休日
日曜日、甲斐は街を歩いていた。
あの本、今日発売日だったよなー
本は紙で読みたい派である。
良い天気だ。でもきっと、あのゲーム好きは今日も引きこもっているんだろうな…
ソラの事を考えていると、反対の歩道をこっちに向かってソラが歩いて来た。
あれ?ソラちゃん?
珍しい。外を歩いているなんて…
声をかけようとすると、ソラの隣に人がいる事に気付いた。
男だ。
甲斐と同じくらいの年齢に見える。
ソラとその男は、仲良さげに何やら話している。
ソラちゃんが笑ってる…!
甲斐はなんだか撃沈した。
バレないように近くのコンビニに入る。
なぜ俺は隠れるような真似を?
モヤモヤする。
とりあえずアイスを爆買いした。
翌日のバイト中も、気になるがどう聞こうか迷っているうちにミーちゃんが来店した。
「ソラちゃんあのさ〜」
「ミーちゃんは色々知ってるね」
2人で楽しそうに話している。
「甲斐どうした?眉間に皺よってるぞ?」
ミーちゃんに指摘された。
「…何でもない。」
皺を揉みながら答える。
「甲斐さん疲れてるんですか?あ!昨日貰ったんですけど、よかったらどうぞ」
ソラはロッカーに走ると鞄から、目もと用の癒し系シートをくれた。
「お店の前で配ってて、2つ貰ったんで1つあげます」
昨日ってことはあの時に、2つってことはこれはあの男の分ってことで、ちょっと貰いたくないけど、ソラちゃんがくれた物だし…
「ありがとう。」
葛藤の末にもらう事にした。
ソラが微笑む。かわいい…
「はぁ。」
甲斐がため息をつく。
「甲斐さん大丈夫ですか?なんか今日おかしいですね。」
ソラが真顔になる。ソラは動物と同じくらい感受性が強い。甲斐の精神状態が不安定なことは見抜かれている。
「…あのさ」
「はい」
「昨日ソラちゃんが歩いてるの、たまたま見たんだけど…」
「ええ!見られてたんですか?」
ソラは思ったより驚いている。というか恥ずかしそうである。
「いやあ!それはそれは…あ!もう時間ですね、私帰ります!お疲れ様でしたー」
ソラはさっさと帰り支度をして店を出て行った。
残された甲斐とミーちゃんは顔を見合わせた。
「…甲斐、あれはなんだ?」
ミーちゃんも驚いている。
昨日の姿を、俺に見られたのが恥ずかしかったってことか?
いつかは一緒になるといっても、その間にほかの相手を挟むこともあるか…
彼氏と歩いてる所を、親に見られたら恥ずかしい感覚なのか?俺は保護者?
甲斐は自信を無くしていった。




