勘弁してください
暇潰し程度に楽しんでいってください(*´∀`)
ここ数年
私、草冠 真奈美には悩みがある
何かしたわけでもなく、超能力があるわけでもないのに
男子が近寄って来ない
もう一度言おう、
男子が近寄って来ない
女子高生である私にとって死活問題である( ´△`)
自分になにか問題があるのだろうか…
え、だって
外見は中の上の下だって自覚してるし
おまけに性格も…たぶん、悪くないとは思う…よ
え、大丈夫だよな…?
うん(*´-`)
考えるときりがない
一旦置いといて
友人である柚子ちゃんからは
「それで悩みが有るとか贅沢過ぎる」
と言われたが
「いや、男子が近寄って来ないってことは
彼氏が出来ないってことだからね」
と、私は反論した
「はぁ?…はぁ、うん篠田が可哀想になってくるよ…」
( ´Д`)?…(*゜∀゜)=3みたいな感じで
柚子ちゃんにため息をつかれた
何故だ
というか
「冬矢って私の悩みの元凶じゃない?」
むしろ私の方が可哀想だろ
私に同情しろ、親友よ
ここで、全ての元凶である篠田冬矢について
話しておこう
ヤツは本来私が人生で一回も関わらないはずの
イケメン、金持ち人間だが神はどう思ったか私母親の親友をヤツの母親にするという荒業を繰り出した
そしてほぼ強制的にヤツと私が幼なじみになり流石に高校生になったら自然に疎遠になるだろうと思っていたのは私だけらしく何故かヤツと登下校を共にしている今
(;´Д`)ハァハァ
自分で喋ってなんだが
説明長っ
まぁ、ヤツと登下校してるお陰で女子に敵視されるわ
何故か男子は近寄ってこないわで←女子が怖いからなのか?
ちょっと居心地が悪いデス、はい
ちゃんと私は
「一緒に帰る必要がないと思う」
と冬矢に言った
だって女子怖いしめんどくさいじゃないか
一刻も早くこの状況から解放されたいのに…
しかし
「お前、ほっとくと危ないから」
と、冬矢に言いくるめられる
解せぬ
自分を慕う可愛い女の子とふらふらした幼なじみ
どっちが良いと思う?
…私だったら確実に前者を選んでるよ
幼なじみの私から見てもイケメンなのにもったいない
だから!だから!
今日こそは、私のメンタル的にも冬矢の青春的にも
謎の登下校の習慣を無くすべし!
「ねーねー、冬矢
あの子一緒に帰りたいって」
「は?」
私が指さした方に顔を赤くした女の子が
可愛い、女の私から見ても可愛い
なのに
「悪い、俺コイツと帰るって決めてるから」
冬矢はチラッと女の子を見てバッサリと断った
…………
いやいやいや
お前っ、それはないだろう
いつもと違って私が近くにいるから
顔面の格差が丸わかりだぞ!?
これで正気に戻らないとか重症だわ
「真奈美、早く行くぞ」
鞄を持って帰る準備バッチリの冬矢にこえを掛けられて
慌ててその背を追いかける
「ねえ、冬矢ってさ」
やっと追い付いて隣に並ぶ
「女の子より男の子の方が興味あるの?」
「は?どうしてそうなった」
…最近冬矢にはっ?って言われる頻度が高い気がする…
「いや、だって女の子に誘われても全然遊びに行かないし」
冬矢の顔を見上げて言うと
「あー…まぁな」
凄い微妙な反応が返ってきた
「それに毎日私なんかと登下校してるじゃん」
何故かいたたまれない気持ちになってきて
冬矢から目線を外した
あれ?私、拗ねてるみたいじゃないか
ふと我に返って隣を見ると
冬矢が数歩前で立ち止まっていた
「冬矢…?」
心配して声を掛けると
冬矢は自分の髪の毛をぐしゃぐしゃとかき回し
ため息をついた
「いや…知ってた、知ってたけどここまでとは…」
何かぶつぶつと呟いていてよく聞き取れない
「いきなりどうした?」
「悪い、俺が甘かった
少しは気づいてくれてると思ってた…」
近づいてきた私に冬矢は真剣な表情を向けてきた
いつもはもっと冗談とか言ってるのに
珍しい表情に本気で心配になってきた時だった
「俺、お前だから一緒にいるんだけど」
ん?
理解出来てない私に気付いたのか
冬矢は言い直した
「俺は、お前が好きでお前と一緒にいるってこと」
え、
「お前以外だと意味がない、他の女子じゃだめなんだよ」
え、
「この際だから言うけど、俺は、お前が、恋愛的に、
好きなの!」
…え…←フリーズ
ええええぇっ、
言葉の意味を理解した瞬間
ぶわっと顔が赤くなるのが分かる
そしてそんな反応をした自分にも照れる
ヤバい、ヤバい
「ど、どうせ冗談とかなんでしょ?」
冬矢の顔が見れない
「俺が冗談で好きとか言うと思ってんの」
真っ赤になった顔を上げられない私に
冬矢の手が添えられて冬矢と目が合う
「やっと意識してくれたな」
そのまま私の目の前で嬉しそうに笑って
「俺、これからはもっとがんばるわ」
今まで見てきた、見慣れた顔なのに
ドキドキが止まらない
きっと最後は諦めるのだろうけど
それまではいっぱい足掻こうと思う
「まあ、俺も手は緩めないけどね」
あ、
それは勘弁してください
ありがとうございました