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スキルブックゲット

「すいませーん、ギルド登録したいんですけど」


「こんにちわ、受付のマリーナと申します、ギルド登録ですね、かしこまりました、それではこちらに一滴血液をいただきますがよろしいですか?」


 眼鏡をかけた可愛らしい感じの受付嬢だ。


「いいですけど、痛くないですか?」


「大丈夫ですよ、今まで一度も泣いたり喚いたり、ましてや死んだ方はいらしゃらないので、ふふふ、ご自分でやられますか? 私がやりましょうか? 」


 受付の女性が針のようなものを手に取り、どうします? という顔をしている。


「お願いします、やってください」


 そう言うと、天志は恐る恐る手を差し出す。


「かしこまりました、ちょっとチクっとしますよ~エイっ」


「イッテ~~」


 天志のあまりの痛がり様に、受付の女性が驚きながらも、自分の仕事をこなす為手を伸ばし、器の様な物を手に取った。


 それは銀で出来たお椀状の物に、奇麗な細工が施されている、その中に水のような透明な液体が入っていた。


 そこに今取った天志の血を一滴落とす、するとお椀の水がぼんやりと光りすぐに消えた。


「こんなに痛がる人は初めてですよ、それではこちらにもう一滴、エイっ」


「イッテ~」


 受付の女性は不意を突いて天志から血をいただき、そして今度は小さな鏡のようなものにもう一滴血を落とす、するとそこに文字が浮かび上がる。


 天草天志アマクサテンシ 17歳ギルドランクⅮ レベル5 HP76 MP1 


「はい、こちらが天草様のスキルブックになります、かなり丈夫にできていますが、紛失、盗難、破損にはお気をつけください、以上で登録は終了です、他に何かご質問などありますか?」


「あの、討伐報酬ってやつもらえますか?」


「かしこまりました、それではスキルブックを失礼します、Dランクの魔物が42体討伐されてますね、21000Lエルクの報酬になります」


「ども」


「テンテンよかったね、それだけあれば三日四日は安い所なら泊まれるね、それとちょっとスキルブック見せてよ」


「ほれ」


「どれどれ・・・えええええええええええええええええええええええええ! 」


「どうしたっ! 」


「テンテン、テンテンってまだ17歳なの?」


「みたいだな、俺も今知った」


「もっといってると思ったよ、話し方とか、話し方とか、そのエロエロのところとか、エッチィところとか」


「話し方とエロいとしか言ってねぇじゃん」


「でも、言われてみたら顔はまだ幼い気がするね、それに若い方が体力あるしガンガン戦えるし、覚えも早いと思うから全然ありだね、後一つ気になったんだけど、もしかしたらテンテン魔法無理かも、MP1って」


「えええええええええええええええええ! マジか! 何でだよ、強くなる楽しみねぇじゃねぇか」


「まだわからないけど、一応1はあるし、でもそのMPじゃ見込みないと思うよ」


「それは無理! 俺は魔法が使いたいんだよ、リン何とかしろ」


「何とかって言われても、ねぇ、でも強くなればリンの武器もっと使えるし、魔法よりすごいのできちゃうよ、多分」


「多分ね、俺は魔法がいい、何でもいいから魔法が使いてぇのっ」


「お子ちゃまだねぇ、年聞いてビックリしたけど、精神年齢はもっと低そうだね」


「うるせぇ、魔法は男のロマンなんだよ」


「わかったよっ、とりあえず今日は宿探して休もうか、テンテンも疲れたでしょ? 」


「疲れてはいないけど腹減ったな」


「あそこなんてどぉ?」


 リンが一軒の宿屋を指さす。


「宿屋ヤドリギね、いいんじゃねっ、とにかく食べて寝られればどこでもいいや」


 天志は他の宿屋を見ることなく、リンが見つけた宿屋に入って行く。


「すいませーん、何泊かしたいんだけど」


「いらしゃいませ1名様ですね? 」


「えっと、コイツは? 」


「猫ちゃんなら迷惑にならなければお題はよろしいですよ、一泊二食付きで4800Lになります」


「じゃあとりあえず三泊で」


「かしこまりました、食事は食堂の方でお願いしますね、部屋は2階のつきあたり201になります」


「わかりました、よろしくです」


「はい、こちらこそよろしくお願いします、ごゆっくり」


 食事は思いのほか美味しかった、好き嫌いはあまりないが美味いにこしたことはない。


 食堂で食事を終えた天志は今、自分の部屋にもどりスキルブックを眺めていた。


「なぁリン、ギルドランクって何? 」


「ギルドランクってのは簡単に言うとどのくらいの魔物を倒したかってやつだね、魔物はDCBASって上がってくんだけど、Aランクをまぁ普通に倒せる人はギルドランクがA、Aランカーってよばれるね、で、ランクが上がるのは魔物だけじゃなくて、Aランカーの人と戦って勝てばランクが上がったりするよ」


「へぇー、とにかく強いのと戦えば上がるんだな、でもランクが上がったからって何か得あんの?」


「特定ランク以外立ち入り禁止区域もあるし、A、Sランカーとかになると、ギルド以外からの依頼が来ることもあるし、ギルドでも極秘クエストみたいのがきたりするね、施設とかもSランクだと無料なんてのも結構あるんだ、とにかくランクが上の方が色々便利だしお金もいいよ」


「ふぅ~ん、Sの上はねぇの?」


「あるよ、Sでも見たら逃げろってレベルの化け物なんだけど、それより上は異次元だと思った方がいいね、見たら死んでるから気にしなくていいレベルだよ」


「見たら死ぬね、見ないことを祈るか」


「そうだね」

 テンテン悪いけど、テンテン達にはそのレベルの奴と戦ってもらうつもりだからね、結婚してすぐ未亡人とか悲しいから、強くなってね。


「だから、見つからないように、逃げられるように、明日から本格的に修行だね、逃げるにしたって強くならないと逃げられないからね」


「わかってるよ、強くなればいいんだろ意外と俺、強くなるの嫌いじゃねぇみたいだから、すぐだな、あっという間に強くなるわ」


「うん、期待してるよ」



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