表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

冬の思い出

雪がしんしんと降り積もる。私はそれを、窓から見ている。


長い間降り続けた雪は、寂れた町を白く染め上げ、きらきらと笑っていて。

それを見ていて心がきゅっと締めつけられて。いつかの日々を思い出す。


それはあの日、彼女とふたりで笑いあった日のこと。あの日も今日のように雪が降っていて、彼女の頬を赤く染め上げていた。冬なのに、春の日差しのように温かかったことを今でも思い出すことができる。


「どうして、行っちゃったんだよ……」


でも、彼女はもういない。ずっと遠くに行ってしまった。今さら手を伸ばしたって届かない。

どこかの左側がじりじり痛んで、服にシワが寄るまで胸を握った。息が、しずらい。




長い間降り続けた雪は、あたり一面をその銀色で覆い隠した。きらきらと、なにも知らない人が見ればきれいな景色の中、私の思い出だけは隠してくれなかった。

読んでいただき、ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 寒い日の思い出、ましてや冬の日の思い出ほど残りやすいものです。その思い出は決して消えません。消えたと思った時にふと現れてしまうものです。例えば初雪が降った朝。なんとも残酷なものです。
2020/01/21 12:43 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ