マリンチャレンジカップ 日本代表招集メンバー
最終予選を2か月後に控え、病気による無念の監督交代をした日本代表。新監督となった本郷は、とにかく忙しかった。竜堂前監督の仕事を引き継ぐこともあったし、何より新日本代表を作り上げるために1か月後の日本フットボール協会のメインスポンサー、マリンビール主催のマリンチャレンジカップ2016に向けての選手召集のメンバーを選考する大事な仕事があった。選手の視察のために、本郷と美作は日本各地と欧州を飛び回った。今回のマリンチャレンジカップではUAE、ヨルダン、そしてオランダと戦う。そのために27名の選手を招集した。招集メンバーの詳細は以下の通りである。
星印は日本代表初選出。
GK:3名
小島 守雄(26)
所属:鹿島ガンナーズ
背番号:1
日本代表常連の守護神。そこまで高くない身長をカバーする長い手足と、抜群の反射神経を活かしたプレーでゴールを守る。所属する鹿島では26歳にして出場記録数を200に乗せた。日本代表では第2GKとして扱われてきたが、先発を常に狙っている。
川崎 信吾(33)
所属:クラブ・バーミンガム(チャンピオンシップ)
背番号:12
ベテランと言われる年齢になってなお、日本代表の門番として活躍するGK。海外で活躍できた日本人GKは稀であり、今も日本人GKの羨望を集める。今まで7か国のクラブでプレー経験がある国際経験豊かなところも魅力である。
大須賀 大介(29) ☆
所属:川崎フロムテン
背番号:21
川崎の守護神。現代的なGKで、セービングも上手いが足元も上手い。特にロングキックでのアシストも記録している点は、ポゼッションサッカーに向いている選手だろう。初選出ながら、ポゼッション戦術にハマる選手なだけに出場に期待がかかる。
DF:8名
阿形 桂(24)
所属:FCビアンコネロ(セリエA)
背番号:2
言わずと知れた日本代表の壁。海外では『Mt.富士』と呼ばれ、世界の若手の中でもトップクラスの実力を誇る。高い統率力でディフェンスラインをコントロールし、高い身体能力と観察眼でデュエルを制する。またキック精度も高い。24歳でまだまだ伸び盛り。
小貫 太市(27)
所属:マインツSC (ブンデスリーガ)
背番号:3
ドイツで着々とキャリアを積んできた堅実なセンターバック。積極的な守備スタイルで果敢にボールを奪う。足元も達者で、攻撃のスイッチを入れるロングフィードは日本代表の武器になる。来季のステップアップも期待。
山田 風太(29)
所属:横浜・J・マリンズ
背番号:4
日本代表の韋駄天。突風のようなスピードでサイドを駆け上がり、攻撃参加するサイドバック。運動量も豊富で攻守に貢献できる。クロス精度は少し難があるが、それを補える経験も武器にしている。
甲坂 勝繁(30)
所属:名古屋クラージュ
背番号:5
右サイドにおける守備のスペシャリスト。相対する選手を決して自由にはさせない。最近はベテランの風格が備わってきた。Jサードから成りあがってきた上昇志向の持ち主で、日本代表にもいい影響を与えてくれるはず。
加茂 信二(31)
所属:横浜・J・マリンズ
背番号:15
本職はセンターバックだが、サイドバック、中盤の底までそつなくこなすユーティリティな選手。日本代表の戦術に幅を与えてくれる。足元も上手く、見事なパス捌きを見せる。試合終盤まで冷静さを失わない点も評価が高い。
加藤 紀明(22) ☆
所属:柏レイス
背番号:17
新進気鋭のサイドバック。左右問わずプレーでき、攻めの場面でも守りの場面でも顔を見せる豊富な運動量を持つ。そしてなんといっても両利きである点が最大の魅力。左右両足で寸分違わぬキック精度を見せる。日本の未来を背負う若人の1人。
四木 和喜(23)
所属:サンプドリア(セリエA)
背番号:22
今季からイタリアに渡ったDF。突出したスピードに加え、高さも兼ねそろえるファイター。その身体能力もさることながら、強靭なメンタリティを持っており、どんな局面においてもプレーがぶれることはない。
伊藤 雄司(26) ☆
所属:浦和レンディル
背番号:26
2年前に中盤からサイドバックにコンバートされてからというもの、見る見るうちに成長し、代表クラスの選手となった。元々の攻撃センスに加え、守備にも安定感が出てきた。浦和での存在感もみるみる増してきており、日本代表でもその存在感を見せてほしい。
MF:6名
駒場 獅童(28)
所属:FCボルシア(ブンデスリーガ)
背番号:6
日本代表不動のキャプテン。恵まれたフィジカルと優れた危機察知能力で相手のピンチを察知して潰す。攻撃面では長短を織り交ぜたパスで試合を展開する。そして何よりも大舞台でゴールを決められるなど、何かを持ってる男。日本代表に欠かせない人物だ。
遠藤 水月(29)
所属:ガッツ大阪
背番号:7
日本屈指の司令塔であり、そのキック精度は達人級。かつての日本代表の7番・近藤を思い出させてくれるような視野の広さも魅力的。運動量はないが、守備面でも読みの鋭さを見せる。日本に欠かせない選手の一人。
白鳥 匠(23)
所属:マンチェスター・ブルーエンジェルス(プレミアリーグ)
背番号:10
本当に日本人なのか、と疑いたくなるような異次元の天才。すでに欧州でも高い評価を得ており、昨夏にマンチェスターの青い天使に電撃移籍した。創造性溢れるパスに、驚異的なボールコントロール、当たり負けしないフィジカルも併せ持つ。日本代表からは外せない選手。
伊川 徹(25) ☆
所属:SC東京
背番号:13
スナイパーの愛称で知られるパサー。ポスト近藤と言われるが、パス精度だけなら彼より上かもしれない。どんな隙間でも通すスルーパス、スペースを瞬時に見つけられる才能を持っている。日本代表期待の新人。
新橋 樹(20) ☆
所属:SVフライブルク(ブンデスリーガ2部)
背番号:16
異国ドイツの地でキャリアをスタートさせた異色の風雲児。高い精度のパスや鋭い読みを武器に攻守に貢献できるボランチ。ドイツでブレイク中。日本代表には初招集。
雅 佑介(28)
所属:セレステ大阪
背番号:20
独特なアイデアを持つセットプレーのスペシャリスト。日本代表ではあまり活躍できていないが、今回は昨季のセレステ大阪でのMVP級の活躍を見せての招集。セットプレーだけでなく、創造性溢れるプレーは日本代表の新たな武器となるだろう。
FW:10名
石川 瑞樹(23) ☆
所属:ベガ仙台
背番号:8
新進気鋭の若きドリブラー。スペインのクラブ仕込みのテクニックは相手守備陣をくぎ付けにする。スペースさえあればガンガンスペースを突いてくれる。まだまだ成長中。いずれは日本を代表するドリブラーになるだろう。
五島 大吾(28)
所属:鹿島ガンナーズ
背番号:9
2014/15シーズンJリーグ得点王。エゴイスティックなストライカーで昨季は30ゴールを記録。得点をすることだけを意識したスタイルであり、ボールを持てばすぐにシュートを打ちたがる。だが、そのシュートセンスと決定力は日本代表に必要不可欠な要素だ。
月火野 景(27)
所属:インテル・ネラッズーロ(セリエA)
背番号:11
イタリアに移籍して初年度でスタメンを勝ち取り、安定したポストプレーと、ずば抜けた跳躍力、空中戦の強さ、そして27ゴールを荒稼ぎ中の決定力で、日本代表の絶対的エースストライカーであり続けている。独特なリズムを持っているため、話が噛み合わないことが多々ある。
橋本 亜烈楠(24) ☆
所属:浦和レンディル
背番号:14
16歳から日本に移住し、ブラジル人ながら帰化選手として日本代表への参戦を決めたウィング。ブラジル人独特のリズムで相手を揺さぶり、マリーシアを使いこなす強かなドリブラー。カタコトの日本語は浦和でもムードメーカーとして有名。
高崎 健吾(29)
所属:鳥栖サーガFC
背番号:18
空中戦で無類の強さを発揮するセンターフォワード。月火野という大きなライバルがいるが、最前線に陣取れば、相手ゴールへのプレッシャーを与えることができる。ヘディングの技術は相当なもので、昨季は月火野が記録したヘディングでのゴール数を塗り替えた。
伊佐敷 鹿慧(22) ☆
所属:川崎フロムテン
背番号:19
昨季大ブレイクを果たした川崎の若武者は今回が初招集。しかし、そのポテンシャルは疑うまでもなく、圧倒的なスピードを持ち、裏へ抜け出すのが得意な点は評価できる。サイドの切り込み隊長として活躍できるのか。少々短気な点は不安要素。
田村 貫(20) ☆
所属:ジュバン磐田
背番号:23
伊佐敷とともに昨季大ブレイクを果たした選手で、彼も今回が日本代表初招集。典型的なセンターフォワードで、上背はそこまで高くないが抜群のキープ力を持ち、前線でボールを収める仕事に長けている。味方選手を活かすプレーが得意。中盤でもプレー可能。
山田 獲歩(21) ☆
所属:FCシャルケ(ブンデスリーガ)
背番号:24
日本生まれドイツ育ちのアタッカー。ドイツの最先端の育成システムで育てられ、抜群のサッカーセンスを研ぎ澄ましてきた。最前線から中盤までプレーできる万能な選手で、ドイツの名門シャルケ04ではジョーカーとして活躍中。攻撃に関する全ての能力に秀でている。日本の最前線に新しい風を吹かしてくれるだろう逸材である。今回が日本代表初招集。
小宮山 正輝(32) ☆
所属:アウローラ伊勢FC
背番号:25
アウローラ伊勢FCに移籍し、元日本代表・新井監督の指導を受けてから急激な成長を見せ、昨季は29ゴールを決めて得点王争いに絡んでいく活躍を見せた。伊勢の伝説的ストライカー剣田健の系譜を受け継ぎ、今回25番を背負うことに決めた。彼同様、泥臭く力強いプレーでゴールを狙う。
華垣 竜(27) ☆
所属:ヴィリジス東京
背番号:27
あらゆる年代の国際大会予選で素晴らしい結果を残しながら、怪我に泣かされ、本大会で活躍できてこなかったガラスのエースがついに復活した。まるで俯瞰しているかのような視野の広さ、状況判断能力、そして月火野ばりの決定力のあるストライカー。チャンスメーカーとしても活躍できるため、この最終予選でも最高のプレーを見せてほしい。