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不思議なカフェ  作者: 紙絵
第二章

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11/21

デート?

時は少し遡る。

バイト中、

「例の猫カフェ、明日オープンらしいけど、行く?」

甲斐さんがソラに伝える。

明日は土曜日だ。バイトもない。

「行きます!どこですか?」

即答である。

「犬飼さん家からだと、ここと逆側かな?」

甲斐は事件の時、ソラの家に来ている。

「いいよ、俺迎え行くよ。通り道だし。」

「ありがとうございます。」

ソラは道を覚えるのが苦手である。迎えに来てもらうのはありがたい。


土曜日当日、甲斐はソラの家のピンポンを押す。

「行ってきます」

ソラが出てきた。いつもの制服姿ではなく、私服である。キャップにロンTにワイドパンツ姿だ。

「じゃあ行こうか」

甲斐はいつも私服なので、特に真新しさはない。

「制服じゃない犬飼さん初めて見た。帽子似合うね。」

「日差し強くなってきたので…ありがとうございます。」

スラっと褒める事ができる甲斐、さすがだなあ。感心していると視線を感じた。

「あのさ…ソラちゃんって呼んでもいい?」

甲斐さんがちょっと照れながら聞いてきた。

「犬飼さんって硬いなって…」

「全然いいですよ、好きに呼んで下さい。」

呼び方なんて特に気にしない。

「よかった」

甲斐さんが楽しそうに笑った。

ソラの心臓が跳ねる。

「…甲斐さんがその笑顔すると、心臓に悪いです。」

「え?心臓?」

甲斐はキョトンである。

「何でもないです。」

ソラは静かに深呼吸した。



猫カフェを出たあと、

「猫まみれでカフェどころじゃなかったから、ちょっと休憩したいんだけど、ソラちゃん時間ある?」

甲斐は腰に手を当てて息を吐いた。

「はい、特に予定もないです。」

2人は自販機で買ったジュースと共に、近くの公園のベンチに座った。

「甲斐さん凄かったですね!あんなの初めて見ました!」

甲斐の猫まみれ状態に大興奮のソラ。

「あはは、ソラちゃんが嬉しそうで良かったよ」

甲斐も楽しそうである。

またその笑顔でどきっとする心臓を抑える。

「どうかした?」

甲斐がソラの顔を覗き込む。

「大丈夫です。多分…」

不正脈か?だったら大丈夫じゃない。

「ほんとう?」

更に顔を覗き込む甲斐。

「し、心臓がどきってするんです。甲斐さんの笑顔見ると…これ何なんでしょう?」

「え?」

甲斐が固まった。

「それって…いや違う、でも…」

モゴモゴしている。

「…ソラちゃんて彼氏いる?」

「彼氏ですか?いた事ないですけど」

「じゃあ、誰か好きになった事は?」

心臓と何の関係が?

「ないです。」

「俺の事好き?」

「え?」

ソラは思わぬ質問に思考停止した。

「甲斐さんが好き?」

口に出していた。

「あはは、ソラちゃんて面白いね!冗談だよ」

甲斐さんが吹き出す。またあの笑顔で笑う。

あれ?

ソラはドキドキしている自分の鼓動を感じる。これってそういう?

いままでゲームの事しか考えてこなかったソラ、自分がまさかそんな状態に陥るとは…

「まぁ、そうだったら嬉しいけど。また何かあったら教えて?」

「あの、甲斐さんも心臓がおかしくなる事ありますか?」

「お、俺?…あるよ」

甲斐さんが優しく言った。

なんだ?今度は胸が締め付けられるような…何だか苦しい。

「甲斐さん、今度は苦しいです」

さっきまで猫カフェで楽しかったのに、急に何だか気分が落ち込んでいる。甲斐さんがあるって言ったから?

「ソラちゃん大丈夫?気分悪い?帰ろうか」

甲斐が腰を浮かす。

ソラは甲斐の服を咄嗟に掴んだ。

「まだ一緒にいたいです。」

甲斐もソラも驚いた顔をしている。

「ソラちゃん、やば、俺も今心臓飛び出るかと思った…」

「ええ?どうしてですか?」

ソラが追求する。

甲斐は座り直して手で顔を塞ぐ。

「もう、ソラちゃん勘弁して…」

耳が赤くなっている。

「甲斐さん、前もそれやってましたよね?」

ソラは遠慮なく追求している。本人に甲斐を追求している自覚はない。

「ソラちゃん?」

「はい?」

甲斐がソラの口を人差し指で抑える。

「恥ずかしいから、ちょっとストップ。」

ソラの心臓がまた跳ねる。

少しの間、2人とも動かなかった。

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