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ブラオと奴隷の首輪  作者: うさぎレーサー
第1章「犠牲編」
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第2話 説明と実践

 異世界?

 異世界からよくぞ参った、と言ったか?

 さすがに我が耳を疑うぞ。

 しかし、他に説明がつかない。コンビニから出たら「謁見の間」でした。ファンタジー映画とかゲームとかで見るような、あの謁見の間だ。赤い絨毯が敷かれ、その左右に騎士が並び、階段の上で玉座に王様が座っている。意味がわからない。ドッキリだとしても、何をどうすればこんな事ができるのか。しかもコンビニに居たときは夕日も沈んだ夜だったのに、今はどう見ても真っ昼間だ。ステンドグラスの窓から光が差し込んでいる。


「状況が飲み込めておらぬようだな、勇者よ。

 余はミガッティ王国の国王ヤターラ・ミガッティ3世である。

 このたび、我が国の窮地に際して、そなたを異世界から召喚した」


 ヤタラ・ミガッテ国王?

 名前通り身勝手に他国――というか他世界から人を拉致したわけか。そして悪びれもせず。クソ確定だな。()()()()()()()()()()()()


「窮地というのは、魔王軍が侵攻してきているのだ。

 やつらは猛獣よりも強く、我が軍は手を焼いている。そこへ、さらなる強敵が現れたのだ。魔王軍四天王と名乗っておったらしい。

 その圧倒的な強さの前に、我が軍は手も足も出なかった。文字通り一方的に蹂躙され、なすすべも無かったのだ。

 だが、甘んじて滅びるつもりはない。そこで、そなただ」


 身勝手国王が熱弁を振るう。

 でも、それはソッチの都合だろ? 俺には関係ない。


「我らは、この世界よりも『上』にある世界から、勇者を召喚することにした。

 万物は上から下へと落ちる。その落ちる物体には『下へ向かうためのエネルギー』が宿っている。

 まさに、そなたも同じだ。上の世界から下の世界へ移動したために、そなたには膨大なエネルギーが宿っており、それを使いこなせば魔王軍とて蹴散らせるであろう。

 まずは、それがどれほどの物か見てみようではないか。勇者よ、『ステータスオープン』と唱えるのだ」


 なんかゲームみたいだな。

 この拉致加害者たる身勝手国王はキライだが、この世界そのものにはちょっとワクワクしている。

 いいだろう。やってみよう。どうせ今のままでは帰る方法も分からない。


「ステータスオープン」


 唱えると、目の前に半透明のウインドウが現れた。

 ゲームでよく見るステータス画面だ。


 ヨシオ・タケ

 LV1

 HP100

 MP500

 STR10

 AGI10

 VIT10

 INT50

 CON50

 MEN50

 EXP11451419194545810931893


 これは、経験値をステータスポイントとして割り振る感じかな?


「見えたようだな。

 だが、そのままでは他の者には見えない。

 そこで――」


 身勝手国王がひとつ頷くと、横に並んでいた騎士たちの1人が進み出た。

 その手に、1つの輪があった。手足にはめるには大きすぎるが、腰にベルトとして使うには小さすぎる。ちょうど……そう、首にはめるのに良さそうなサイズだ。


 悪い予感しかしない。

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