お見舞い
甲斐は布団の中でゴロゴロしていた。
ソラに気持ちを打ち明けて、なんだか気が抜けたのか、熱が出てしまった。
「甲斐、起きてる?」
部屋の外から兄の声がした。
「起きてるよ」
甲斐が答えると玲央が入ってきた。その後ろに
「ソラちゃん?」
甲斐は驚きで動けなくなった。
「ソラさんがお見舞い来たら、甲斐が元気になると思ってね。また後で。」
玲央は行ってしまった。
残された2人。
「…ソラちゃん、わざわざありがとう」
「いえ、風邪大丈夫ですか?」
甲斐は上下スウェットで髪もボサついてるが、相変わらずイケメンである。
ソラはベッドのそばに膝をつく。
「うん、もう平気…ちょっと熱出ただけだから」
「それなら良かったです」
安心してソラが微笑む。
甲斐がじっとソラを見る。
「笑った顔いいよね」
「へ?」
「照れてる所もかわいい」
ソラは動揺する。
「な!甲斐さん?まだ熱あるんじゃないですか?」
「熱あるかなぁ?」
ぼーっとする甲斐。
「本当に大丈夫ですか?コレ飲みます?」
スポーツドリンクを差出すソラ。
「買ってきてくれたの?ありがとう」
なぜか受け取らない甲斐。
「…飲ませて?」
甲斐がちょっと悪い顔でソラを見る。
「なんて、ごめんやり過ぎた」
「いいですよ」
ソラが甲斐の口にペットボトルを含ませる。
甲斐は急に恥ずかしくなった。
味がしない…
ペットボトルを自分で持つ甲斐。
「自分で飲めるから」
「ふふ、甲斐さんが恥ずかしがってる」
ソラが笑う。
「ソラちゃん、わざとやったでしょ?」
甲斐がソラの手首を優しく掴むと、ぎゅっとソラを抱き寄せる。
「来てくれてありがとう、元気出たよ」
「…はい」
ドキドキしすぎて声がうまく出ないソラ。
「風邪うつしていい?」
「…だめです!」
「じゃあ風邪が治ったらにするよ」
甲斐はソラに笑いかけた。
ドアをノックする音。
ソラが急いで体を離す。
「そろそろ帰ろうか。ソラさん送ってく…甲斐、手を離して」
玲央は苦笑した。
甲斐はソラと手を繋いだままでいる。
「だってソラちゃん急に離れるから」
「甲斐さん!」
ソラの顔が赤い。
甲斐が名残惜しそうに手を離す。
「また明日、気をつけて帰るんだよ」
「はい。甲斐さんもお大事に」
翌日のバイト、甲斐は全快したようだ。
今日は、はじめましての猫が来て昼寝している。
窓を開けると、ウグイスが窓枠にとまった。
「ここが噂のお店か」
ウグイスが話す。
「噂って?」
楽しそうに会話するソラとそれを見守る甲斐。
不思議なカフェ、心地良い空間である。
ひとまず終了です。
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