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怪しいお店

作者: ゆっちゃん

“何でもお売りします”


「こんな店あったかなぁ? ちょっと覗いてみよ」


“ウィーン”


店内は薄暗い。

「雑貨屋かな?」


店の中にはいろんな雑貨が置いてある。

たしかになんでもありそうだ。


狭そうな外見の割には店内は割と広い。



「値札の0がやけに多いな…」


“鉛筆1500円” “ワイングラス50000円”


「店員さんに聞いてみよう。どこかな。。」




店内は本当に広い。

なかなか見当たらない。


「あっ」

「すいません」

全身黒のフードマントを着ている。

怪しい店員だ…


「なにをお探しで?」


「あの、ここの商品、ちと高くないですかね?」


「はい、全て特別なものですので」


「どこらへんが特別なんですか?」


「あちらの鉛筆 なくなりません」


は?そんなことあるわけない。


「いやいや、そんなこ…」

「あるんです」


この店員はマントのフードを深く被っていて

性別すらもわからない。

声を聞いてもどっちにも聞こえる…


「お金もお売りしますよ」


お金を売るだと?


「どういう意味ですか?


「そのままです。あなた様にお金を売るんです」

意味がわからない。


「どうやって買うんです?」


「貴方の若さ、です」


「試しに貴方の若さ1年分で10万売りますよ

初回Serviceです」


やけにサービスのとこだけ発音がいい…

いや、それより、若さでお金が買えるなら、

これはいいぞ


「本当ですか?」


「はい」


「じゃあ、10万円買います」


「ありがとうございます」


「10万円です」

「あなたの一年分の若さ頂きました」


「え、本当にくれるんですか?」


「はい、ちゃんと若さを頂いたので」


よっしゃー!何も変わってないじゃん!

明日も来てみよ


会社の帰り。いつたったんだろうこの店は。

一昨日はなかったはずなのに…


“ウィーン”


「若さ五年分下さい」

「50万です」

うっほー!


「…」


「また来ます!」

「…」



「あれ?課長、白髪増えました?」


「え?そんなことないけど…」


「かなり増えてますよ?」


そんな馬鹿な。


“ウィーン”


若さ10年分下さい



“ボトル入りましたぁー!”


「美香にこのボトルいれてくれたの課長さんが初めてなの!」


「そうなんだ、最近お金がいっぱい入ったからね」





「また来てね~」


さて、もうなくなっちゃったな。


“ウィーン”


10年分下さい



「あれ?課長?課長ですよね?」

「そうだけど?」


「なんか老けました?」


「なにいってんだ」


「髪の毛真っ白ですよ?」


まさか…


これは誰だ?

そこにいたのは老けた爺さんだった。


髪の毛は白髪だらけでシワだらけ。

とても40台とは見えない。


そうか!あのお店だ!


“ウィーン”


「おい!どうしてくれるんだ!元に戻せ!」


「無理です」


「もっと最初に気づくべきだったんです」


「じゃあ若さは買えないのか?!」


「有りますよ」


「一年分50万です」


高すぎる。


「それか、この店を引き継いでお客さんから若さを買い取ればいいんです」


「この店を引き継ぐ?」


「はい、ここで私のようにお客から若さをかいとって取り戻すんです」


店員が初めてマントのフードをとった。


爺さんだった。


マントをとったら声までも変わった


「私もあなたのように若さでお金を買って

気付かない内にこのような老いぼれになってしまったんです」


「さあ、このマントをかぶって」

「場所を移します」






“何でもお売りしますよ”


こんな店あったか?


“ウィーン”














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