チョコレート・レイニー
溶かして固めたような
気持ちでもかまわない
味わいたいのはその
甘さだけなのだから
朝の時間はいつもより
早い鼓動のせいで
寝ぼけた頭の中でも
どこか期待している
靴箱の中を探って
机の中を漁って
掴めたものは
止めどない虚しさだ
朝に抱いた思いは
空回りしたのか
そう思わないための
夕方を待ち続ける
物静かになった部屋に
直接夕日が差し込んでいる
眩しい窓から覗く世界は
幸せそうで苦しくなる
小さな箱を持った
少女が廊下に立っている
そこを通った少年と共に
顔を赤くしている
どれも茜空のせいだろ
そう思わずにいられない
急いでこの場所から
空回りする足で逃げる
何かしらはもらえると
思っていたけど
どうやら現実は
甘くはないらしい
帰りにコンビニ立ち寄って
甘い物買って帰ろう
読んで頂き、ありがとうございました。