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修学旅行の飛行機の中、俺たちはパニックに陥ってた。アナウンスによると、エンジン不調のため、不時着を余儀なくされたと。
飛び交う悲鳴、怒号、それらをよそに冷静な俺。強烈な振動がきたと思ったら、その瞬間から俺は意識をなくした。
次に意識を戻した時、そこは何もないって言うか、どこまでも続く草原だった。気持ちの良い風が吹き、さっきまでの騒動が、まるで嘘のよう。
ぼーっとしていると、向こうから一人の少女が歩いてくる。近くまでくると、少女どころか幼女に近い。
「すまんの。助ける事が出来たのはお主だけじゃ」
「ん?」
意味がわからず首をかしげる。
「おお、すまんワシは次期全能神のリリじゃ。ちょいお散歩してたら、其方らのアレを見てな、、、」
あー要するに、俺たちの飛行機は落ちたということか。んで俺だけ助かったと。まあよくある創作物だよな。
「なんじゃお主えらく冷静じゃのぅ。その方が話が早くてええんじゃけど」
「アンタ俺の心が読めるのか?」
「そりゃ次期全能神じゃからな」
ぺたんこな胸を張って自慢げなリリと名乗る幼女。
「早速じゃが、お主には元の世界へ戻ってもらう。元の世界と言っても、ちょい世界観と時間軸が前とは多少違うがな」
「どうゆう事?」
「いくら神と言っても、干渉できる事と出来ん事があるんじゃよ。代わりと言ってはなんじゃが、お主には超越種として帰ってもらう」
「超越種って?」
「簡単に言うと神と同等の力を持つ代行者ってとこかの」
「わかんね〜」
「難しい説明は、無しじゃ。そのうち理解するじゃろ」
次期全能神とやらが、俺の身体に触れた瞬間、またしても俺は意識を手放した。