リンディ=フォン・リードザッハ⑩
何年も書く気が失せてしまい、大変お待たせしました。
デイビー=ダビットソンで起きているところは、すっ飛ばして書いてしまい申し訳ありません。
何年も放置していたので私も時系列がちょっとわかりません。のでご了承ください。
最後に終章を書く予定なのでよければ呼んでください。
私とデイビー様との記念すべき初対面の場が決まった。
場所はリードザッハ家つまり、我が家だ。
なんでも、緑の騎士団の親睦会をやる場所として屋敷の一部を提供することになったのだ。
これも私の弟、ガレットの発案だ。
「我が家式に招待するのです。家族の紹介ぐらいは当然行うことになるでしょう。これならば、策を弄さずに初対面が可能です。」
とは、弟の言葉。
確かに、私とデイビー様との間には大きな壁がある。
貴族は基本的に初対面で下のものが上のものに挨拶することを許さない。
特殊な状況下ではそんなこともないのだが、ただ挨拶するだけでは貴族の格差は埋められない。
しかし、弟がホストとして家に招きいれたならば話は別だ。
ホストの家族が挨拶に伺うのは普通のこと。
そして、貴族としてあいさつを済ませれば、それは知人となり。
次からは上下関係なく会話が可能になる。
無論、その後の関係で『付き合いを持ちたい』と思わせる必要がある。
そうでなくても、私は女として意識してもらわなければならない。
ただし、あからさまな服装であってはいけない。
それでは、ただただ行き遅れた令嬢にしかならない。
しかし、自身が持つ最大の武器は使用してもいいでしょう。
そう思い服装屋を呼んで新しいドレスを新著委することにした。
大きく胸を出してそれでいて、それ以外のところはあまり着飾らず慎ましやかに仕上げてもらった。
あの駄目王太子には見せなかった。
自身のもつ最大戦力で、立ち向かうことにしましたわ。
そんなこんなで当日、デイビー卿をお招きして、ではなく『緑の騎士団』の第三部隊の方たちの何人かを我が家でもてなした。デイビー卿は今日も凛々しく逞しさを備えていて素敵でした。
お父様が事前に仕込んでおいた。
部下達が襲撃の真似事をした時は、正直に言って無粋であると思いましたが、おかげでデイビー卿とお話しする機会ができたので、良しとしましょう。
いえ、もしかしたら私が話しかけやすいようにあのような真似をしたのかもしれません。
父はこの国で最高位の武官たる元帥の座についている。
これぐらいは簡単にやってのけるでしょう。
その後のデイビー卿とのお話はすごく楽しい時間でした。
おまけに、私が発注したドレスの効果で胸に視線を動かしたり私の顔に動かしたりしてあたふたしていた様子はとてもかわいらしく思えました。
デイビー卿は背がとても高いので見下げると私の胸か顔しかまともに見ることができない。
私は内心で笑みを浮かべながらデイビー卿を見ていた。
次に行われた。
弟の成人の儀のパーティでは、この前と違う趣向を凝らした。
胸元は開けず、その代わり香水とガーネットのネックレスをつけた。
このガーネットはルビーと見間違うほどに赤く、一般人にその価値はわからない。
商家の出でいくらデイビー様でも一見ではわからない逸品。
おかげ、デイビー様はまんまとひっかかりネックレスをよく見るために胸元に近づいてきた。
そして、おそらく感じたであろー香水のにおいと自分が胸元をのぞき込みに堪えられなかったのか。
背筋を伸ばして立った。
その後でなんとデイビー卿からダンスのお誘いがあった。
これほどうれしいことはないと、彼の手を取ってダンスのお誘いを受けた。
元平民であるデイビー様がダンスの特訓にどれだけ必死になったのかがうかがい知れるような拙くも、しかし懸命に私と踊る姿は周囲から様々視線を感じるが、デイビー様はダンスに一生懸命になりすぎてその視線にはきづいていないようだった。
その後も、デートのお誘いを受けたり一輪の花をプレゼントをもらい、そして最後にこう言った。
「あと1月と少しすれば御前試合が行われます。そこで僕は、必ず≪大騎士≫になって見せます。ですからどうか・・・」
僕と結婚してください。
その言葉に涙を流してしまいそうなほどにうれしくて「はい。喜んで」と返事を返した。




