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エレクシア

 天志は一人緑の大地に立っていた。


 日の光が眩しい、暑くも寒くもない心地いい天気、優しい風が吹き、緑の匂いを感じる、辺りを見回しても一面の緑だ。


 何処だよここは? そうリンに聞こうとしたが、リンの姿が見当たらない。


「リンどこだぁ~」


 天志は取り合えずその場でリンの名を呼んだ。


「ここだよ」


 頭の中に直接聞こえる感じで返事がきた、イヤホンを更に耳の奥に入れた感じで聞こえるその声は、リンのモノだ。


「ここだよってどこだよ? 」


「そうだよね見えないからね、テンテン何か動物飼ってた? 」


「なんだよ急に、犬と猫飼ってたと思うけど、まだ死ぬ前のことはっきりと思い出せねぇんだよな、死んだことすらまだ実感ねぇし」


「もう前世になるからね、リンが狭間で捕まえたから少しは残ってるみたいだけど、普通は前世の記憶なんて一つも残らないみたいだからね、で、犬と猫ねぇ、リンのイメージはどっち?」


「お前は猫だろ完全に」


「そっか、じゃあ」


 ぽふっ、という音と同時に頭の上に何かが乗った。

 

 白黒の猫が天志の頭に乗っている。


「こんな感じかな、ねぇどぉ? かわいいでしょ? 」


 そう言いながら、猫は頭の上から地面に飛び降り、天志の前をくるっと一周する。


「お前、リンか? 」

 こいつなんか足短くねぇか? まぁこれはこれでカワイイから言うのはやめとくか。


「そうだよ、リンだよ、リンの世界のリンはどこかに閉じ込められちゃって今体がないんだ、だから今すぐエッチできないけどごめんね」


「エッチって、それより先に色々説明することがあるだろ」


「ああそうだね、テンテンの一番はエッチなことかと思って」


「おちょくってるのか? まぁ嫌いじゃねぇけど」


「当たってるじゃん、テンテンも好きだねぇ~、でね、リンは今体がないの、今見てるのは霊体みたいなものかな、最初はもっと力があったんだけど、テンテンと他の子達に印付けちゃったから、今はこの大きさが限界かな」 


「よくわからねぇけど、まぁいいや、で、これからどうすんだよ?」


「まずは、リンの体探しかな、他の子達にもリンを探してって言ってあるんだ、それと力をつけて、今のままだとそこら辺の魔物でも、強いの来たらやられちゃうから」


「魔物って! 何かヤバそうなのがいるんだな」


「魔物なんて可愛いものだよ、中には強いのもいるけど、人間の中にはもっと強いやつがいるからね、それよりやばいのになると、魔界者マカイシャだったり、天使だったり、あっ、テンテンの事じゃないよ」


「なんだよこの世界は、危険すぎるだろ、生きてける気がしねぇんだけど」


「だから力をつけて、それにそうそう危ないのには会わないから安心して、特にこの緑の地グリーフは超平和だから、まずはこの地でレベル20位になってくれるとこの先楽かな」


「はっ? レベル? ああそっち系の奴ね、もう驚かねぇからな」


「話が早くて助かるね、そうそっち系だよ、それとテンテンはまだいい方なんだよ、一番最後だったからリンと一緒にここに来れたんだから、他の子達なんて仲間を見つけながら力をつけて、仲間が側にいれば印が教えてくれるから、そしてリンを探して、ってこれくらいしか情報なしでこの世界にきてるんだから、まっ皆細かく説明できるほど、あの場所にいられなかったってのもあるんだけど」


「鬼だなお前、こんな物騒な世界に一人で放り出されたら、もう死んでるかもしれねぇぞ」


「かもねぇ・・・って嘘だよ、皆リンが厳選した子達なんだから、それにできるだけ安全な所に飛ばしたつもりだし、上手くやってくれてると思うよ、多分」


「多分かよ」


「とにかくテンテンは幸せ者ってことだよ、とりあえず近くの村か町までいって、そこを拠点に力をつけよっか」


「なるようにしかならねぇからな、まぁぼちぼち行くか、で、どこ行くんだ? 」


「そうだねぇ、こっからだとギザの村か、ハパールの町が近いかな、これからのことを考えるとハパールの方がいいかもね、情報とか、買い物とか何かと大きい町の方が便利だからね」


「よし、じゃあそのハパール行くか、どのくらいかかるんだ?」


「歩きだから2,3時間もあれば着くんじゃない」


「2,3時間! マジかよ、もっと魔法でパっっと行けねぇのかよ」


「まだ無理だね、だから移動手段もハパールで考えよ、とにかく力をつけてリンの体を早く見つけて」


「まだ! って魔法あるのかよ! いいじゃねぇか、でもまだ使えないわけね、はぁ~仕方ねぇ歩くか、なぁずっと思ってたんだけどさ、リンお前、自分の体なのにどこにあるかわからねぇの?」


「うん、ちょっと厄介な奴に捕まちゃってね、リンを封印するために運ばれてる最中に、スキを見て少しだけ体を飛ばしたんだよ、それで、リンの体を取り戻せそうな強い子達をあの狭間で探してたんだ、この世界の人達じゃリンの力をなぜか使えないから、リンと波長の合う人を狭間まで行って探したの、だからその後リンの体がどこに運ばれたかはわからないんだ、多分もう封印されちゃってるみたいで気も感じないし」


「へ~、よくわからん、まっ時間は一杯あるからな、わかんねぇことはこの先ちょっとずつ教えてくれよ」


 テンテン、時間はあまりないんだ、だから早く、早く強くなって、強くなってリンを探して・・・


「テンテンちょっと弱い子だから説明してわかればいいけどね」


「弱い子言うな」


「あっテンテン、魔物いた、ピクニックラビットが2匹、さっそく弱い子じゃないって証明できるね」


「倒すってどうやるんだよ? そういえば武器もねぇし、素手でやれってことか? 」


「黒があるでしょ、印に力を込めて名前を呼んで」


「また、わけわかんねぇこといいやがって」

 どうすんだよ? 力を込める? 強く握ればいいのかよ? まぁいいや強く握って、名前を呼ぶと。


「こいよっ、黒」

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