プロローグ 夢と現実
途中で飽きたらごめんなさい
雨が降っていた。
その雨に包まれた少女が、僕に言葉を投げた。
何と言ったかは聞き取れなかったが、その声色は彼女同様に美しかった。
僕は殺される、そう直感した。
でも、殺されるのが君ならば、それもいいかもしれない。
こんな僕の最後がこんな美しい少女に飾られるのなら
それもいいだろう。
直後、彼女が金色の稲妻となり僕の体を貫いた。
意識が、闇に堕ちていく。
遠ざかる意識の中、僕はいとおしい彼女に感謝し、忌まわしい運命を呪った。
最後に見た彼女の顔は、笑っているような、そんな、気がした。
パチリと目が覚めた
「夢…?」
嫌な夢だなぁ、僕が殺されるなんて
「疲れてるのかな…」
特別疲れるようなことはした記憶が無いけれど、きっとそうだろう
僕はベッドから起きて、みんなの溜まり場となっている広場へ向かうことにした
「にしても妙にリアルな夢だったなぁ」
見たこと無い女の子だったけど可愛かった、現実でも会えるといいな
なんていう邪な妄想をしつつ足を動かした
これから先、こんな風に眠れることはもうないのにね
誰かがそんなことを言ったような気がしたが、広場に着く頃にはそんなこと、忘れてしまっていた