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方向音痴の女

今日2回目の投稿です、良ければ評価お願いします

 夕食を食べ終わり、皆と雑談した後、天志はそのままヤドリギの食堂でリンと話しをしていた、周りにはもう誰もいない、皆自室に戻って眠っているか、明日の準備をしているのだろう。


「なぁ、あの丸いのって武器なのか?それにあんなのお前の椅子についてたっけ?」


「寿限無はちょっと特別なんだよね、声聞こえなかった?」


「ああ、聞こえたぞ」


「説明すると長いんだけど、リンの武器は全部、火の国レッカにいる一族に作ってもらってるんだ、でねリンの趣味は武器集めなんだけど、その一族の武器に一目惚れしてね、リンの自分へのご褒美に集めだしたの、だから、正しくはその武器を見てから趣味が武器集めになったってこと、そこの何代目か忘れたけど」


「忘れたのかよ」


「別に何代目だっていいじゃん、で、その何代目かが武器に自我を持たせようとしたんだ、それで出来たのが寿限無だよ、一応成功したんだけど、扱いずらいのと、使っている時に使用者の体力、HPをどんどん食べちゃうんだ、だからそれ以降作るのをやめたの」


「だからあんなに体が重くなったのか」


「うん、そのせいだと思うよ、上手く使えるようになれば、そこら辺の敵の物理攻撃なんかは絶対防御だと思っていいね」


「マジか!スゲーな」


「でも、絶対防御なんだけど、HP食べちゃうからさ、あんまり長時間使えないって言うか、意味ないって言うかね微妙な感じになちゃってるの、でも短期決戦とか、大量の敵に突っ込んでくなんて時は本当に凄いと思うよ」


「へぇー、よくわかんねぇけど、使いどころが難しいってことだな」


「うん、そんなとこ」


「あんなの椅子についてなかっただろ?」


「あったよ、丸い鉄の棒みたいの刺さってたでしょ?」


「ああ、円柱の棒な」


「そうそれ、あれが寿限無の入れ物だね」


「あれ棍みたいなもんかと思ってたわ」


「テンテンだまされたね」


「どうでもいいんだけどな」


「つまんないの、だからあんまり寿限無に頼りすぎるのは良くないから気を付けてね」


「でも、そんなあぶねぇ武器、俺は他に使えるからいいけど、違う奴が選んでたらどうしてたんだよ」


「大丈夫だよ、その筒は寿限無を寝かせとく入れ物なんだ、そのままテンテンが言ったように棍として使えるよ」


「へぇーそう言うことか、わかった、聞きたかったのはそれだけだ、これ以上説明されても訳わかんなくなるからな」


「テンテン弱い子だからね」


「うるせぇよドジっ子、話し変わんだけど、この前リンが渡しったていう本読んでて思ったんだけどよ、今仲間探し苦戦してんだろ?」


「うん、なかなか足取りつかめなくってね」


「何で仲間を探してだけなんだ?」


「えっ?何かおかしい?」


「おかしくはねぇけどよ、そこにグリーフ城でとか、ハパールでって指定入れとけば、全員そこ目指したんじゃねぇかと思ってよ、まっ本読めねぇ樹神は無理だとしても、他の奴らは来ただろ」


「・・・・・・・・」

 それだよ、場所指定すればよかったんだ、何でそんなに簡単なこと思いつかなかったんだろ、今の苦労は全部リンが弱い子だったからだ。


「なぁ聞いてんのか?」


「あっ、遊び心だよ、ハ、ハ」


「ドジ」


「だって、焦ってたんだもん仕方ないじゃん」


「まぁいいけどよ、みんなそう思ってるかもしれねぇけど、黙っててやるわ」


「ごめんなさい」


「だからいいって言ってんだろ、ほら、そろそろ寝るぞ」


「うん」


 天志はベットに横になって考えていた、あのピエロにもまだ全然勝てねぇな、弱いんだ俺は、もっと強くなりてぇな、でもピエロも逃げだすオッサンってもっとツエーってことだよな、結構スゲー奴に教わってんだな俺、ガンガン強くなってゼノンに俺を認識させてやる。

 あの時の俺を見る目は蟻を見てるのと同じ目だった、そこに蟻がいたから見てただけ、殺さなかったんじゃない、蟻をワザワザ踏みつぶしに行くほどガキじゃなかっただけだ、見てろよゼノン、ビビらせてやるからな、でも俺ってこんなに戦闘マニアじゃないよな?ここに来たのだって女いっぱい囲っていいって聞いたからだし、その女すら一人も見つけてねぇ、超絶美女だと思ったリンは猫だし、毎日修行ばっかりだからな、まぁいっか意外と楽しいから、女は今度樹神と探しに行くか、よし寝る。




 ここは砂の大地サバール、今一匹の魔物が霧となり消えた。


「くそっ、あのジジイだましやがって、何が南に行けば城があるだよ、城なんて全然見えてこねぇーっつーんだよ、砂漠しかねぇじゃねぇか、もうそろそろ食料もやべぇぞ、まっ食いモンはそこらの動物狩ればいいけどよ、とにかくベットで寝てぇ、それと酒だ、町に着いたら浴びるほどのんでやるからな、後いい男いねぇかな」

 背中にかなり大きなバックを背負っているが、パンパンだった食料も一週間以上歩いているので大分しぼんでいた、そう一人の女が砂漠の真ん中で迷子になっていた。


 おねぇさんそっちは東ですよと教えてあげたくなる、あの悪魔ももっとまともなガイドブックよこしやがれ、仲間を見つけろだ、仲間どころか、人がいねぇって言うんだよバカッ、私の体を探して?テメーで探せクソ、生き返らせてやるって言うから契約してやったけど、これじゃまたすぐ死ぬわボケェ、はぁーどこまで歩けばいいんだよチクショー・・・


 数日後、お爺さんはグリーフ城の場所を教えてくれたようだが、ラムール城に女はたどり着くことになる、そして口は悪いが極上のいい女が、一軒の酒場の酒を一晩で空にしたという伝説を残すことになるのだった。



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