表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/105

次の目的・次の計画

 天志達は想像以上に早く仲間を見つけた。


 もう少し時間がかかると思っていたが、ラムールに着いたその日に見つけてしまった。


 かなの質問攻めでわかったことは、愛は偶然通りかかったお爺さんに南に行けば城があると言われ、大きなバックに出来るだけ食料を詰め込み、その城を目指したらしいが、どんなに歩いても見つからなかったらしい、10日以上歩いてやっと着いたのが、ここラムールだったようだ。


 やっと見つけて、町に入ろうとしたが今度は入り口の検問で引っかかった、スキルブックを持っていなかったからだ、そこで一悶着あったらしいが、その美貌を武器に、今晩お酒に付き合うからという条件で中に入れてもらったらしい、その話を聞いて咲とかなめと菊之助も、自分達も苦労したと話し、皆リンを冷たい目で見るのだった。


 その後愛は、この町で用心棒の様な事をやっていたと話した、しばらく順調だったが、客が居なくなってきたことから、明日にでも移動しようと考えていたらしい、天志達が一日遅れていたら、すれ違いになっていたかもしれない、今日天志達が着いたこと、愛がもう一日飲み溜めしようと決めたこと、それは運がよかったとしか言えなかった。


 天志達は愛にリンの事、これからどうするかを話した、そしてこれは強制じゃないと、愛は天志が居るから皆と行動を共にすると恥ずかしそうに言った、不純な動機かもしれないが、それは本人が決めたこと、愛がそう決めたならそれでいい、こうして愛が仲間に加わった。


 天志達はこれからどうするかを話し合う、想像以上に愛の発見が早かった、愛を探しながら次の行動を決めようと思っていたが、ラムールに着いて、1時間で愛を発見してしまった、嬉しい誤算だが、早速次の事を決めなければならない。


 ヒースはここで情報を集め、その後唯一足取りがわかっていた仲間、水の大地に向かったと言う女を探すことを提案する。


「戦争が始まっているからな、どんどん動きづらくなる、出来るだけ早く見つけたい」

 

「でもヒース、全員で一人を見つけるより、別れた方が早くないかしら」


「咲の意見はもっともだが、まとまって動いた方が危険は少ないぞ」


「そうね、ならヒースから見て私達を二つに分けた時、戦力としてはどうなのかしら」


「普通に見てもう問題はないな、ただ、それは普通に見てだ、この前のピエロみたいなのが来たら、まだまだヤバいぞ」


「アレにはもう会いたくないわ、でもあんなのに会う確率はそう高くはないのでしょ」 

 樹神以外の全員が、ピエロに会いたくないと言った咲の意見に同意する。


「多分としか言えないな、あのピエロは俺も想定外だった、そんなイレギュラーがこの前も起きた、そう考えると用心しときたいとは思う」


「そうね、何が起きるかわからないのよね」


「せめてあと一人、別れるにしても4,4にはしたいな」


「そうなると、やっぱり一番はウォタレスに行くのが早いのかしらね」


「だな」


「別れるとしたらどんなパーティーがいいのかしら」


「次の一人の能力にもよるが、まず俺と咲は別々だ、愛ちょっとスキルブックを見せてくれないか」


「ほら、よっ」

 愛がヒースにスキルブックを投げつける、それをヒースは普通に手渡されたように取り、スキルブックを確認する。


「愛、スキルブックは頑丈だけど大事に扱えよ」


 うおっ、普通に取りやがった、やっぱりこのオヤジ中々やるんだな、愛はスキルブックをかなりの力で投げつけたが、それを難なくキャッチしたヒースに驚いていた。


 九条愛 24歳 ギルドランクB レベル51 HP407 MP252

 魔法  ヒール テレポ ダーク 


「愛お前、一人でよくここまでレベル上げたな、しかもテレポ持ちとは優秀だな、それと闇魔法か、これはまた珍しい属性だな」


「レベルなんて勝手に上がんだろ」


「それにしても凄いって言ってんだよ、天志達と比べてもそんなに遜色ないからな」


「そ、そうか、て、天志と同じくらいか」


「愛ねぇ凄いね」「スゲーね」

 かなめと樹神が愛を褒める、褒められたことより天志と同じと言われた事が嬉しいのだろう、愛は恥ずかしそうだ。


「これなら咲、かなめ、樹神、菊之助のチームと、俺、天志、愛、そしてどんな能力でも、もう一人の奴でチーム作ろうと思えば作れるな、天志と菊之助と樹神は入れ替えが利く、かなめと愛はテレポ持ちだから必ず別々だな」


「バランスはよさそうね」

 

「だな、でも咲、二手に分かれた時はお前にかなり頑張ってもらうことになるぞ」


「かまわないわ、だから時間のある時、この世界の情報をもっと詳しく教えてほしいの」


「そうだな、俺とダ・スルームで出来るだけ説明する」


「お願いするわ」


 天志達はここラムールで出来るだけ情報を集め、水の大地ウォタレスに向かうことにするのだった。




 天志達がラムールの酒場で話し合っている時、目と鼻の先のラムール城ラムカの部屋にまた、ピルール・クルールの姿があった。


「デブ、次はどうするの?」


「そうだな、そろそろあいつの封印を解いてもらうか」


「もう解いちゃうの?」


「今すぐではない、そろそろだ、グリーフ城を外から攻めながら、内側からも攻撃する」


「えっと、あれ名前なんだっけ、まぁいいや、あいつそこそこ強いけど、頭は悪いから、うまくやれるかな?」


「別に中で暴れてくれればそれでよいわ」


「ふーん、そっか、暴れるだけならあいつで問題ないね」

 でも、グリーフの国冒の人達、思ってたより強そうなんだよね。


「そう言うことだ」


「で、いつ決行するんだい?」


「今兵を編成している、後数日後だな、最初にグリーフ城から離れた、町か村を襲ってその後、城を叩く」


「どっかに目を向けさせるんだね」


「ああ、グリーフはいい国冒が揃っているらしいからの、少し離れてもらわねばな」


「まっ、頑張ってよデブ、天使様の期待に答えてね」

 期待してるか知らないけど。


「わかっておるわ、天使様に宜しく伝えてくれ」


「うん、天使様の事馬鹿って言ってたよって言っとくね」


「お、お前、そんなこと一言も言ってないだろうがっ」


「冗談だよ、じゃバイバーイ」

 いつも通りピルール・クルールは消えた。


 あのピエロめ、ワシで遊びおって、必ず痛い目に合わせてやるわ、だが、先ずはグリーフだ、あの大地を我が物にしてくれるわ。


「グフ、グフ、グワッハッハーー」

 ラムカの部屋に汚い笑い声が響くのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ