不幸になるのは簡単。でもちょっとした事で簡単に幸せにもなれる
お久しぶりの方もそうでない方も。
こんにちは。のどあめです。
長らくの体調不調に悩んだり、分不相応なジャンルに挑戦してましてエッセイ投稿は久しぶりになります。
今、うっすらと不幸です。
年末から胃腸の不調でご飯が満足に食べられない。今、だいたい1.5食です。朝が一番食べられて昼がその半分位。
昼時になってもお腹が空かない。
なので、楽しみにしていた外のランチが無理になりました。量が多すぎて食べられないのです。こよなく愛するスイーツも受け付けなくなりました。
店頭でケーキを見て美味しそうだな~と思っても見るだけで満足してしまって手が伸びない。たまに買って帰っても、手に取るとやっぱり無理となって家族にあげて満足してしまう。はあ、ショック。
大好きなコーヒーもだめになりました。
近所のカフェのコーヒーメニュー制覇を密かに目論んでいたけどしばらくは繰り延べです。今、飲めるのはミルクティーかココア位。はあ、悲しい。
はじめの頃は私って人生の楽しみの半分近くを食に頼ってたのね(涙)と悲しんでいました。生命に関わる訳では無いので大げさだけど。うっすらと不幸になるのは簡単。
でもですね。みるみる緩くなるウエストを実感して。おおっ!これは冬太り防止兼ダイエットのボーナスタイムではないか、あまり苦しまずにダイエットできるなんてラッキー!と思うようになりました。持ち直すのもこれまた簡単。
そんな私にも年明けにイベントがありました。家族の成人式です。
前年に前撮りしたものだから家族一同、半分以上終わったもの扱いになっていました。家人に声かけても
「え?前撮りでもう家族写真撮ったやないか、要らん要らん。俺は行かんで。」
こんな感じ。
朝も早よから家族を叩き起こし会場に向かう私と家族は華のイベントを他所にうっすらと不幸オーラを漂わせてました。
「なあ自分、なんで夜更かししていたん?早く寝よっ言うたよね。」
「学年末テスト中だからだよ。遅くまでテスト勉強してたんだよ。」
ああ、成人式にも容赦ない家族の大学。
そんな訳で家族は地元の成人式にも母校のイベントにも不参加となり、当日に友達と会うこともなく写真撮影と祖母へ会いにいく味気ないスケジュールとなっていたのでした。
「もう前撮りしたから今日わざわざ写真撮る必要なかったんじゃないの?」
「すまないねえ。予算の都合で。」
「おばあちゃんに会いにいくからいいけど。」
前撮りだけより前撮り本番セットの着物レンタルの方が安かったのです。本当はテスト勉強に充てたかったよね。
向かった先の写真館は華やいでいました。十何年ぶりにお会いした知り合いのお母様はばっちりと素敵なスーツを着ていらっしゃるし娘さんは幼い頃の面影はそのままに実に可憐で美しい着物姿。
「これから地元の成人式に行くんですけど、はなちゃん(うちの家族)も参加されます?」
「いや、うちは。その~ゴニョゴニョ」
気持ちは仕事、半ば義務で来ていた私は素敵母娘の華やかオーラに圧倒されるのでした。
そんな、うっすらと不幸オーラ、お疲れオーラをただよわせる私達を変えたのはカメラマンさんの一言でした。
「お母さん、お嬢さんとくっついて撮りましょうか。ほらほら、遠慮しないでもっとくっついて〜。」
着物越しに感じる家族の温もりとくすぐったそうな笑い声。
そういえば、反抗期以来、頭も撫でさせてくれなくなった家族。こんなにぴったりくっついた事は長い事なかったのではないだろうか。
「わあ、嬉しいなあ。こんなにくっついてるのはいつぶり?」
つい声に出てしまいました。
ちっちゃい時に抱っこした事、「おかあさん!」と、にぱっと笑って腕の中に飛び込んできた時を思いだして。嬉しくて幸せで自然と笑顔になるのが自分でも分かりました。
「お母さん、いい笑顔ですね〜。さあさあお嬢さんも笑って〜。」
カメラマンさんもプロです。すかさず場を盛り上げてくれます。
その後は硬い表情だった家族もすっかり良い笑顔になって和やかに撮影終了。サンプルの中の親子写真は自分でもびっくりするほど良い笑顔。
そういえば、本当に心から笑ったのが久しぶりだったのです。
ちょっとした家族とのふれあいでこんなにも幸せになる。人って(私だけかもしれませんが)簡単に幸せになれるんだな、としみじみと思いました。
今日、届いた親子写真は家族も私もとても良い笑顔で。
いまだに胃腸の調子が戻らない。
そんなうっすらと不幸な私だけどたまにはこんな幸せがあってもいいと思う瞬間でした。
今からわかる。春になれば好きなだけ食べられる事に簡単に幸せを感じて。そしてきつくなるウエストと太くなる腕に愕然としてまた簡単に不幸になるんだろうな、と。
幸せな思い出を作ってくれた美容室の方、カメラマンの方、何より成人した家族に感謝です。