猫カフェ
保護猫カフェは賑わっていた。
猫好きは思った以上に多いようだ。白猫ちゃんも、子猫2匹も元気に走り回っている。
「橘さん!来てくださったんですね」
エプロン姿の女性が話しかけてきた。
美人だ。背が高く、長い髪をポニーテールにしている。
「こんにちは、林さん」
甲斐さんがキレイな笑顔で答える。
ソラは頭だけ下げてみた。
「お連れの方もこんにちは、ぜひ癒されて行ってください。気に入った子がいたら飼うこともできますので。」
「はい。」
ソラは白猫ちゃんのもとへと行く事にした。
「かわいい彼女さんですね?」
林さんが甲斐へコソッと伝える。
「いやっ!そういうんじゃ…」
不意打ちに慌てる甲斐。
「オーナーちょっと!」
スタッフの人が呼ぶ。
「まぁ慌てちゃって!橘さんも年相応で安心しました。それじゃあ、ごゆっくり」
オーナーの林さんはそう言って笑うと、スタッフと共に行ってしまった。忙しそうである。
そんな様子を、白猫を撫でながら見ていたソラ。
甲斐さん、ああいうタイプの人が好みなのかな、あんなにあたふたして…
とんだ誤解をしていた。
「白猫ちゃん元気そうだね」
甲斐さんがソラの隣に座る。
「はい、本当に良かったです。」
甲斐さんは白猫をじっと見つめる。白猫も甲斐さんを見る。
「…白猫ちゃんを保護したのは、林さんだったみたいだね。その前に追いかけられたっていうのは、あの男だったのかな?」
白猫がニャアと鳴く。
あの男とは、ミーちゃんを捕まえようとし、ソラを危険な目に合わせたアイツである。
「甲斐さん!お店じゃないのに猫と喋れるんですか?」
ソラが驚く。
「あれ?知らなかったっけ?」
ミーちゃんの事でなんか言っていた気がするが、あの事件の時は気が動転していたのでよく覚えていない。
「なんとなく、こんな事考えてるのかな?程度だよ。お店ならもっとちゃんと聞けるけどね」
そう言っている間に、子猫も寄ってきた。
甲斐さんの足にじゃれついている。
「かわいい…」
ソラがつぶやく。
「俺、動物に好かれるみたいでさ、寄ってくるんだよね」
言っているうちに、1匹胡座の中に入ってきた。また1匹肩に乗る。さらに1匹横に擦り寄る…
「わぁ…」
ソラが感動している。
甲斐は猫まみれになっていた。
他のお客さんやスタッフも驚いている。
「みんな来ちゃった…」
ソラが呟く。
「…甲斐さん、写真撮ってもいいですか?」
「え?うん。いいけど…」




