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不思議なカフェ  作者: 紙絵
第三章

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19/21

2人の関係

兄の嵐が去り、車に戻る。

「甲斐さん、さっきは急にすみません!家の兄、すごく失礼な事言ってましたけど、気にしないでください!」

ソラが謝るが、甲斐はむしろ自分が恥ずかしくなった。

「いや、俺の方がソラちゃんに謝らないと…変な態度とってごめん。」

頭を下げる甲斐。

「いや、私がなんか気にさわることしちゃったんですよね。甲斐さん優しいから、私気をつけます。」

ソラは自分のせいだと思っているようだ。

「ソラちゃんのせいじゃない。俺の勝手な勘違いだから。彼氏できたと思って、その…妬いてました。ホント何様って感じで…」

甲斐は自分で言っていて情けなくなってきた。

「甲斐さんが私に妬いてた?やきもちって事ですか?なんで…」

ソラはそこまで言って、甲斐を見た。

「いや、その、何でかって…」

甲斐は心を決めた。

優しい顔でソラを見つめた。

「それは、俺がソラちゃんのこと好きだから」

「…え!」

ソラは固まる。

「帰ろっか。」

甲斐は何事もなかったように車を走らせる。

え?え!え?好きってどういう?甲斐さんが私を?

ソラはパニックだ。

車内は沈黙である。いたたまれなくなって、甲斐は言った。

「ソラちゃん、気にしないで。忘れてくれていいから。」

甲斐は前を向いたままソラに言った。

ソラを困らせるつもりは無かった。


その言葉に、何故かソラは胸が痛くなった。

お店に戻る。

ソラの退勤の時間だ。

「お疲れ様でした」

「うん、お疲れ様。」

ソラは外に出る。

なんだろ?この胸の痛みは…

好きって言われて、私嬉しかったのに。忘れてって言われて、悲しくなったんだ。


甲斐はしゃがみ込み、大きなため息を着いた。

「はぁあ。」

もう心を決めたはずなのに、女々しく忘れてくれていいなんて言って。

「カッコ悪い」


ドアが開く音がした。

振りむくとソラが立っている。

「ソラちゃん…?」

ソラは甲斐の隣でしゃがむ。

「…私忘れたくないです」

ソラの俯いている顔が赤くなっている。

甲斐は驚きと嬉しさで言葉に詰まった。

「…ソラちゃん、赤くなっててかわいい」

「かっ!え?甲斐さん?」

甲斐は顔を横にしてソラの顔を覗き込んでいる。ソラは焦って顔を隠す。

「隠さないで?」

「恥ずかしいので無理です」

甲斐はソラの手を掴んで顔から離す。ソラは赤い顔で、目がうるうるしている。

「ソラちゃんは、忘れたくない?」

「…はい。」

「それは期待してもいいってこと?」

甲斐の顔は真剣だ。それにちょっと近い。

「…はい。」

目が泳ぐソラ。

「ねぇ、こっち見て?」

甲斐がソラに迫る。

「見ないとキスするよ」

「!」

ソラは甲斐を見る。

甲斐はちょっと悪い顔で、楽しそうに笑っていた。

「もう!」

ソラはムッとする。なんだか悔しくなって、ソラは甲斐のほっぺにキスをした。

「へ?」

甲斐は驚きで動けない。

「じゃあ甲斐さん、また明日!」

ソラは颯爽と帰って行った。

うわ〜

しぼらく余韻に浸っていたい。が、足が痺れてきた。

それでも甲斐の機嫌はいいままである。


家に帰るとリクが待っていた。

「おかえりソラ」

「お兄ちゃん、ただいま」

お兄ちゃんのこと忘れてた。

「今日のあの店長、あいつはただの仕事の上司って事だよな?」

リクが確認してくる。

「いや、あの、そうだったんだけど…」

ソラはしどろもどろになる。嘘は苦手である。

「私、お風呂入るから!」

「おいっ、ソラ?」

ソラは逃げた。

そして自分の行動を思い出して、恥ずかしさで叫びたくなった。

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