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第14話 報告
「よくぞ戻った、王子よ」
謁見の間。
身勝手国王が身勝手王子の帰りを歓迎する。
なんの茶番だ、クソが。
「では、報告を聞こう」
「はい、父上。
我らは各地を転戦し、魔王軍四天王をことごとく打ち倒し、魔王を討伐して帰還いたしました。幹部を失った魔王軍は統制を失うでしょう。このまま空中分解して自然消滅するか、あるいは魔王の後釜を狙って内部分裂が始まるものと予想されます。いずれにせよ、我が国の脅威は去りました。
次にこちらの損害ですが。私はもちろん、護衛の騎士にも1人の脱落者も出ておりません」
「うむ」
身勝手国王が満足げに頷く。
俺のことは報告にも上がらない。
「他国も魔王討伐の報告を待ち望んでおるだろう。
公式発表の準備を急げ」
控えていた文官らしき人物が、一礼して出ていった。
さっそく仕事に取り掛かるのだろう。
「それから――」
と、ここでようやく身勝手国王が俺を見た。




