思考それぞれ
放課後、モモの質問攻めをなんとか回避したソラは、1人自販機の前にいた。
甲斐が飲んでいたジュースを見つけた。それにした。
落ち着こう私。恋愛なんていうモノ、私とはかけ離れた世界の話だ。自分に好きな人ができる想像なんてつかない。
でも、甲斐さんの笑顔は好きだ。
それはあれ、子猫がかわいいと似た気持ちだ!そうだ!
1人悶々と考えていると、後ろから声がした。
「すみません、買いたいんですけど…」
「あ!ごめんなさい」
人が来ている事に全く気付いていなかった。
もう、考えるのはやめよう!
ソラは考えない事にした。
甲斐は大学生である。
授業が終わると話しかけられた。
「橘君、この後予定ある?」
香水がきつめの女2人組が声をかけてきた。
「最近できた猫カフェ行かない?」
「橘君あの辺近所でしょ?案内してほしいなーなんて」
上目遣いで見てくる。
「ごめん、この後バイトなんだ。」
「橘君てお金持ちなんでしょ?バイトする必要ないんじゃない?」
「バイトどこでしてるのー?」
絡まれるのは甲斐の日常である。この容姿と『橘』の名前に釣られる人は多い。
「さあ?どこだろうね?あと、猫カフェ行くなら香水はつけない方がいいと思うよ。」
匂いで迷惑になるだろう。まあ、本当は興味無いんだろうけど。
甲斐はさっさと立ち去る。
「相変わらず冷たいなー」
男が話しかけてきた。幼なじみで大学も同級生の武尊だ。
「食堂行かね?小腹空いちゃってさあ」
武尊がお腹を抑えている。
「いいけど、俺すぐ出るぞ?バイトの時間だし」
「バイトってお前の店だろ?別に急がなくてもよくない?」
「いや、バイトの子が来ちゃうからさ」
甲斐はソラを思い出す。
あの寝てた時も面白かったな。
いつだかバイトに行ったら、ソラが机に突っ伏して寝ていた。頬に跡が付いていた顔を思い出すと顔がニヤける。
「ふーん、何?機嫌良いじゃん?」
武尊は甲斐の表情を読むのが上手い。
「うん、まあね。」
甲斐は食堂へと向かった。




