひとりでデキルヨネ?
――ひとりでできるよね?
――ひとりで――できる――よね?
――できる。
――――しつれい――な。
――でも――千穂。
――――――ありがと。
「そばにイルカラ、コマッタラスグニヨンデ」
――そばにイルカラ、コマッ――なに?
――そばにいるから、こまっ――。
――そば――に―――いる?
――こまる。
――それ――こまる。
「ちかくに……いるかラ……」
――あ。
――ちかく。
――なんだ――びっくり。
パタン
ガチャ
――スカート――いや――だな。
――ぱんつ――おんなのこ――よう。
――――はずかしい――よ?
――ぬらしたら――だめ――だよ。
――しっかり――まくってね。
――ねえちゃん――いってた。
――しっこ。
――――んぅ。
しゃあああああ
――ふぅ。
――まにあった。
「あ! あのサ! そのコッテハジメテ―――――――――――――――――――――!? ――――――? ――――!?」
――ボク――に。
――じゃ――ないね。
「―――!! ―――― ――――! キョウ、キタバッカリダヨ!!」
千穂の――こえ――だ。
「へー! そうなンダ! スッゴイカ―――――――――――――! ――――――! ――――!! ―――、――――――――――――――――――――――――! ―――――!!!」
――おわった。
――いっぱい――でた。
――トイレ――はやく――でる。
――――――?
あ。
――ふかないと――。
――――めんどう――おんなのこ。
――かみ――いっぱい――とってね。
「――――――――。――――――――、――――――――――」
「――、―――」
――ふきふき。
――へんな――きぶん――。
「―――――――――!」
――あれ?――いまの――千穂?
――まぁ――いいや。
「―――――――――?」
――――ながす。
ジャアアアアアアアア
――ぱんつ――ぴったり。
――スカート――ぬれてない?
――――だいじょうぶ。
ガチャ
――でうわぁぁぁ!!
なになになになになに!?!?
千穂!?
「ゆうちゃン。おと……けしてね」
――優ちゃんって――いや――だな。
「おと……けさないト……はずかしイ」
――はずかしい?
――――――――。
――――――。
――――。
――。
――ボク――の――おと――はずかしい。
「――ごめん――なさい」
――とんだ――ごめい――わくを――。
キーンコーンカーンコーン
――あ。
「―、――――、――――――――――!!」
「―――――――――、―――――――――、―――――――」
――――じゅぎょう。
「―――、―――。―――」
「――――! ――――――!」
「――――、――――――――――」
――いきなり――ちこく。
「――――! ―――!」
千穂――ごめん。
――きょうしつ――もどろ?
わぁぁ!
――はやい――ゆっくり。
「――――、――――――――――――――――。―――――――――――――」
――ころぶ――から。
千穂――ころぶ。
ころぶよ?
うわぁぁ!
――まって――ゆっくり!
まって。
まって。
ゆっくり。
ゆっくり。
うぅ。
――ついた――けど。
千穂――ひどい。
――ドア。
千穂――ありがと。
――このドア――おもい。
「すいまセン! おてあライデクセンシチャイマシタ!」
――千穂――あたま?
――ボクも――さげる――?
「しのはラサン。そにいイカタダトデガワルカッタミタイダヨ」
「あはははは」
――あ。
――おもい――だした。
千穂。
――――いじめ――られた。
――千穂?
「―――――――。――サノテンニュウセイノオセワアリガトウ」
センセイの――きかない――と。
――アリガトウ?
ありがとう?
――千穂?
――――だいじょうぶ――そう。
――よかった。
「―――、そろそロセキニツイテ。ジュギョウハジメルヨ。ミンアガマッテ―――――――――――――――」
――あれ?
――ボクの――せき。
――――どこ――だっけ?
千穂――?
――ついてこ。
――――――あ。
――ここだ。
――――。
千穂。
――めいわく――ごめんね。