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第4話

「……負けました」


 相手がそう口にする

 よし!今日は2連勝!

 久々の勝ちの気分は最高で、今すぐにでも叫びたい気分


 降段点の危機はひとまず脱した……わけではなく、次も最低1勝はしないといけない

 ピンチは依然と続いているわけだ

 だけど、今回2連勝したため、少し楽になれた


 今夜は久しぶりに、お寿司とか焼肉とか……

 と思っていたら、メッセージが来ていた


『勝ったみたいだね、将棋教えて』


 そ、そうだった……

 エレナに教えないと……いけないんだった……

 面倒だなぁ……





「終盤力に何考えているとか覚えてないし、終盤力鍛えたい?……といっても、僕はそんなに強くないと思うし……ほかの人に聞いたほうがいいよ」


 それが、今の僕に答えれる最善の解答

 そもそも、AIとにらめっこして、時々姉弟子が作った詰将棋を解いて、同期や先輩とかとたまに研究会してたらなんかいつの間にか上がってたので、教えれることなんてない

 本当に気付いてたら上がってたの、本当に


「ほら、師匠とか、梶原さんとか、プロの人に聞けばいいじゃん」


「わかった、あとで試してみる」


 いくら序中盤が強くても寄せ切れなければ負けちゃうのが将棋だから

 最低限、終盤強くないと勝てないのは事実

 劣勢でも逆転する術を持ってる人とかいるし、最後に決めきらないとダメなんだよね、結局






「月宵〜!!おひさ!久しぶりに勝ったみたいじゃん」


「おめでとう、さっさと上がってこい」


 さっさと帰ろうとしたら、2人の男に肩をつかまれた

 今井晋也いまいしんや山下由裕やましたよしひろ

 2人とも僕の年の近くて仲のいい先輩棋士

 今井は19歳、由裕が17歳

 今井は2年前にプロ入りし、由裕は新四段のルーキー


「研究会の誘いとかも断ってくるし、梶原さんに奨励会で負けまくってるって聞くし、本当に心配だった……」


「底は……抜けたっぽい?」


「大丈夫、今度から研究会もちゃんと行くから」


「「ちゃんと来いよ?」」


「わ、わかった……」


 実は、少し前2人から研究会に誘われたのだが、断っている


 なぜ研究会を断っていたのかというと、それは一時期、本格的に将棋を指したくない時期があり

 それに被ってしまっていたので、断っていた


 そのときは将棋ができておらず、ずーっとお笑いライブ観に行ったりドラマ観たりして時間を潰していた


 まぁその時期は1週間くらいで終わったからいいんだけど

 そこからは2人が対局とかイベントとかで忙しくなって、研究会の誘いとかは来なかった


「2人とも今日は対局日じゃないでしょ?どうしたの?」


 そんな疑問をぶつけると


「月宵の様子見、なんか負けまくってるらしいからさ、心配で……奨励会のレベルは俺たちがいた頃と変わってないっぽいから、なおさら」


「そうそう、月宵はプロでもおかしくない実力はあるんだから、少なくとも今季、三段昇段してもらわないと」


「ちょっと、買いかぶりすぎだって」


 本当にプロでもおかしくないのなら、こんなとこで足踏みしてないはずなんだけどね

 足踏みするとしても三段リーグあたり

 あの現竜王でさえ13勝5敗もしたらしいし


「よし!久しぶりに3人揃ったし、どっか食べに行く?」


「焼肉行こっか!食べ放題のクーポン持ってるし、月宵もいいでしょ?」


「うん、いいよ」


 3人で焼肉に行くことになった








「そーいえばさ、この前新しい妹弟子できたって?」


「そうそう、どんな子なの?」


 焼肉屋に付き、ひと通り注文して出てきたお肉を焼いている最中、2人はそんなことを聞いてきた


「15歳で大卒の子、専攻はAIらしい」


「な、なんかすごいな……」


 まぁ、初聞きじゃこういう反応になるよな……

 梶原さんも師匠も最初聞いたときは驚いたらしいし

 理由とか話せばもっと驚くと思う


「あー、そういえば、陽葵ちゃんとはどんな感じ?」


「そうそう!2人一緒に東京に来てるんだから!」


 2人一緒、かぁ……

 今は絶縁しているから、そんなことないけど……

 2人なら本当のこと話してもいいか


「えっと、絶縁したわ」


「「は?え?月宵と陽葵ちゃんが、絶縁?」」


 すごい驚いてる……

 僕と陽葵は小さいころから絶縁する前までずーっと一緒だった

 今井と由裕からは、はじめの方はカップルと間違えられていた


 顔面つよつよさいかわカップルなんて言われていた気がする


「うん、僕から切り出した、すんなり受け入れてくれたし、向こうはきっと僕のこと嫌いだったんでしょ」


「う、うん……り、理由は……?」


「いや、足手まといになりたくないから」


 僕は弱いから、足手まといになりたくないって思って

 陽葵は、出場できる女流の棋戦でかなりの好成績残していて、女性のプロ棋士になれる逸材と注文されていたから

 可愛くて、将棋も強い最強の女の子だから

 そんな子の、足枷になんてなりたくない

 歴史を変えるかもしれない女の子の、邪魔なんてしたくない

 だから、絶縁をしたんだ


「い、いい理由じゃん!」


「ほ、ほら、焼けたから食べな!」


 なんかすごい微妙な空気になっちゃったな……

 そう思いながら牛タンやホルモンなどを頼んでいく

 2人とも食欲ないのかな?こそこそ話して


「2人とも食べないの?お肉冷めちゃって硬くなるよ?」


「あ、うん!月宵がたくさん頼んでくれたから」


「せっかくの食べ放題だから、元は取りたいし!」


 その後、たくさん食べた


 ちなみに、僕の1番好きなお肉は仙台牛タン

 油が口のなかでとろけて、程よい噛み応えがあって肉汁があふれるのでめっちゃ美味しい


 そして何枚か食べたら、冷麺で口をさっぱりとさせる

 その後に牛タンを食べていく

 お米と合わせて肉寿司風もありだけど、僕はこの食べ方が好き


 地元に帰ったら食べようと思った


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